子供が生まれた日のこと

朝起きると9時ごろになっても妻はなかなか起きてこなかった。
どうしたのと聞くとお腹が痛いとのこと。昨日食べすぎたかなとも思ったが、定期的に痛むと言ってこれは陣痛じゃないか!?!?と急に慌ててしまった。

前駆陣痛というもので、定期的にはくるが間隔はまだ不規則な状態だった。

12時ごろにお昼ご飯を食べた。妻は引き続き痛そうではあったが、まだご飯も食べれるし着替えはできるという状況。
その状態で病院に電話したが、内容としては家も近いし来ても8割くらいでまた家に返すかも、と伝えられた。

返されたとしても、本陣痛への道のりが始まったことは確かだし、一度産婦人科から専門的な意見を伺って、どういう状態になったら病院に来るべきかというアドバイスももらえそうだったのでいく事にした。

13時ごろ、病院について胎内のモニター検査?をするために数十分検査。その間は休憩室的なところで待っていた。

しばらくするとスタッフの方が呼びに来てくれた。
検査を行っていた病室に向かうとベッドに横たわってモニター検査をしている妻がいた。痛みが来ても「痛えな〜」と言ってくれるくらいには元気だった。
スタッフさんからは、「本人は結構ケロッとしてるけど、子宮口としては4cmも空いてる状態。状況としては結構進んでいるので早いけどこのまま入院してもいいかも」と、何やら話が進んでいた。

検査して返されると思っていたので、全然心の準備ができていなかった。え?もしかして今日?みたいな

結局そのまま入院する事にした。色々な入院の手続きを進めて、点滴を始めてたりしているうちに陣痛はじわじわ強まっているようだった。背中をさすることしかできない。。

途中で義母が飲み物や果物を持ってきてくれた。結果的にこのタイミングで持ってきてくれていなければかなり辛い状況だったのでとても助かった。
その時には妻は痛みが来ている時には起き上がれない。痛みに耐えているぐらいになっていた。心配だけど背中をさすったり水分補給のサポートぐらいしかできない。。

陣痛室がいっぱいということで、分娩室にベッドを移動してしばらく様子見する事になった。
日曜日だったので救急扱い。スタッフさんもたまに1人きてくれるくらいだった。自分は引き続き痛みを和らげる手伝いをしたりサポートしかできない。妻はかなり苦しそうなのに何もできないのは辛い。
スタッフさんもさすり方を教えてくれたらすぐにどこかに行ってしまって不安だった。(夫に役割を与えてくれてるだけかもしれない)

陣痛はどんどん強くなっていった。普通の人は4cmあいたくらいで声が出るくらい痛いよ〜と言っていたが、妻はしっかり呼吸を整えて痛みに耐えていた。凄い。。後から聞いたら声を出すと痛みが増すからと頑張って耐えていたらしい。凄い。。

途中、赤ちゃんの向きがあまり良くないということから、四つん這いになって抱き枕を抱く状態になった。この辺りからいきみたくなる気持ちが出てきており、テニスボールで肛門あたりを結構強く押しながら背中をさすっていた。これだけしかできない。。
息遣いも荒く、途中で叫ぶほどの痛みが来ていて本当につらそうだった。
陣痛は5分おきくらいに1分ちょっと来ており、痛みが来てからは早く1分が過ぎることを待つしかなかった。

この時点では日付が変わるくらいには生まれそうですねと言っていた。
こんなに辛い状況があと5時間も続くのか・・・と途方に暮れてしまった。

子宮口も完全に開いたとのことで、分娩台に上がりいよいよいきむフェーズになった。
後から本人に聞くと、子宮口が開ききるまでいきみたいのにいきめないのがしんどかったらしい。いきめるようになったのは少しよかったとのこと。

いきんでいる妻は本当につらそうだった。腰もさすれないので、手を握りながらいきむ時に頭を支える。できるだけ声をかけることしかできない。
言葉選びも難しかった。いきみ終わった後に頑張ったねとかもう頭見えてるよとか、痛いね、辛いね、と言っていた。

妻は本当に立派だった。いきんでいくうちにどんどん赤ちゃんの頭が出てきてどんどん痛みが増しているはず。本人も辛そうなのにスタッフさんの掛け声でもう一度いきみなおす。それを繰り返す。目を開けておへそを見ている。

終盤、赤ちゃんが出てくる直前は本当に痛そうだった。痛い痛い!と目を瞑って叫ぶのではなく、自分の身体がこのままだと壊れてしまう、どうなってしまうかわからないという不安や恐怖の表情をしていて、ものすごく辛かった。

産まれて産声を聞いた時は感極まってしまった。
産まれてよかったという安堵と直前までの辛そうな妻への不安、産まれた後の放心状態になっている妻への心配など色々な感情が湧いていた。

産後の処置もあるのと、産まれた赤ちゃんの計測のため、自分は分娩室から離れて赤ちゃんの計測を手伝っていた。
身長・体重の計測、感染症予防の目薬、服を着せたりと、スタッフさんが淡々とこなしていくうちに段々と落ち着いてきた。
いっぱい写真を撮ってくださいと言われていっぱい撮った。妻はまだ大変な状況なのに。。と思いながらも撮っていた。赤ちゃんはスヤスヤと落ち着いていてとても可愛かった。

妻の胎盤の処理や縫合も終わって赤ちゃんと一緒に分娩室でお話しした。
妻は腰が痛いと言っていたが、喋り方もいつも通りになっていてそこで初めて安心した。
スタッフさんが3人での写真を撮ってくれたり、両親や友達への報告もしたりでいい時間だった。鼻は私に似てるかも、顔シワシワだな〜とか、ゆっくりと1時間半ほど過ごした。出生後2時間は母子ともに様子見ということで、こういった時間があったらしい。
2時間がたったところで妻は病室へ移動、旦那さんもここまでです〜と言われて家に帰った。

13時ごろに病院に行って、19時40分ごろに出生。初産としてはかなり早いらしい。
予定では無痛分娩だったが、日曜日で麻酔医も不在の曜日だったため、突然の自然分娩となった。妻は痛いのが本当に苦手と言っていたので、母子ともに健康な状態で生まれてきて本当によかった。

立ち会いを経験して

  • スタッフさんはやっぱり慣れているので、こちらの不安感とのギャップに結構戸惑った。もちろん患者を不安にさせないための意識的なものだとは思う。

    • 後どれくらいですか・・・(不安)という質問に対して、「赤ちゃん次第ですね〜!もう頑張るしかないです!」みたいな

  • 無力なりに立ち会いをしたことは本当によかったと思う。出産は命懸けという言葉は、実際に近くにいないとわからないと思う。

  • 出産の本に書いてある陣痛の周期とかはほんとに目安。妻は最終的に3分おきに2分の陣痛が来ていて1分目安なのにまだ終わらないの・・・とこっちが心配になってしまった。

その他

  • 分娩室まで行くと冷蔵庫がなかった

  • 後半はもう妻も立会人も余裕がなくなるので早めに飲食したほうが良さそう

  • 飲み物はストローで飲めると飲みやすい

    • 病院の自販機は小銭しか使えない場合があるので要注意

  • 陣痛の時のマッサージ方法など、調べても何も見ずに使える状態だと意味がない。痛そうな時に調べてるのでは手遅れ

  • 陣痛タイマーは気持ちに余裕ができそうだった。もうすぐ来る、もうすぐ終わるといった用意ができる

    • 招待を受けた人は通知を受け取れるくらい。代わりに計測してあげることはできない

    • 何回か計測された後に招待で入るとそれまでの通知が一気に来るので注意


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