【世界もココロもグラデーションでできている】42 「日本の織物のひみつ」⑰
こんにちは 八彩理絵子です。
前回まで「帯のひみつ」について
お話してきました。
今回は「日本の織物のひみつ」について お話しします。
まず「日本の織物の歴史」について みていきまましょう。
縄文時代~奈良時代
縄文時代後期から弥生時代にかけての 跡から機織り道具がみつかっていることや 弥生時代の遺跡から当時の織物が発掘されて いることから、それ以前にはすでに織物が 存在していたと考えられています。
奈良時代に入ると、西洋や古代中国の さまざまな技術が日本に伝わり、 品質の高い絹織物が作れるようになりました。
しかし、この高級な絹織物は上流階級の人達 しか着ることができませんでした。
平安時代~江戸時代
平安時代に入ると、さらに技術が向上し、 織り紋様が発達します。
宮廷の貴族が身につける有職ゆうそく織物 など日本独自の紋様が誕生しました。
江戸時代には、絹の原料である繭まゆを作る 蚕(かいこ)の飼育が推し進められ、
全国各地で絹織物が発展します。
庶民は麻や綿の織物を着用していました。
明治時代~現代 明治時代になると、大型の織機が輸入され 織物は工業化されます。さらに、近年では コンピューター化も進み織物にも各国の 技法が取り入れられ、日本独自の織物 だけで なく新たな技術を使った織物も 誕生しています。 日本独自の織物だけで なく新たな技術を使った 織物も誕生しています。
機械化が進んだ日本の織物業界ですが、 各地には今でも手織り機を使って昔ながらの 織物を織り続けている職人さんが残っています。
こうした職人さんたちによって、日本の織物の 伝統は受け継がれているのですね。
では次に「織の種類」について
織物は経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を 組み合わせて作られます。
その組み合わせ方は4種類あり、
「織りの四原組織」とよばれます。
1.平織
平織とは、経糸と緯糸が1本ずつ交互に交差 する、織りの基本といわれる技法です。
糸の交差する点が多く、丈夫で摩擦に強い のが特徴です。
2.綾織(斜紋織)
綾織は、斜文織とも呼ばれ、経糸と緯糸の 交差する点がななめに連続して織られる技法です。
そのため、織り地にななめのラインが 浮き出てきます。
適度な強度もありシワになりにくく、 伸縮性があるのが特徴です。
3.繻子織(朱子織)
経糸と緯糸の交差する点に、一定の間隔が あるため、経緯のどちらかの糸が浮き、 交差する点が少ないのが特徴の技法です。
そのため、経緯のどちらかの糸のみが表に あらわれているように見えます。 経糸を多く浮かせたものを経繻子 (たてしゅす)、緯糸を多く浮かせたものを 緯繻子(よこしゅす)とよびます。 引っかかりや摩擦に弱い一方、なめらかで、
綾織よりもさらに光沢があるのが特徴です。
また、よく耳にする「サテン」生地とは、 繻子織の生地のことなんですよ。
4.捩織(搦織)
捩織は、搦織からみおりともいい、 経糸が緯糸の間で絡み合いながら 織り込まれる技法です。
織り目にすき間ができる網状の織物なので、 軽くて通気性が良く、ななめの方向に よく伸びるのが特徴です。
捩織は、紗しゃ・絽ろ・羅らの3種類を 基本形とし、これらは「うすもの」と よばれる夏の着物地になります。
【伝統的工芸品に指定されている織物の種類】
伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき、経済産業大臣により伝統的工芸品であると指定された織物は38種類あります。ご紹介します。
その他の日本の織物もありますが、 ここまでになります。
気になった方は🔍ぜひ・・・
ここまで読んでいただき ありがとうございました。
次回は「着物を着る時の装飾小物のひみつ」 についてお話ししたいと思います。
今日の伝統色はお休みです。
祝日なので・・・
ただの言い訳です(笑)
最後まで読んでくださり ありがとうございます。
大切なお時間をありがとうございました。