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心愛ちゃんがうらやましい

(画像の出典: photo-ac)
そうだよ。野田小4女児虐待事件の、あの心愛ちゃんだ。

親の虐待をちゃんと虐待だと認識できて、その上で「先生どうにかできませんか」と、他人の大人や児童相談所に助けを求めている。
なんて賢い子なんだろう。
現役小学生だった頃のワシに、その知恵があったなら。

児童相談所という名称は何となく知っていたけど、何をする所なのか知らなかったし、どこにあるのかも知らなかった。調べようという考えもなかった。知ってたらすかさず駆け込んだのに。

また、最近の事件で、こんな子もいる。
「父から暴行の7歳児、一人歩いて交番に…」
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20190522-00000352-nnn-soci

そうか。交番へ行ってもよかったんだ。
門限を10分程度遅れて帰宅したあの時、母に玄関からケトばし出されて家を締め出された時に。
でもまあ、仮にそれを思いついたとして、あの時代では「親の言うことは聞きなさい」なんてお巡りさんにお説教されて帰されるのがオチだったかも。
何よりその後の親の報復が恐ろしいし。

とにかく「大人の他人」を巻き込むって大事。

児童相談所も心愛ちゃんの事件では、せっかく保護したのにみすみす自宅へ戻したことで、かなり非難を浴びてはいる。でも子どもの立場から1つだけ弁護してておくと、親こそご機嫌をとって気を使わなければならない面倒な存在なのだ。衣食住の保証をカサにきて権力を振りかざす、ね。
相談所の職員さんというのはそのしがらみがない、まったくの他人だというだけで、子どもとしてはどれほど気が楽であることか。

何より彼女をうらやましいと思うのは、自分の親がどんなにひどい親であるかを広く世間に知らしめるのに成功したことだ。命と引き換えに。
スピリチュアル的に言うと、あれで確実に何か、流れが変わった。
本当に伝えたいことがちゃんと伝わるなら、命なんか惜しくないんだ。
もちろん非常に残念な事件であるし、絶対に許せないと思う。そのことは毒親でもなんでもない親に育てられたお前らなんかより、ワシの方がはるかに切実に感じとる。

「お前を殺して、あたしも死んでやるーっ!!」と、母に殺されかけたことは、まあめったになかったが、一度だけというわけでもなかった。
あの時殺されてればニュースにはなったかも。でも生存本能からつい必死に抵抗して生き延びてしまったのさっ。なんて自分はヘタレだったのだろう。

なんだか随分長生きしてしまった。

ただ…な。
ここからは想像だけど、もし心愛ちゃんがが死ななかったとして。
どうにか大人になったとして。で、結婚するなりして子どもを産んだとしたら。
自分がされたのと似たような虐待を子どもにしてしまうことにはならないか。
虐待は連鎖する。恐らく父親も、かなり厳しく躾けられたのではないか。
この程度の暴力、暴言は当然と思うように…ならないとは誰にも言えない。

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浅間恣意
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