遺された人が困らないように、情報の生前整理をしておきたいと思う
いきなり生前整理なんてことを言い出して、一体どうしたの?なんて思われるかもしれませんが……(笑)
noteのお題企画「#いま始めたいこと」に応募しようと思い、私が新たに挑戦したいことって何だろう?と考えていて、ふと思いついたのがこのタイトルでした。
モノの整理は体力があるうちに、情報の整理は頭が回るうちに
私の母は、ある日突然倒れて亡くなりました。
亡くなったのは、現在の私と同じ年齢の時でした。
なので、そろそろ終活を意識しても、決して早くはないんじゃないかなと思ったのです。
実際、不用品の整理は体力のある40~50代のうちにやっておく方が楽ですし、
情報(IDやパスワード、預貯金口座など)の整理も、頭が回る早い段階で書き記しておく方が安心ですからね。
スマホもパソコンもなかった母の遺品整理は、「モノ」が中心で、大して難しいものではありませんでした。
でも、もしも私が今、突然死んでしまったら、きっと家族はすごく困るだろうなと思うのです。
もしも私に何かあった場合でも、私のサロンの確定申告は家族がしなければならないし、
業務用に使っているソフトやインターネット銀行など、ログインIDとパスワードが必要なものも山ほどあるからです。
急逝した友人のデジタル遺品に直面した経験
実は私には、このデジタル遺品について、切羽詰まる思いをした経験があります。
▼ こちらにも書いた友人が亡くなった時、彼のデジタル遺品(パソコンとWEBサイトの管理)を私が受け継いだのです。
彼は病気で会社を辞めざるを得なくなり、生活のためにブログを運営していました。いわゆるアフィリエイトブログです。
ちょうど時代の波に乗ったこともあり、ピーク時は消費税の課税事業者にもなるくらいの収益を上げていた、と言えば大体察しが付くでしょうか。
ただ、亡くなったのがあまりにも急だったため、彼のご家族はそんなブログが存在していたことも全く知らなかったのです。
そのまま知らずに過ごしてしまえば、確定申告の時期に大変なことになるのは目に見えていました。
そこで、私はご家族に彼のブログのことを伝え、その後のブログの管理や経理関係の資料を発掘する役目を仰せつかったのです。
ID・パスワードの情報が全くない中での手探り
この道のりはものすごく大変でした。
全てのログインID・パスワードが分からない上に、パソコンにすらログインできない状態でしたから。
そこで私はパソコンのパスワード解析を業者に依頼し、退去作業の衝撃で壊れたグラフィックボードを修理に出して、どうにかログイン。
(ログインしなくてもデータを取り出すことはできる?みたいですが、私はその辺りはよく分からないので、データが壊れる可能性の低い方法を選びました)
そして丁寧にパソコン内を探り、残っていた契約内容のスクショなどから、一つひとつIDを探し当てていきました。
幸い、彼は几帳面な性格だったので、利用しているサービスや登録メールアドレスなどのメモは残されていました。
が、肝心のパスワードについての記述はなく、残されていたのは二段階認証の強制解除キーのみでした。
そこで、彼のお母さんと協力しながら管理者変更手続きを進めつつ(手続きに必要な情報は契約者本人宛に郵送で送られるため)、
強制解除キーを駆使しながら、どうにか私の手元に全ての情報を揃えることができたのです。
口座が解約されて宙に浮いていた成果報酬も、ちゃんと回収できた
この話のおまけとして、独自ドメインのメールアドレス宛に届いていた、とても重要なメールを発見したことを書き添えておきます。
そのメールによれば、解約された彼の銀行口座に振り込まれるはずだった成果報酬が、どうやら宙に浮いてしまっていたようです。
その額、およそ60万円。決して少ない金額ではありません。
アフィリエイトというのは、成果が発生してから確定するまでにかなりのタイムラグがあります。
彼のご両親は、彼のブログの存在を知らなかったので、時間が経ってから振り込まれるお金が発生するなんて考えてもみなかったのですね。
届いていたメールは、アフィリエイトプロバイダ(ASP)ではなく直接契約していた会社からのもので、
「振り込みエラーで振り込みが出来ないので、正しい口座番号を教えてください」といった内容でした。
そこで、彼が急逝してしまったことを伝え、彼のご家族の口座に振り込んでもらえるように代理でメールを送りました。
彼の最後の成果報酬は、こうして無事に受取人の手元に届いたのでした。
デジタル終活(情報の整理)~残された人々が困らないように
彼は生前、私にブログの管理を引き継いで欲しいという意思を示していました。
なので多少の情報がパソコン内に残っていたのは幸いでしたが、それにしてもかなりの苦戦を強いられました。
もう少し情報がまとめられていたなら、きっともっとスムーズに管理者変更手続きができただろうと思うのですが、そればかりは今言っても仕方ありません。
でも、これを教訓に、自分の仕事についてはちゃんと情報を残しておかなくてはいけないなと思いました。
生前整理といってすぐに思い浮かぶのは不用品の処分ですが、ある意味、モノなら業者に任せるという選択肢もあります。
ですが、個人に属するもの(情報、思い出)はそうはいきません。
母の頃とは違って、今はスマホやパソコン、SNSやネット銀行のアカウントなど、ほとんど誰もが持っていると思われる時代です。
そしていつ何時、何が起こるか分からないのが人の運命です。
遺された家族が困らないために、そして自分が安心してこの先を生きられるように……。
そんな訳で、これから始めたいことの一番先に、私は「デジタル終活(エンディングノートの作成)」を挙げておきたいと思います。
noteのお題企画への投稿として、今回はこんな記事を書いてみました。
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