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しあわせはどこに(連載)



あれは幻だったんだろうか。

今でも時々ハルは思い出す。


その日外出するため自転車に乗ったハルが、
いつもの道を通りかかった、その時。

ハルの自転車の真横に何かいる気配がする。
妙に気になってハルはそっちに目をやると、


「ギャアーッ!!」


次の瞬間ハルは思わず叫んだ。
こんな時に限って周りにだれもいない。 

ハルが目にしたのはそれなりに成長したと思われる
1匹のアオダイショウ。

『これ、アオダイショウっていうんだっけ?』


緑色をした蛇は悠々とカラダをくねらせながら、
確かにその場に蠢いていた。

そう、それがハルの錯覚じゃなければ。

本当に突然のアクシデントだった。


いくら傍に河川敷があるからって、こんなすぐ近くに民家もあるのに。


このところあちこちで生き物が街中で見られるようになったってニュースも耳にはしていたけど。


自分の住む町にもこんな珍客が現れるなんて。

ハルは驚きを隠せない。


早速ハルはネットであの子のことを調べることに。
すると画像からあの子はアオダイショウという
種類の蛇だということが判明した。

だけどあの子には毒もなく、自分にも危害を加える
ような荒々しさもなかったし。

ただ叫び声にはなんか反応してたみたい。

ゴキブリほどの反応じゃないにしても。


蛇という生き物は幸運のシンボルだということも、
この時ハルは初めて知った。


滅多に出現しない蛇を見ることが出来たのだから、たぶん自分はラッキーだったんだろう。

なんかいいことないかなあ。

これも何かの思し召し?

もしかしたら幸運を運んできてくれたんじゃ。


白蛇が金運をアップさせると云われるのに対して、
きっとあの子だって何かの幸運をもたらすはず。


ハルはなんだかワクワクしてくる。


続く















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