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妊活•不妊治療中に傷ついた言葉たち
いつ子どもができるとか、何人ほしいとか
そもそも子どもを望んでいるかどうかなんて、プライベート極まりないことだと思う。だけど結婚してしばらく経つと家族や友人から次は何?とドラマの続きでも待ち望むように家族計画を聞かれる。
ほとんどの場合は善意で悪意はないと分かってる。
だけど何気ないその一言に
心がグシャっとなる時が多々あった。
もし今身の回りに妊活中、不妊治療中の友人や家族が居るならぜひ参考にして頂きたい。悪意なき言葉は時として残酷に誰かを深く傷つけているかもしれない。
『じゃあ何を言えばいいのよ、面倒くさい』って思うかもしれない。
どんな慰めのつもりの言葉よりも相手の気持ちに寄り沿った行動に勝るものはない。例えそれが配慮の末の距離だとしても。
『早く子どもができるといいね』
いや、出来ないです。
そんなこと言われる前に出来るならとっくにできてるよ。できないから悩んでるんです。苦しんです。『子どもは早いうちがいいよ』
そんなの百も承知だよ。不妊治療をしているからこそ順調に授かった人と比べてめちゃくちゃ妊娠、出産に関して勉強しました。そこらの専門外の医師よりも知識はついてきます。年齢に関連した妊娠の確率、出生率。高齢妊娠と出産のリスクも。だからそう軽く言わないで。『大変だね、かわいそう』
見下されている感じがするので個人的にはいい気持ちしませんでした。不妊治療中の患者が抱えるストレスは心疾患や癌で闘病中の人のストレスに匹敵すると言われています。経験したことのない人に分かるはずもありせん。軽くあしらわれるような言葉なら無い方マシです。『子どもがいない人生もありだよね』
特に子どもがいる人には言われたくない。慰めているつもりでもそれは自分軸での発信であって相手の気持ちや境遇に配慮がなさすぎる。子どものいない人生は、妊活や不妊治療をしている人たちからしたら今の目標の真逆の世界。子どもの居ない人生が良くないのではなく、精神的苦痛、身体的苦痛、経済的苦痛を乗り越えても我が子を抱きたいからなんとか未来に希望を見据えて頑張っているんです。『うちは不妊治療してまで子ども欲しくない』
不妊治療を受けている理由は千差万別です。病気になれば治療をして治すと同じように、不妊治療だって立派な選択肢。自分の価値観が相手にも当てはまるわけではない。不妊治療がまるで悪の領域に捉えているようで、差別的に感じた。誰も好きで不妊治療してるのではないことを知ってほしい。『〇〇は諦めたら出来たらしいよ、もっとリラックスしなよ』
そんな簡単に感情をコントロールできるなら世の中からどれだけ不幸がなくなるのか。特に不妊治療中は日常生活そのものに影響する。通院、採血、自己注射、投薬、結果待ちと気が張ってないと出来ないことが多いのが現実です。私は採卵期は一日最高で5回注射器の針が体に刺さる経験をしました。採血に加えて4種類の注射を自分でしなければなりませんでした。お腹はアザだらけで針を刺す場所を探さないといけないほどに腫れました。もちろん痛い。気が張っていないと出来ないです。『諦めろ、リラックスしろ』と言う前に自分が知らないだけで実は壮絶な裏側があることに少しでもいいから想像してほしい。
今、5組に1組のカップルが不妊に悩まされていると言われている。もしあなたの周りで誰かが苦しんでいて、それを打ち明けているのであればぜひ寄り添ってあげてください。関心を持って話をきいてあげてください。どんなかけ言葉よりその気持ちと行動に心が救われる人がいるかもしれない。