【エッセイ】荷物運ぶだけで高収入！？④

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ヘルズピーク

一人前のセールスドライバーとして戦力になれたつもりでいたこの時期、日本経済が大きく動こうとしていた。

消費税の増税だ。
３％から５％に変わる翌年の４月を待たず年末には日本中の荷物が動き、物流業界もマヒするほど忙しくなった。駆け込み需要である。
 
各コースの集荷量も増え、エリアから発送する荷物の全体量が増えた。
当然到着する配達分の荷物も増えターミナル内のホームに置ききれなくなる。

朝、自分のトラックに配達荷物を満載に積み込んでもホームには積みきれない荷物が天井近くまでまだたっぷりと残っていた。

荷下ろし場に到着させるはずの大型トラックは敷地内に入り切れないほど列を作り、路上に駐車してしばらく動く見込みもない。
ターミナル機能のパンクだ。

入社以来、あれほどの量の荷物を見たことはなかった。
配達先に行っても荷物を入れる倉庫が飽和状態で外のパレットに置くほどなのだ。