自己紹介|はじめてのnote
はじめまして。やまめと申します。
文房具、特に万年筆・ガラスペン用インクをテーマにして活動しています。
まだ1年経っていないですが、いろいろと遊んでいるので、その紹介をしていきます。
今回はやまめの2つのオリジナリティをお話します。
モチーフを切り口に、インクの色彩表現を語る
やまめのデビューは2024年5月18日開催「第5回文具マーケット」でした。
遡ること2024年2月。きっかけは、いま全国各地で販売されているご当地インクに「だいたい色は同じなんじゃない?」と思ったことでした。とか思いつつも、インクをいくつも買ってしまう自分がいる…。色は似ているのにどうして目の前にすると欲しくなってしまうのか。いろいろ考えた結果、モチーフと背景にあるストーリーに注目しているからではないかという仮説ができました。同じような色でも、異なるモチーフを背景にしてインク色を表現している。そこにインクの魅力と昨今のインクブームの中身があると感じました。
調べ始めると「モチーフを切り口にして色を語る表現」があまり世間にないことにも気づく。色を比較した本やムックはたくさんあるのに、モチーフを切り口に語ったものは見当たりませんでした。世に無いなら書くかという精神から同人誌を作ることにしたのが経緯です。そのときの熱量は振り返ると我ながら恐ろしい。本業の傍ら4月の約2週間で、約2万字の原稿を執筆しました。
出来あがった同人誌のタイトルは「インク沼の観察—コンセプトと色彩—」。私はコレクターではないので、インク沼の淵にまだ居るつもりです(自称)。淵で沼を俯瞰して観察するという題目にしました。「桜」をモチーフにしたインクを9色あつめ、それぞれのインクの背景を考察する。地域、メーカー商品かどうか、そして色表現。見事に全てのパーツが桜には揃っていました。
👉購入はこちらから(文具王工作室)
イラストやデザインは友人のヒイラギウズ氏(活動休止中)にをお願いしました。本当にステキな見た目と読みやすさを実現してくださいました。この場を借りて改めて感謝。
そんなこんなでバタバタと5月を迎え、「やまめ」が誕生し、文具マーケットで同人作家デビューをしました。
ペンプロッターでインク色見本を作る
もうひとつのオリジナリティは「ペンプロッター」です。
この機械は、PCでXYを指定するとその通りに動きます。そこにペンを持たせると、自分の指示した通りに文字やイラストを描いてくれる、なんとも楽しい機械です。世界にはこれでプロのアーティストとして活動している方もいたりする、なんとも奥深いマシンなのですが、私はこれをインク色見本を作るのに使っています。
万年筆インクでもボールペンでも同じですが、筆記具を比較するときに手を使って条件を揃えるのはかなり難しい。それがペンプロッターではいくつもあるパラメータを揃えることで、できるだけ条件を揃えることができるようになりました。同じ筆圧、同じ速度、同じ角度で同じ図形・文字を書く。これこそ見本であり、並べて比較できるものだと思います。
フォーマットはいくつか試作ののち、文字と図形を両方含むものにしました。全く同じ形の文字を何度も書くことはできませんし、左上の渦巻模様もこの密度では人の手での筆記はほぼ不可能です。簡単な内容に見えますが、インクの比較に必要な要素はたくさん入れつつも、ペンプロッターの機能を活かしたフォーマットができたと自負しています。
ペンプロッターで遊び始めて1年が経ちましたが、プロの先輩ペンプロッターユーザーの作品を見るたびに、そのポテンシャルに驚かされます。万年筆インクだけでなく、ボールペンや鉛筆、マーカーなど他の筆記具も試していて楽しい。今後noteでも紹介していければと思います。
インク沼を観察し、編集を楽しむ
正直なところ、インク沼はもう飽和しつつあります。色だけでなく、以前は地域ごとなどでバラけていたモチーフもだんだんと被るようになってきました。Tono&Limsのように個人作家単位でインクを作れるくらい、インクが世の中のラインアップに加わるハードルが下がっています。
ここで編集の目を持っていることが、この混沌を楽しむ秘訣ではないでしょうか。いろんな切り口があると思います。メーカー、色、地方…などいろいろあるなかで、私は「コンセプトと色彩表現の関係」について語っていこうと思います。
自発的に始めるこのnoteの他にも、ご縁をいただいた中国老舗インク「Ostrich-Ink Japan」公式アンバサダーやmixi2「インク沼」コミュニティの管理人など、活動の幅を広げている途中ですので、各所で見ていただけますと幸いです。
それでは、これからどうぞよろしくお願いいたします。