【第52回】人、暮らし、まちとつながる風景づくり
第一線で活躍しているクリエイターをゲストに迎え、クリエイティブのヒントを探るトークセミナーシリーズ「CREATORS FILE」。
空間の必要性を再認識したコロナ禍
西澤:本日は、建築設計事務所「teco」の代表、金野千恵さんをお招きしました。金野さんは今年、国内で最も権威のある建築の賞「日本建築学会賞」を受賞するなど、今、注目を集めている建築家です。
今日のテーマは、「人、暮らし、まちとつながる風景づくり」ということで、その作風や方法論に迫っていきたいと思います。
金野:よろしくお願いします。私は東京都台東区浅草橋に「teco」という一級建築士事務所を持ちながら、現在、西澤さんの母校でもある京都工芸繊維大学で建築設計の教鞭を執っています。
西澤:もう3年目ですか、後輩たちをよろしくお願いします。
金野:はい! スライドに映しているこの写真は、一棟借りしている「teco」のシェアオフィスです。6階建てのビルで、1階は「SQUARE」というまちの広場のように使える空間、2階は窓サッシを全部取り外している「GARDEN」というフロアです。
西澤:ほう。これは大家さんに怒られないですかね(笑)。雨が降ったらどうなるんですか。
金野:中に入ってきます(笑)。 最初はビニールカーテンをしていたんですけど、風で厄介だとわかって今はフルオープンです。
西澤:雨漏りは?
金野:窓際から1.5mは防水層を作っているので、そこまでの心配はありません。
西澤:へぇ! この空間、普段はどんな用途で使っているんですか?
金野:打ち合わせをしたり、模型の制作をしたりします。でも、12月から3月までは寒くて使えません(笑)
西澤:え、その期間は窓をつけたらいいのでは?
金野:風が気持ちいいのでこのままです。実はオフィスフロアには水回りがなくて、この階と屋上にだけトイレがあります。動いて環境を変える、切り替えの空間になっているんです。
西澤:トイレはもっぱら外なんですね。
金野:変ですよね(笑)。
西澤:いやいや、気持ち良さそう。
金野:そして、3階は「teco」のオフィスです。今は7名のスタッフが在籍しています。4階はシェアをしている「UMEMORI」のオフィス、5階は「LIBRARY」、6階は屋上の「SKY」です。
1、2階は、ギャラリーやトークイベントを開催したり、1dayシェフを呼んでカフェをオープンしたりする場としても開放しています。実際にこうした空間を通して地域とのつながりを作るマネジメントの依頼もあるのですが、なかなか一筋縄ではいかず、ここはその課題を捉える実験的なスペースでもあるんです。
西澤:ここはいつから?
金野:2020年です。コロナ禍にあって、同世代にはオフィスを手放す人もいた時期でした。
西澤:なぜ、そのタイミングで新事務所を構えたのでしょう。
\ 引き続き、建築にとどまらない金野さんのクリエイティブに迫ります /
>> この続きは、エイトブランディングデザインWEBサイトで全文無料公開中。『【人、暮らし、まちとつながる風景づくり】クリエイティブナイト第52回[ 前編 ]』へ
「CREATORS FILE」をまとめて見るには、こちら(外部サイト)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?