麻のシーツが肌に痛い そんな夜
夏至を迎える3日前
波照間では ことし最高気温の33.4度が記録された
いやいや 5月末に部屋は34度を超えていた
寒がりのわたしですら
初めてエアコンをつけた
コイン式6時間100円
この20日間で600円使っただろうか
ケチなのだ
このコイン式はとても良い
野放図に使えるより 明らかに省エネになる
毎回考えるのだ 今からやることに100円のエアコン代の価値はあるかなしか?
と
普段は薄型の扇風機ひとつですませている
窓枠に置いてあった
シカゴの大学生寮を思い出す
見た目は
厚さ10㎝ほどの換気扇
角度も変えられ くるくるまわる表面のフィンで
攪拌もできる優れもの
真上に向ければ部屋干しの洗濯物も乾かせる
日本で見つけた時は嬉しかった
風も当たりすぎると
朝方羽布団をかぶるわたしですら
この波照間の暑さは
何もかもの思考回路と行動をぐったりと何日もさせた
汗の出方は日増しにエスカレートして行く
まず自分の脇汗の匂いが
甘酸っぱくなる 菌が繁殖し始める時間が3時間
早い時は2時間
特に左脇 右はそうでもないの
汗腺の アクポリン線の位置も数も違う
左右でタイムラグがあるの
女神は職業柄 嗅覚が鋭敏なので
自分の身体中の匂いに氣付いて研究分析してしまう
何日も暑い日が続くと 塩分濃度が濃縮される
2〜3時間着たワンピースがしょっぱい匂いがする
塩分濃度も匂いで分かる
あんまりにも汗をかくので
生地の表側まで塩分が浸透している
下着の匂いも濃縮される
汗の匂いも その日食したものが露骨に匂いに出ている
冬場はそれほど感じなかったのに
汗腺含め身体中の代謝が良くなっていることに他ならない
冬季に溜め込んだ 血管内 内臓 汗腺 内のなかなか融解しない
こびりついた匂いの元が熱で溶け出してきている
脂分が多く 3日もするとシーツはしっとり膜を作った感じになる
人も一緒 冬場なら2週間醸造にかかる香りが2日で完成する
なのに 5日もお風呂に入らないと
2m離れても 近くで香るその体臭
正確には
部屋のその座っている一角とベットが
その匂いで丸く覆われている
目に見えない匂いのシェルターが
明らかにそこに存在する
外皮を覆ったその油膜は
その人の常在菌が汗と油に反応して繁殖した
その人由来の香りだ
だいたいの成分は一緒でも
摂取しているもの
入浴や清掃、洗濯頻度でフレーバーや重さが変わる
日の浅いうちは腰から上にプワーンと氣発するような軽く明るい香り
何日も台風で雨つづきだったりすると
腰から下にズーンと重く湿った断固とした意志をもった香りに醸造されてくる
人の匂いが家に染み付くと
もうそれは生き物みたいに呼吸している
たましろ荘さんがまさにそうだった
田舎の古民家 納屋 味噌蔵
生きてる
LIVE
躍動していて 他を寄せ付けない
そんな凄みがある
あなたのお布施で生きています。感謝🙏