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RRRと戦争の歴史

話題のインド映画ということで『RRR』を見に行ったのだが、
思いの外緻密で、深いテーマのある映画だった。

まずこれは、植民地時代イギリスに虐げられてきた過去を持つインド国民にしか作れない作品だと思う。
単なるアクション映画ではなく、これまでにインド国民が歴史上経験してきた苦しみ・怒り・痛みを2人のヒーローに託し、実現できなかった願いをぶつけている映画、とも言えるだろう。

主人公の2人のヒーロは、インドの叙事詩「ラーマーヤナ」「マハーバーラタ」に出てくる王子や、異なる時代を生きた実在する革命家をモデルとして描かれている。
インドには沢山の言語・民族・宗教が存在しているが、悲しいことにインドが独立する際には、イギリスの策略によって同じインド国民同士なのにヒンドゥー教とイスラム教に分かれて対立し、数え切れない人が亡くなってしまう。

ビームとラーマは、出身も宗教も異なるが友情が芽生え、同士になる。


英国宮殿のシーンの撮影は、ウクライナ キーウのマリインスキー宮殿で行われたそうだ。撮影の頃は、戦争など始まっていなかったのに、その場所が本当に戦地になってしまうとは誰が想像できただろう…
何故、人は戦争してしまうのか。
これまでも何度という大戦が繰り広げられてきたが、歴史を乗り越えるには、戦争を避けては通れなかったのかもしれない。それしか、生きる方法がなかったのかもしれない。でも、やはり正しいことではない。
戦争が愚かだということに、早く気づいてほしい。

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