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自走式で運営できるチームを作るために必要なこと
2018年12月に『人はなぜコミュニティをつくるのか』という本を出版して、コミュニティの在り方や作り方についての講座を開いたり、研究したりしてきました。
ここ最近、注目され始めているのがティール組織と言われているものです。
組織を1つの生命体と捉え、個々のメンバーがフラットな関係性で現場に応じて個々が意思決定を行うのが特徴となっています。
ティール組織の形が実現するためには、個々のメンバーが組織の目的をはっきり理解して、組織の使命を果たすための行動をとれる必要があります。
まさに「自分で考え、自分で動く人」の集合したコミュニティやチーム、会社だからティール状態になれるんです。
『自走する組織の作り方』では、元中学校の先生であった、くればやしさんが教育者という観点から書いた「自分で考え、自分で動く人」を育てる方法が書かれているということで手に取りました。
「自分で考え、自分で動く人」を育てる
くればやしさんが自分の体験を通してこの本で伝えている、一番大切なことは「手放し」と「問いかけ」だと思いました。
手放し
指示と命令を手放すのが「自分で考え、自分で動く人」を育てるための第一歩です。
自走するために必要なのは、完璧なマニュアルだという意見もたくさんあるのですが、細かく指示されたことに基づいて動けるのは「自分で考え」の部分が育たないわけです。
何も自分で考えることができない人間を量産してしまうのが「完璧なマニュアル」なのだと感じました。
しかし、何をしていいのか全くわからないのに指示や命令をただ手放すのは酷な話です。手放すためには「自分で考える」ことができるように育てる必要があります。それが「問いかけ」です。
自分で考えられるようにする
問いかけは1つの方法ではありますが、非常に有効です。
一番成長を阻むのは、答えを教えてあげることです。
中学校の先生であった、くればやしさんには、生徒からいろんな相談がやってきますが、「どうしたらいいですか?」というものがほとんどです。
そこに対して「どうしたらいいと思う?」「どうしたい?」と問いかけてあげて自分で出した答えに対して「では、それをやってみてください」と返すことの繰り返しをする。
どうしたらいいか聞いても答えはでてこないから、自分で考える必要があるんだということを体感を持って知るんですね。
単に指示や命令を手放すだけでは片手落ちで、どうすれば答えにたどり着けるだろうかという愛ある問いかけもセットにするのが大事だと思いました。
答えにたどりつく方法を教える
何を問いかけ、何を教えるのかという点で面白いエピソードが書かれていました。
地方で講演をすることになったときに、参加者から問い合わせがあったそうです。
「講演会の会場の近くに美味しい場所はありますか?」
自分なら、ついつい食べログとかで調べて、ここかあそこが評価がいいですよ、なんて教えてしまうかもしれません。
しかし、これが考えたり調べたりする力を奪ってしまうことなんですね。
わからないことはメールで聞けばいいと学習してしまうわけです。ちょっと自分で調べればわかることでも思考停止して、すぐに人に聞いてしまう教育をしてしまうわけです。
くればやしさんは、某グルメランキングサイトのURLをつけて、ここで調べるといいですよと教えてあげ、参加者からは丁寧な対応にすごく感謝されたようです。
すぐに答えを教えてしまうのでもなく、自分で考えろと突っぱねるのでもない。答えにたどり着く方法を伝えるのが大切なのだと、改めて思いました。
感覚の違いは伝え合うことでわかりあえる
人はみんな違うのだから、同じことでも「してほしいこと」なのか「されたくないこと」なのかは違うって当たり前のことなのに、忘れてしまいがちですよね。
“良かれと思って”やったことで、怒られたり不快にさせてしまった失敗が、これまで数多くあります。
例えば、仕事を最初から最後まで自分でやり通したい人は、途中で触られるのを嫌がります。さらに、途中までやっておきましたなんて論外だと思っているかもしれないです。
“良かれと思って”“気を効かせたつもり”で、中途半端に仕事を手伝うとペースを乱すことになり「ありがた迷惑」となってしまいます。
くればやしさんは、いわゆる“サプライズ”というのが苦手なのだそうです。自分の誕生日が近づくと、あちらこちらで用意されているサプライズを感じて憂鬱になるほどに・・。
みんなに聞いてみたところ、半分くらいの人は同じようにサプライズが苦手だと答えましたが、半分くらいの人は、例え知っていたとしてもサプライズをされるのはうれしいと答えたとのこと。
自分もわかっていたとしても(わかっていたらすでにサプライズじゃないですが)喜ばせたいと思ってくれた気持ちとか、準備のためにかけてくれた労力や時間を考えて、うれしいと感じます。
こうした感覚の違いを「わからない」で終わらせるのではなく、「してほしいこと」と「されたくないこと」として共有しておけば“良かれと思って”が原因で起きる衝突を減らすことができます。
「自分で考え、自分で行動する」主体性の高い人たちが集まるほどに、衝突は増えるので伝え合うが大事になりますね。
自分は●●してもらえるとうれしいと思っているけど、あなたはどうなの?
〇〇については、どうしたいと思っている?
しようと思うほうは行動する前に確認が必要ですし、そうしたことを普段から話して伝え合うことの大切さを感じます。
自走するの本当の意味を知る
最初にタイトルを見たとき「自走する」というのは、リーダーが何も言わなくても思った通りに行動してくれることを指しているのだと思っていました。
世の中で多くのリーダーたちが「自走する組織」としてイメージしているのは、「自動的に、自分が思うようにメンバーが動いてくれる」ことではないかと思います。
しかし、本当に自走している組織は、自分がやりたいと思ったことしかやらない、やりたくないことはしないんだけど、組織全体の目的が達成されていくものなのだということが読めばわかります。
そして、リーダーの仕事はみんながやりたいことを問いかけて、やりたいことをやってもらうこと。
みんながやりたいことを実現できる場所だから、みんながイキイキと動けるようになって、それが全体の目的達成につながっていくんですよね~。
子どもとの関わり方を変えてみた
この本を読んでから、自分の家族との関わり方を考えてみたとき、子どもに対して指示命令ばかりしていたことに気づきました。
「〇〇しなさい!」
「〇〇をすぐにして!」
もっとヤバいことに、普段の言葉遣いも「子どもに〇〇をさせる」という表現を使っていたんですよね。
自分の思い通りにコントロールしようとしていました。
これでは「自分で考え、自分で動く人」になるのを妨げていることになっちゃう!!
ということで、意識的にするようになったのが次の3つのことです。
目的やどうしたいかを共有する
どうしたらいいと思うか問いかける
出てきた答えを受け止めて承認する
1週間続けたら、明らかに子どもの様子が変わってきました。
指示をしなくても「〇〇したほうがいいかと思ったんだけどいい?」とか全体を考えての提案もしてくれるようになってきました。
もちろん、それですぐに全部が自走するようにはなっていませんが、継続していくことで全体のために必要なことを各自が考えて行動する「自走する家族チーム」になりつつある確信はあります。
くればやしさんは、大規模なイベントのプロデュースをされることもあるのですが「頼られない人」になることを心掛けているといいます。
「頼られない人」というのは、見放していることではなく、自分に確認をとらなければ動けない状態を作らないということです。
実は、「頼られたい」という気持ちが自分にあるんだということに気づきました。なので「頼られる」状況や状態を無意識のうちに作っていたのかもしれません。
「自走するチーム」を作るには、この「頼られたい」欲求を手放すことが必要だと感じました。
もう1つ、くればやしさんのイベントへの関わり方として、素敵だと感じているのは「裏方にこそエンターテイメントを届ける」というものです。
裏方をなぜするのか?
自分がやりたいと思うことができて楽しい!!だから、やりたい!
という状況をいかに作ることができるかを常に考えているんです。
だから、誰がどんなことをしたいのかを問いかけているし、何か役割をお願いするときも、その人にとってどんなWINがあるのかを考えて、WINがつくれることをオファーしているんです。
お客様を楽しませている裏で、スタッフたちが歯を食いしばって頑張っているような自己犠牲を生まない運営って素晴らしいと思います。
イベントの主催者をすることも今後あると思います。裏方にこそ最高のエンターテイメントを届ける、を自分のポリシーとして運営します。
くればやしさんの話を直接聞けるチャンス!
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著者参加型の読書会を企画しています。
くればやしさんから直接お話が聞ける講演とチームづくりやコミュニティについての対談、そして質疑応答もある2時間の企画。
本を読んで疑問に思ったことや、もっと聞きたいと思ったことがある方は、ぜひお申込みのときにコメントをくださいね☆彡
★早期お申込み特典★
著者のくればやしひろあきさんにあなたの質問を読書会前にお届けします♪もしかしたら、読書会の時に質問に答えてもらえるかも!?
期限は9月15日(木)23時59分までになります♪
質問はお申込みフォームの「著者に聞きたいのはどんなことですか」にご記入くださいね♪
読書会の内容
20:00 スタート
『自走する組織の作り方』講演
21:00 特別対談
ファシリテーター 木村まゆ
『自走する組織の作り方』著者 くればやし ひろあき
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『人はなぜコミュニティをつくるのか』著者 松井 創
21:30 質疑応答
21:50 記念撮影とお知らせ
詳細はこちらからどうぞ♪
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