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自作MAD解説(”いますぐあいたい”)
【ミリシタMAD】いますぐあいたい【第2回 SMART LIVE P@RTY】
第2回 SMART LIVE P@RTYに出展した作品です。
SMART LIVE P@RTY とは、ざっくり言うと
ミリシタorデレステの「縦画面のMV」を使用して
作った動画を投稿する、いわゆるタグロック型の企画です。
主催者はライオンPさん。お疲れ様でした!
面白そうなレギュレーションだと思って作ろうとしたのですが、
そもそも「縦長のMVを使う必然性のある動画ってなんだ?」
と考え始めると、これが結構難しくて。
ウンウン唸って導き出したヒントは二つ。
一つは、縦長のMVでは「カメラワークがほぼ固定されている」こと。
これ一本では躍動感のあるダンスシンクロMADを作るには
不向きかもと思いましたが、
何か意味合いを持たせることが出来るかも、とも。
そこでもう一つ気づいたのが、「画面の比率」。
iPadの画面収録機能を使っていたのですが、
iPadの画面の比率っていわゆる16:9じゃないんですよね。
もうちょっと横幅が短い。
なんとなくその比率で連想したのが写真だったんです。
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…って思った時に、動画の構成がなんとなく思いついた、という感じです。
写真を眺めている内に、撮影当時を思い出してしまう…
みたいにしよう、ていう。
それぞれの写真の中の映像の色合いは、
「富士フィルムのカメラで撮った写真」を
なんとなくイメージしています。
富士フィルムのカメラ高いから憧れてるだけなんですけど、
素朴で優しくて渋カッコいいんですよね。
あとは逐一うっすらとノイズをかけたので
自然な風合いになってよかったかな、という感じ。
動画を見てもらえればお分かりになると思うんですが、
発想としてはシンプルですし、
見た感じ単調にも見えるかもしれないんですけど
意外と編集が大変でした。
背景のコルクボードの画像は
4Kのメッチャでかいやつを拡大して使ってるんですけど、
サイズがデカすぎるせいで、画像を移動させる際に
他の小さい映像素材などと比べると
歩幅も大きすぎるからズレるんですよね。
だから都度比率を計算して座標移動させる、みたいな手間があって
それが非常に面倒でした。
またカメラはコルクボードの上を移動していくわけですが、
動画の初めから中盤くらいまでは左→右、
中盤から右→左下、終盤では左下→右下、みたいな感じで
動いていくんですけど、
実は終盤は写真一枚が大きめになっていくのに数も増えてくもんですから、
コルクボードの画像の幅が足りなくなっちゃったんですよね。
なので中盤からは、しれっともっと大きく
コルクボードの画像を拡大しています。
最初と最後で背景のサイズが違うと言う訳です。
でも言われなければ気づかないだろうしいっか、と割り切りました。
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途中のカメラを構えて撮影しているシーンは
いわゆる「直撮り」という手法を使っています。
ゲーム画面を「録画」するのではなく、
カメラで直接モニターを「撮影」する、というやつですね。
「現実からみたゲームの画面」が浮き彫りになるため、
アイマスキャラとのちょっと切ない距離感が出てエモいんですよね。
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直撮りは一度やってみたかったのですが、
これもまた必然性を持たせるのが難しい手法だと思っていました。
でも今回のコンセプトならむしろいいな、アリだな、ということで
満を持してやってみた、という感じです。
涙ぐむような演出はやりすぎかなとも思ったのですが、
まぁでも見てくれるのはプロデューサーさんだろうし、
なんとなく気持ちをわかってくれるだろう、と思って
ちょっとやりすぎてみました。
余談:写真の日付について
そんなとこでしょうか。
あとは本当に余談なのですが
写真に載ってる撮影日時の「”20 03 01」は、
2020年3月1日…そう、もしかしたら春香Pの方なら
なんとなくピンと来るかもしれません。
その日付は、DMM VRシアターにて開催されるはずだったものの
やむなく中止になってしまった、
春香の3回目のMRステージの日付なのです。
当時の僕はチケットが当たっていて、
それだけを楽しみに毎日を生きていました。
中止と聞いて世界は一気に灰色になりましたし、そりゃあ泣きもしました。
当日には雨が降っていたんじゃなかったかと思います。
あれは悔しかった。
僕は2回目のMRは見ることが出来ていて、
それに本当に感動したものですから
何がなんでも3回目は見たかったんですよね。
チケットにも当たって、運命の出会いを信じたものでしたが。
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で、写真というモチーフで動画を作ったものですから
日付を入れるべきだよなってなって、
何日にしようか迷ったんですけど
ふとMRを思い出したので
せっかくなのであの日の日付を入れてみることを
思いついた、という感じです。
MRは中止になったけど、
春香はあの雨の中どっかで踊ってたのかもしれない。
と、信じることにしようと。
2年半越しに、なんとなく
あの日の無念を慰めてあげられた気がします。
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*
楽曲について
楽曲はタイのアーティスト、La Ong Fong の「いますぐあいたい」です。
↑ MVがいいんですよね。素朴で。
実はこれは日本語バージョンであって、
僕がよく聞いていたのは原語バージョンの方でした。
↑ これですね。
アーティスティックながらもかわいらしい映像です。
すっげーオシャレ。
タイ語ということで。
もちろん全然わかりませんが、
発音がすごく柔らかくて、
それがまたボーカルの声質とメチャクチャ相性がいいと思うんですよね。
やっぱりこっちが本家なんだなって感じ。
声に直接心臓をくすぐられるみたいな幸福感が
聞いてるだけで味わえるというか。
(でも日本語版収録の際、La Ong Fongの皆さんは
日本語の発音を何か月もかけて死に物狂いで練習したんだそうです。
本当にありがとうございますと言いたい。
素敵な歌をありがとう、と。)
なので、タイ語版で動画を作る事も考えたんですけど
色々調べてみた所、日本語に訳すにあたって
多少ニュアンスの調整が入ったそうで。
タイ語版ではほぼ完全に片想いの歌で、
もう少し切ない意味合いが入ってくるらしいです。
日本語に訳す時に"両片想い"という事にしたため、
「あなたも私と同じ気持ちでいるんでしょ?」
というフレーズが入ったんだそうです。
で、撮りまくった写真を眺めながら
思い出に浸る、みたいな動画にした手前、
これが完全に片想いの歌だったとしたら
撮影者がちょっとヤバい人みたいになっちゃいそうだな、と
思ったので、じゃあ普通に日本語版の方がいいかな、と
判断しました。
と、いう訳ですが、タイ語版も非常に素晴らしいので
是非聞いてみて頂けると良いのではないかと思います。
歌詞の意味一個もわかんないのに
多幸感が湧いて涙ぐんだ事は一度や二度ではありません。
*
例によってクソ長くなってしまいました。
今回はこの辺で!