CD選書/Q盤について
「1990年」はレコードから完全にCDに音楽フォーマットが移行した年で、CDプレーヤーもかなり普及していたと思います。
89年の年末に発売された松任谷由実の「LOVE WARS」は、銀座の山野楽器で発売日に11秒に1枚売れたことがマスコミを賑わせ、日本人初の200万枚を突破したアルバムになりました。
90年代に入りCD時代に突入すると自分も完全にCD派になり、音楽はほぼCDで聴いてきました。
当時はレコードでしか聴けなかったアルバムがCD化されるというのは、かなりの事件だったので、「初CD化」は音楽ファンなら誰しも大好きなワードだと思います(笑)
近年の「サブスク解禁」に近いものがあるかもしれませんが、「初CD化」の方がどこか重みがあるような気がします。
当時の新譜のCDはだいたい3000円が主流だったのですが、そんな時に
「CD選書」という再発のシリーズが登場したのです。
CD選書は「Q盤」とも呼ばれ(旧譜の「旧」とQualityの「Q」の掛詞)、専用の薄型ケースに入り、1500円というお手軽価格で販売が開始されたのです。
当初はソニーから一斉に発売されたのですが、特に有名なのは松田聖子や大滝詠一関連のものかもしれません。
郷ひろみや山口百恵などのカタログも一斉にCD化され、世の中の人々は手軽に往年の名盤をCDで楽しむことができるようになったのです。
この「CD選書」は各レコード会社からリリースされていたのですが、やはり圧倒的にソニー系のカタログがそのシェアを占めていました。
そんな事情もあり、他のレコード会社も独自の「CD選書」を発売するようになります。
・ワーナー/音泉(おんせん)1500シリーズ
・東芝EMI/音蔵 (OTOGRA Sound Graffiti) シリーズ
・東芝EMI/COOL PRICEシリーズ
・ビクター/定番コレクション 2in One
・コロムビア・VAP/CD文庫シリーズ
・キング/CD市場シリーズ(音楽市場)
・ポリドール/CD極上音楽(CD極楽)シリーズ
・トーラス/CD叢書シリーズ
・BMG/音パレードシリーズ
などのシリーズがありました。
自分もたくさん所有しているのですが、サブスクになっているアルバムのジャケットはほぼ処分してしまったので、今手元にあるジャケットを載せておきます(ケースは処分してしまいました)。
この「CD選書」の類似品に、ソニーの「オーダーメイドファクトリー」という受注生産のものや、コロムビア独自のサービスである「R盤」というシリーズがありました。自分も当時、稲葉喜美子のアルバムを購入しましたが、稲葉喜美子の3枚のアルバムは未だCD化になっていないので、これは買っておいて良かったです。
その後、R盤のようにMEG CDというサービスがあったのですが、現在はその業務がビクターに移行し「レーベル・オン・デマンド」という名称に変わっています。このサービスは現在どんどんカタログが増えていますので、是非サイトをチェックしてみて下さい。
ということで、今回は「CD選書/Q盤」について紐解いてみましたがいかがだったでしょうか。
また90年代の音楽事情を思い出したら、このnoteに記していきたいと思います。