稲刈りの季節
稲刈りをしてきた.場所は,以前田植えイベントでもお世話になった熊本県にある花の香酒造.(田植えイベントについても記事を作成しているので,興味がある方は是非見ていただきたい.)
花の香酒造では,酒造りにおいて江戸時代に栽培されていた米(「穂増」)を伝統農法のもと自家栽培している.そうして作られた希少なお米でお酒を造っている.伝統農法の中には,1本手植えや手刈りも含まれている.これらは,当然機械に比べて作業効率の劣るものである.そこで,体験イベントとして地域活性化と併せて人手を募っているのだ.
稲刈り当日は,それまでの曇天とは打って変わって快晴であった.朝は少し冷えるが,作業をし始めるとそれなりに汗をかくレベルだ.稲刈りは,手刈り班と稲束を縛る班に分かれて行った.
手刈りは想像にたやすく稲を一束ずつ鎌で刈っていく作業だ.一方,稲束を縛るというのは,稲刈りが終わった後に稲を干す「稲架掛け」を行うために行うものだ.稲架掛けでは縛った稲束を二股に割って穂先を下にして天日干しにする.この際,稲が乾燥し縮むため,きつめに縛っておかなければ稲が落ちてしまい意味が無くなってしまう.手の力を使って縛っていくので徐々に手に力が入らなくなってしまうし,縛る紐が藁なので,力加減を誤るとちぎれるので,かなり苦労した.
今回のイベントは研究室のメンバー複数人と一緒に行ったので,手刈りと稲束縛りの役割を交代で行った.しかし,他にも参加者はおり,刈り取り班が圧倒的に優勢だったため,後半はほとんど稲束縛りに従事していた.また,稲束縛りや縛った稲束を移動する際に稲が何本か落ちてしまうので,落ちた稲を拾っていく作業もした.結構散らばっていたため,いちいち腰を下ろして拾おうとすると腰に負荷がかかった.
そうして,作業をしていったが無事2時間ほどで刈り取りから稲架掛けまでが終わった.お昼ご飯は,花の香酒造がある和泉町の地域の食材で作られた料理.野菜と酒粕を使ったものが多く,優しい味だった.おにぎりは,以前の田植えイベントに参加した際に振る舞われたものと同じ米だったはずなのだが,以前よりモチモチとした食感だったように思う.何が違ったのだろうか….また,地元の肉屋さんの差し入れということで,馬のもつ煮込みも振る舞われた.馬刺しなどで馬を食べることはあっても,もつ煮込みで食べることは無かったので初めての経験だったが,通常のもつ煮込みに比べて脂身が少なく,あっさりと食べられた.もし機会があれば是非とも食べて欲しい.
ご飯が終われば,酒だ.酒蔵で,4種類の振る舞い酒を楽しみ,お土産としてもお酒を貰った.振る舞い酒は,疲れた体に非常に染み渡った.一緒に来ていたハンドルキーパーと教員には憎ましげな目をされたが,美味しいものは美味しいのだ.
以上,花の香酒造での稲刈りレポートだ.実のところ,今年は私自身が研究も含めて稲刈りをすることが多く,稲刈り自体そこまで苦も無かった.ただやはり,今までゴムで縛っていた分,藁で稲束を縛るのは中々骨が折れ,文明の力を感じた.イベントとしては,勉強にもなり食事とお酒を楽しめるため,非常に楽しかった.来年も参加したいと思う.