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【世界もココロもグラデーションでできている】46「陶磁器と食文化のひみつⅠ」㉑

こんにちは 八彩理絵子です。
前回「日本の陶磁器のひみつ」についてお話ししました。

今回は「陶磁器と食文化のひみつ」についてのお話しです。

伝統的な日本の食文化から、洋食器とは異なる和の魅力を探ってみましょう。違いを知ると、器の奥深さを再発見できるかもしれません。

【習慣による性質の違い】                      和食:茶碗やお椀を持って食べるのが作法                    洋食:テーブルに置いたまま食べるのがマナーです。        

手で持ちあげて食べないため、洋食器は大きくて重たいのが特徴。

和食器のほうが、形・サイズ・重さに、さまざまな個性の違いがあります。和食器の個性が豊かなのは、お箸文化が関係しています。例えば、汁物は直接口元へ運ぶため、手触りだけでなく口当たりの良さも大切。素材のデザインやクオリティに加えて、微妙な厚みや感触の違いが工夫されているのが、和食器の奥深さです。

【和食の醍醐味は、四季を感じられること】                和食が世界に誇れるのは、四季を楽しむ美意識があることです。器は、季節と彩りを表現するための立役者。食に奥行きもたらしています。洋食器の主流は白色ですが、黒やグレーといった暗色が多用されているのも日本ならではです。

【「和」の美】                            和食の基本は「一汁三菜」。ご飯のほか、汁物+主菜+副菜2品というのが昔ながらの献立です。一方、洋食の代表としてフランス料理を例に挙げると、ベーシックなコースでは4品(前菜、スープ、メイン、デザート)。器の種類は、こうした食の構成によって決まってきます。洋食のコースで一般的に使われているのは、お揃いのシンプルなプレート。和食はというと、逆に同じデザインでは味気なくなってします。統一することで美を演出する洋食器に比べて、和食器は色、柄、形、素材など異なる趣を調和させることに美しさがあります。

1品ずつ出される洋食コースとは違い、和の食卓では一度に料理が並べられます。そのため、全体的な彩りやバランスが大切。この時和食器は、料理だけではなくお互いの器同士までも引き立て合います。まさに和を成す協調性を持ち合わせているのですから、優秀ですよね。立体感がある分、視覚的にも魅力的。

【陶器と磁器】                           洋食器で主に使われるのは「磁器」                  ツルっとした滑らかな手触りの磁器。石を砕いた粉砕物が原料に使われていています。上品で繊細に見えますが、実は陶器より硬くて丈夫。ナイフやフォークを使っても傷つきにくいのが長所です。

日本の伝統磁器としては「伊万里焼」「有田焼」「九谷焼」「砥部焼」が知られています。明るく澄んだ色彩で、テーブルに添えれば家庭料理が上質なおもてなしに!

風合いを楽しめる「陶器」
和食で主に使われているのは、ぽってりと素朴の優しさがある陶器。粘土を原料としていて、低温で焼き上げられています。吸水性があり、磁器より柔らか。ざらっとした感触が特徴です。

和の陶器では「益子焼」「越前焼」「美濃焼」「備前焼」「小鹿田焼」などが代表的。手作りの風合いと、1つずつ違う表情に癒されます。

今、お料理の画像を見ていて講座仲間のある人のことがずっと頭を過っていました。
『じわじわ広がる「幸せ♥」のごはんばくだん』を一人でも多くの方に届けようと活動中の料理人あきちゃんのことです。
なんだかお料理からじわじわとあったか~い愛を感じるんです。「気になるなぁ」と思った方は覗いてみてください。
https://note.com/kind_moose808

ここまで、読んでくださり
ありがとうございました。

次回『陶磁器と食文化のひみつⅡ』についてお話ししたいと思います。




今日の伝統色は「韓紅」(からくれない)

韓紅(からくれない)

呉の国からやってきたといわれる呉藍が「くれない」と転化し、やがて
大唐帝国の影響が強くなった奈良時代に、「カラ」の字が付けられて韓紅、または唐紅と呼ばれるようになりました。紅花染の中でも一際濃い赤色です。平安時代、紅花は輸入品のため、とても高価でしたが、身分不相応にも紅花で染める人が続出。当時社会問題に発展するほどで、平安の人々がどれほどこの色に関心を寄せていたかがわかります。
「ちはやぶる 神世もきかず 龍田川 韓紅に 水くくるとは」と『古今和歌集』にも詠まれるほど。大陸の影響を大いに受けた韓紅の熱き色に心が沸き立ちます。

最後まで読んでくださり
ありがとうございます。

大切なお時間をありがとうございました。

さきほど、紅葉を愛でた外国人観光客の方々にインタビューしている放送を拝見しました。やはり四季のない国の方はこの時期を狙ってきたと答えている方もいらっしゃいました。「四季のある日本て、それだけでも美的センスが磨かれていきそう」なんてことを感じました(笑)紅葉もグラデーションだからこそ美しさが際立ちますね。


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