キャッシュレス後の世界について考える
上の記事関連で、@fukkyy のTweetが「まさに!」と思い、彼の考えている信用周りについて理解が追いついた感覚を得て、昔まとめたことを外出ししてみたくなった、という記事。これは資金移動文脈がメインだけど。
今のキャッシュレスのお題目
・オリンピック時にインバウンド民がメインの決済手段で決済できるようにする、が政府の大義
・日本人に対しては、とにかく現金から切り替えるだけの空気感がある
・レジで並ばなくていい、くらいの感じ。明確なメリットやそれで社会がどうなるかの絵が描かれきっていない肌感
(クソ頭いい官僚いるので描けている人もいると思うけど、外に伝わっていない感)
キャッシュレス後の世界について考える
■資金移動がリアルタイムに行われるようになる
・キャッシュレスインフラが整うと、資金移動はデジタルで完結する
・移動コストが劇的に下がる
・スマートコントラクトっぽい、こういう条件を満たせば資金移動する、
という条件を設定できる
・消費者→事業者への移動がリアルタイムになると、事業者のキャッシュフローが早まる
・そうすると、事業者→事業者の移動も早めることができる
・消費者がある商品をコンビニで買ったら、すぐに小売に資金が移動し、さらに自動でそのメーカーに資金を移動させる、ということも可能となる
■[結果①]無駄遣いが減る
・決済機会が細分化される
・家賃を日次で支払う、参考書の読んだ章だけ支払う、とか使った分だけ支払う、ということができるようになる
・よりインパクトの大きい領域は公共領域
・税金一括ではなく、ゴミ出し1回1円徴収する、とかできる
■[結果②]理不尽な無与信がなくなる
・既に資産/貯金/現金を保有していれば、決済額の分があるかないかだけを確認して引けば良いので、"無駄"な与信が不要になる
・賃貸契約の審査とかも短時間に(大家が住んでほしい人の選別とかはまた別として)
・お金が足りない人は、普通に貸金の審査をすれば良い。お金は足りてるのに審査される不毛さがなくなる
・逆に、金払える以外の要素の与信が広まる
・決済時にID/スコアを取得して、激クレーマー候補は弾く、とかできる
・何かお行儀の悪いことをした時にスコアを下げて契約しにくくする
とか、できる
・ゴミ出しをちゃんとした曜日に出せば1円、そうでなければ3円、
といったルールを守る人が優遇される世界になる
・→さて、これは人がどこまでこういう世界を望むか?次第ではある
■[結果③]資金繰りの問題がなくなる
・売れたらすぐにお金が入金されるため、資金繰りという概念がない
・もちろん物を作るための融資は必要だが、それは資金繰りではない
・給与もリアルタイム(日次?)とかで振り込まれる
・給料日まで金借りる、というのがいらない
この世界の課題
・現時点で個人資産の中心である銀行側の流動性が必要となる
・100億預金あっても、内90億融資してて、10億しか現金がなければその銀行を使ってる預金者の総決済余力は10億
・信用創造で伸びた今の経済システムが根本的に変わってしまう可能性がある