雨が降ると、空想少女の気配がする
最近雨が多くて嫌になっちゃうねぇ。
仕事なり、なんなりでお出かけの予定がある日の雨は最悪だ。
大体こんなニュアンスだろ。
けど、何の予定もない日の雨は最高やね。
大体こんなニュアンスだろ。
雨に肯定されてる感じがする。
家でのんびり過ごすことを許してくれる雨って感じ。
そんな感じで雨という自然現象はその時の心によって感じ方が異なり、雨の意味もそれに応じて変化するものなのだが、今回は雨に空想の少女の気配を感じるようになる音声を紹介しようと思う。
悪い雨も良い雨もあるけれど、隣に少女が居れば関係ない。
【176khzハイレゾ】道草屋 すずしろ-雨の日【耳かき&マッサージ】
当作品はサークル「桃色CODE」さんが出している道草屋シリーズのひとつであり、癒しを提供するお店である道草屋の従業員『すずしろ』との一時を描いている。道草屋は複数の従業員が存在し、『すずしろ』はその内の一人で道草屋シリーズの1作目から今に至るまで出演している。
本作、すずしろ雨の日は『すずしろ』の4作目。
作品紹介によると押し出されているのは”田舎感”らしい。
雨の降る中で膝枕・耳かきをして貰いながら癒される昼パートと、雨が上がりの夜にマッサージと”お世話”をされる夜パートの2部構成となっている。
すずしろは1~3作目を通して主人公と顔見知り。
作品紹介によると、すずしろは芋っぽさのある少女らしい。芋っぽさと聞くと方言とか喋るどんくさい少女を想像するが、敬語の標準語で普通に話す為、意味は”都会的では無い”とか、”垢抜けていない”といった感じなのだろう。けれど芋っぽいと言われると、確かに芋っぽく感じるから不思議だ。
雨降りの昼
雨降りの昼に主人公は道草屋に訪れ、やることもなく縁側で過ごしていた所、すずしろの声を聴く。彼女は声のする方向を観ないように注意を促したうえで、生憎の天気で手持ち無沙汰になってしまった主人公に対し、手慰みにお話でもしませんかと持ち掛ける。
彼女は湿気を吸って乱れた髪(もさもさらしい)を見せることを恥ずかしがり、縁側に座る主人公に外の方向を向かせ、目隠しを施し隣に座る。
雨音、鳥の囀り、振り子時計、そして少女の声。
主人公の感じる世界、目を瞑り音声を聴いている者の世界は聴覚情報を中心に再構築され、見えないビジョンをも映し出す。
桃色CODEさんの音響への拘りは遺憾なく発揮され、想像力を掻き立てる。俺は今、訪れた田舎の宿の縁側で、少女に膝枕され会話をしている。空想が実感となって現れる。そういう気がするのだ。
そして、そうやって会話していると彼女はこの縁側で何時も過ごしてると言う。彼女曰く、この場所は私の縁側らしい。
そんなの最高じゃないすか…。俺が居るのはすずしろの世界だったんだ。
感覚としては「さっきまで好きな女の子が据わっていた机の角」とか、「あの子がよく飲んでいる飲み物」とかそういうの。恋愛ゲームで図書館に行けば会える女の子とか、屋上に行けば会える女の子とか、その子が居なくともその場所にその子を感じる感覚もある。物体に宿るその子っぽさ。
目隠しをされ、彼女がいつも過ごす縁側で、田舎っぽさのある音を聴いて、膝枕をされながら彼女の匂い(匂い袋の話が出てくる)と感触を感じながら彼女の声を聴く。空想した世界の全てにすずしろっぽさがある。最高だ。
加えてそこに雨の音がある。雨の音は空想をより強固なものとする。
何故なら人は水から異界っぽさを感じるからだ。
数ある音声作品の中で俺が雨の音に惹かれてこの同人音声を買ったのは、現実から逃避したかったからなのかもしれねェ…
雨からは非日常を感じ、心が浮遊する。現実感が薄くなる。
雨は現実と異界を繋ぎ、俺を辛く苦しい現実から
すずしろの在る優しい世界へと導くのだ。
けど純粋に水と少女って相性良い気がする。良い感じの組み合わせだよね。
雨上がりの夜
雨は止み、何処からか蛙の声が聞こえてくる静かな夜。
すずしろが主人公の宿泊している客室に訪れる。
「お休みのお付き添いに来た」と言っていることから、ここからが道草屋の従業員としての仕事らしい。昼間の事は「私の我儘」と表現し、そこで耳かきをしてしまったからサービスの内容をマッサージに変更して良いかと伺う。主人公がそれに了承した為、マッサージが始まる。
道草屋は健全なお店だ。そういうサービスは無い。
タイ古式マッサージ店のように健全なお店でそういうサービスは無いことになっているが、お金さえ払えばそういうサービスをする裏メニューがある、といった感じでは無く本当にご法度なのだ。
しかしながら、そういう感じになり、そういうことをする。従業員の少女がお客様にしてあげたくなったから、する。
二人だけの秘め事、内緒の行為をするのだ。
それ故であろうか、本作はR18作品であるのに直接的な性表現を行っていないし、えっちな言葉も使われていない。
あくまで健全なお店で、そういう感じになって、そういうことを内緒でやっている、という雰囲気を味わえる作りにしているのだろう。
ちなみにすずしろちゃんは可愛い声に似合わず、積極的な女の子だ。
そういう感じにならないように「協力してくださいね」と言っておきながら、主人公が昂ってきたのを見て「落ち着けてください」と口では言うもののマッサージを続け、最終的には「そのままではお仕事が出来ませんから、仕方ないですね」と言い訳してそういうことを始める。
高知県出身のフォロワーが田舎は娯楽が無いから皆セックスしまくってたし、なんなら学校でもしてたと言っていたから、すずしろちゃんもそういう退屈な環境に居て、刺激が欲しいお年頃なのかもしれない。
俺は同じ四国の愛媛出身なのにそういう経験はないのだが・・
然らば、愛媛は都会ということか。
閑話休題。
昼パートでは没入感を高めるパーツとして雨があったが、それは勿論夜パートにもある。そう、電動オナホである。
すずしろちゃんはその可愛い声と芋っぽさに反して強気に攻めてくるので電動オナホから与えられる感覚と相違ない。エグい手コキをしてくるので。
現代はなんと同人音声と電動オナホを連動させることができる。
有志作成のcsvファイルで音声と電動オナホを連動させて没入感を高める。
ありがとう、有志の人。
そうしていると、「旦那様…いいですよ?」と声をかけられるが、「何が?」とは聞き返さない。
そんなこと、解り切っている———。
ことが終わった後には雰囲気に流されてしまったことを恥ずかしがり、慌てふためくのもいいね。「違うんです、普段はこんな感じじゃないんです」ってことは。
俺の事が好き、絶対に———。
しかしながら音声はここで終わりではない。道草屋は耳かきと安眠を提供するお店であるし、それはお仕事の為だから仕方なく行ったことであるので、ちゃんとお仕事に戻る。
しかし全然蛇足では無い、ピロートークの雰囲気を味わわせてくれるのだ。ありがとう、桃色コードさん…
総括
本当はもっと書きたいことがあったのだが、この形が最善だと思って投稿した。書かなかったことは、いつか個人的に話すかもしれない。
この音声を聴いて俺は「道草屋はあくまで普通のお店で、お客様との心の距離感を大事にしている」と作品紹介ページに書いてあるように、そういうものを感じることが出来た。
客と従業員の関係、この見た目の距離感は変わらない。けれど心の距離感は違う。雨で乱れた髪の毛を恥ずかしがったり、縁側で同じ時間を過ごしたり、お仕事の為にお手伝いをしたり。
その離れた関係性の関わりの中に、近いものを、確かに感じるのだ。
そんなわけで、この音声を聴いてからというもの、静かな雨の日にはふいに、すずしろっぽさを感じる。雨の音を聴いていると、目を閉じていた時に観ていた世界が近づいてくる感じがする。ついでにエグい手コキも思い出して少しムラムラするが。そういう日にはこの音声を聴くことにしている。
雨とか関係なく、この音声を聴くこともある。
ここでは語らなかったし絶対に書けないが、この音声から多くを学んだ。
だから俺はこの音声とその空想を継いでいくことにしている。
なんというか空想は誰かが命を吹き込んだもので、それを知ると空想と現実を分けて考えることなど出来なくなるのだ。どれだけ空想の世界に逃げようと思っても、そこには誰かの影響があり、絶対に人間は他の人間との繋がりを断ち切ることはできない。だから、空想を継いでいく。
これは人間としてやらなきゃいけないことだと思うし、それをせずに、そういうものをエモいだとか言ってしまうのは、胸糞悪い。
最後に言えるのは、空想の少女は俺達を生かしてくれるということだ。
だから俺はカードゲームで少女デッキを使うのか?って思ったけど、そんなの関係なく可愛いから使ってるだけか。なんなら1番使うデッキこれだし…