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何もかも覚えている

人間に生まれて生きていく過程で、辛い過去や痛ましい出来事に遭遇する経験というのは、決して珍しい事だとは私は思っていなくて、平凡な日常の中や平和に見える暮らしのどこかで哀しみや憎しみを秘めるきっかけはそれぞれあらゆる理由から抱く経験があるんじゃないかなと思っている。

その人がどれ程の苦悩であったかを計り知る事はできない。
それを前提で言うならば、自らの体験や経験から抱えた苦しみに対して絶対に忘れられないとか忘れてはいけないんだという精神だけで自分の自我を保ってしまうと、それがいつしか恨みや怒りにすり替わり、許すとか忘れるという選択肢を抹消して自分の解放を拒絶してしまう事で新たな苦しみと戦う。

許そう。あなたの事も 私自身も。

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