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すべての基本は「人」R6.9.19~10.16

1 すべての基本は「人」~今の思い

 昨年、激動の県政に身を置き、3月に退職。4月から、雇用開発協会に再就職。県政迷走の中、兵庫県議会9月定例会開催日の今日、異例の知事の不信任決議案が議決されました。
 こうした状況の中、個人的には、このところの様々な活動で、さらにいろいろなことを学び、改めて、すべての基本は「人」だと感じています。
 このことは、今後の人生においても、大きな意味を持つと思いましたので、今回、備忘録として見える化しておきたいと思います。

①誰かを「幸せ」にするために生きる

 瀬戸内寂聴さんは、「お子さんに「何のために生きるの?」と聞かれたら「誰かを幸せにするために生きるのよ」と答えてあげて下さい。」と言われています。
 もちろん「人」は、自分ではありません。「「この人といると自分らしくいられる」と思ったら、それは「相手のおかげ」であるということを決して忘れちゃいけない。思っていてもあえて言わなかったり意見が違っても黙って聞いてくれたり一緒に過ごす時間に気を遣ってくれたりそんな人がいるから自分らしく生きられる。本当に大切にすべきはこういう人。」と言う名言も心に沁みます。

瀬戸内寂聴さんの名言

②自分の「好き」が誰かの幸せに役立つなら「うれしい」

 以下に記載したとおり、最近の活動から、改めて、すべての基本は「人」と再確認するに至りました。

  •  今年度参加した、中間支援シンポジウムでの「大切なのは事業ではない。地域が大切にしたいものを話し合うプロセス」と言うお話。このことは、「人」を基本とする考え方で、いろいろな意味でとても奥深いと思っています。

  •  すごいすと交流会in尼崎で、湯川さんが提案された「地域活動って言われれば?だけど、自分の好きが誰かの役に立つなら、きっとうれしい。」好きで「人」がつながるコンセプトにめっちゃ共感したこと、加えて、ゲストの皆さんが、結局、人が好き、人のつながりが好きって言われたこと。これも共感する考え方です。

  •  田林さんが言語化された「風土自治」のお話、特に「①どんな場に住もうが人々の生活の光景はそのまま風景であり風土の根源。②風土自治活動は敷居の高いものではなくアソビ系。③竹谷さんが励まれている交流活動もど真ん中で含まれる。とコメントいただき、改めて深く共感するとともに、私のテーマ型の活動が後押しされた気がしたこと。これは、場所でなく「人」の活動を基本にする考えで、根っこは、上二つと同じだと考えています。

R6.7.9中間支援シンポジウム
9.7すごいすと交流会①
9.7すごいすと交流会②

③退職後の個人的な思い

 すべての基本は「人」に関して、退職後の個人的な思いを備忘録として残したいと思います。
 退職は想像以上に孤独なものだと痛感しました。でも、今、頑固なロートル<傾聴できるベテラン、自分<誰かのためにと思うことで、きっと変わらずお付き合いいただけるのではと思い始めています。
 僕の好きな「食(日本酒からラーメンまで)と温泉(秘湯から名湯まで)と歌(AAAから第九まで)と巡礼(西国巡りから四国巡り)活動も、「人」に会う旅、「人」とともに生きる旅だと思っています。「人」を基本に、食と温泉と歌と巡礼の旅を楽しく続けたいと思います。
 そして、今、生きる楽しみを教えてくれるのが「夢」だと考えています。
 これまでお世話になってきた大切なみんなに、恩返し恩送りをしっかり頑張る意味でも、これまで思い(以下2を参照)を大切に、関西広域連合を応援することも一つの視野に入れつつ、いくつかの可能性を、まずは小さな副業と言うカタチで模索していこうと、再度、学びを始めています。

「人」を基本とする時、最高においしかった「だしと麺」のアゴ出汁ラーメン
今、参加している地域しごと起業セミナー
「人生で学ぶこと」(1のまとめ)

2 関西広域連合時代~思いの源泉

 私の転機は、関西広域連合出向時で、この時、あるきっかけをもとに「人」との交流に学び、すべての基本は「人」と言う、今の思いにつながっています。
 以下は、「人」との交流で学び、「関西圏域の展望研究」において、御厨参与から、すべての基本は「人」と言う示唆をいただき、当時の局長から引き継いだ将来の「夢」を備忘録として残します。

(参考)3.19元町カフェでお話した人生チャート
 新任時代は、同期とよく遊んでました。ただ極めて内気だったので女性に話しかけることもできず、一定の男性同期とよく飲んでました。それでもそれなりにいろいろあったのですが、それは置いといて、30歳で結婚しました。その後はすぐ子供ができて、母親の介護も重なり結構多忙な生活ででした。と言うこともあって、この間ずっと仕事は低調でした。そして、40歳代後半は、パワハラなどに見舞われ、底の時代でした。

 しかし、関西広域連合に出向が決まった際、天使が舞い降りてきたのか、急に人生は好転しました。介護生活が終わり子供が大学生になり、少しづつ生活にゆとりが出たのが大きかったとも思っています。と言うことで、人とのつながりを広げ、交流からいろいろなことを学んでいった県職員生活晩年です。 そして、退職後はお世話になった兵庫県、お世話になった皆さんへの恩返し恩送りをしたいと思っています。

3.19元町カフェでの人生チャート

①関西圏域の展望研究~研究の背景

 すべての基本は「人」。このことは、関西広域連合出向時代の平成26~27年に担当した「関西圏域の展望研究」が大きな経験となっています。
 まずは、少しこの研究に携わった経緯について、10周年記念誌を発行した時にご依頼を受けた事務局職員の手記から抜粋させていただきます。

(井戸知事の思いと私のモチベーション)
 広域計画の改訂を終えた設立4年目です。井戸連合長が、関西の政策コンセプトを骨太でまとめる指示を出されました。国出先機関の丸ごと移管が頓挫し、続く広域計画の改訂でも関西広域連合の新機軸は明示できない中、国土のグランドデザイン及び国土形成計画、さらに地方創生の議論が始まったことから、次代に向けた関西の羅針盤について、各分野の第一人者で構成される委員会から提案を受けたいと考えられたのではないか。私のモチベーションはそこにありました。

 私たちがやろうと思ったのは、以下の4点です。①各分野のトップランナーを探して構成委員にすること。②関西各地の現場をできるだけ多く体験すること、③本部事務局の各職員のワークショップでたたき台を検討すること、④絵に描いた餅ではなく、実施段階まで責任を全うすること。すなわち広域連合の場合は広域計画に反映させることです。

関西広域連合10周年記念誌①

②関西圏域の展望研究~御厨参与の名言

 さて、このようにして、始まった研究ですが、各府県、各委員の個性は驚くべきもので、それぞれのご意見をまとめるのは至難の業でした。とにかくご意見を聞きつなげることに専念しました。
 しかし、最後に、五百旗頭座長から、全編を貫くコンセプトがないと言われ、頼りにしていた御厨参与のところに、駆け込みました。その時、言われた名言が今も、自分の中では、輝き続けています。これもマイルドに書いてますが、手記から引用します。キーワードは、以下のとおりです。

すべて「人」と言うキーワードでつながっているのではないか!

(御厨参与の示唆と展望シンポジウム)
 委員会を開催してからは構成委員の意見をつなぐことに専念しました。途中、某委員から、事務局の筆が走りすぎではというお叱りもありましたが、最後の最後、御厨参与からの決定的な示唆「すべて人と言うキーワードでつながっているのではないか」によって、まとめることができました。

 それだけではなく、五百旗頭座長が、この成果を、当時の石破地方創生担当大臣を招いたシンポジウムで発表しようと提案され、大臣と井戸知事、五百旗頭座長の鼎談、そしてモデレーターに白石委員、パネラーに大南委員はじめ、海士町の奥田さん、東近江市の山口さん、大地の会の衣笠さんと言う現場で活躍される方を招いてのシンポジウムを実現しました。

関西広域連合10周年記念誌②

③関西圏域の展望研究~中塚局長と私の思い

 当時、政策を考えることにモチベーションを感じていた私にとって、一番尊敬している上司は、中塚局長でした。そして、この関西圏域の展望研究で最も中塚局長の思いが込められているのが、今後の展開の部分で記載した「官民協働のプラットホームの創設と人材のネットワーク化」です。
 関西広域委連合に期待する私の「夢」はここにあり、いろいろな経緯があり再就職を果たした今、この実現に向けて、側面的に支援することも視野に入れ、さらなる学びを続けようとしています。これも手記から引用します。

(中塚局長の思いと私の思い)
 さて、ここまでした展望研究は、この後、兵庫県の地域創生戦略にも影響を与えるほどの政策コンセプトだと連合長にも評価いただいたと聞きましたが、その後の広域計画へは十分には反映されることなく終わりました。④については不十分だったのが実態です。

 展望研究をまとめた後の設立6年目、私は広域調整課長となり、この展望研究に沿った取組を広域連合の取組とすべく、様々な形で取り組みましたが、逆に各府県から批判の的になることもありました。
 当時は、残念で仕方ない思いで一杯でしたが、今は、委員会以来、ずっと交流いただいている大南さんの「まちづくりは、すぐにはできない。神山関係者の本の持ち寄りで成り立っている『隠された図書館』に込めた思いがそれ。私が生きている間に、この図書館に本が埋まることはない。けれどこの思いがつながれていき、いつの日か本で一杯になることを信じて取り組んでいる。」と言うお話から、あまりに強引に急ぎすぎたことを反省し、関西広域連合の今後に期待するに至りました。

 関西圏域の展望研究から学ぶべきことは多いと思います。今 、地方分権は進まず、関西広域連合に逆風が吹いています。しかし、今この時に諦めずにやれることをする。委員との貴重なつながりを最大限に活かす。さらにいろんな人とつながる。そして、関西広域連合に何ができるのか、実現性まで含めてしっかり考えて、対話による手法で、本部事務局、分野事務局はじめ関係者と粘り強く次の方向を話し合うことが重要だと思います。

 そして展望研究の最後に書いた人材のネットワーク化、関西のシンクタンクの実現が私の夢です。今も東北秘湯ツアーをご一緒する古川元事務局次長はじめ OB のつながり、大南さん、松永さんはじめ委員の皆様、衣笠さん、山口さんなどシンポジウムでお世話になった実践家の方々とのつながりを基に、側面から支援したいと思います。

関西広域連合10周年記念誌③
丹波での大南さんのご講演(隠された図書)


関西広域連合10周年記念誌(全文)①
関西広域連合10周年記念誌(全文)②
関西広域連合10周年記念誌(全文)③

3 知事選に向けて~県政に対する思い

① 尼崎市長の記事と受け止め

 決算特別委員会が終わった10月18日、これまでの思いをもとに、今回の知事選において思うことがあるので、最後に整理したいと思います。
 まず、9月29日の尼崎市の松本市長の記事をご紹介させていただきます。松本市長とは、昨年とあるイベントでご一緒させていただき、控室からご一緒させていただきましたが、その時の周囲に対する気配りなど、とても心に残りました。
 前にも発信しましたが、どうであれ、私は、現役の頑張っている職員が、元気に仕事できることを願いできる応援をするだけですが、今回の市長の投稿に、職員のことを大切に思われる気持ちに、共感し、心に沁み入りましたので、ご紹介させていただきます。

② 大切なのは、誠実に頑張っている「職員」

 これまで繰り返し申してきたとおり、大切に思うのは「人」です。
 だからこそ、今回、大切に思うのは、これまで誠実に頑張ってきた職員、今も誠実に頑張っている職員です。こうした職員がいきいきと働ける兵庫県になって欲しいと思います。そして、それが県政の大きな目標である県民一人一人のwell-being、県民一人一人がいきいきと自分らしく暮らせる兵庫県につながると思っています。
 そのためには、「従業員満足度」を大切にするトップが一番です。これは企業の中でも一般的な考え方です。前回の知事選でも「庁内自治」という言葉で、県庁内の慣習を変えようとされた方に、このことは、選挙戦を戦う上でさほどその有効でなく、また諸般の事情もあり、公約には至らなかったようですが、個人的には共感しました。
 最後に、退職が決まった3月19日に、第2章でもご紹介した兵庫県の自主勉強グループの元町カフェに登壇した時も、最大のコンセプトは、職員を大切にすると言うことでしたので、ご紹介させていただきます。

3.19元町カフェ記念撮影

②「傾聴と対話」で「心理的安全性」のある組織風土を構築

 尊敬するたくさんの方々がまとめられているように、県政推進においては、「傾聴と対話」で「信頼関係」を築き、しっかり「議論」して、政策を考えていける「心理的安全性」のある組織風土が根付くことが大切だと思います。
 政策は大切ですが、「プロセス」が重要で、これも「人」が基本です。兵庫県には、「顧客満足度」を大切にし、県民に寄り添い、また、基礎自治体優先の原則から「市町指導<市町支援」を大切にし、政策を考えることのできる誠実で優秀な職員がたくさんいます。ここを前提とすればこそ、これからの時代のトップの方には、そうした資質を有する幹部職員のもと、そうした資質を有する担当職員の話に耳を傾け、対話から政策を企画していける組織風土をしっかり構築することを大切にして欲しいです。
 一方で、兵庫は、これまでスーパーな知事が県政を推進してきたので、職員が育っていないと言う話を聞きます。私はこれをどうこう言うつもりはありませんが、繰り返して言うならば、兵庫県には、誠実で優秀な職員はたくさんいるし、また、育ってきているので、それぞれの強みを組み合わせて、対話と信頼関係で進むことができれば、いい方向に向かうと思っています。    
 誠実で優秀な職員が活躍できると思う論拠に関連して二つのお話をご紹介します。
 一つ目、兵庫も昭和でモンスター級のパワハラはいましたし、人事課を中心に密室 体質などの慣習がありましたが、ある時期、ある部長たちがパワハラ一掃に舵を切ったこと、そして、今回のことにより、長年の黒歴史は終焉し、今残ってる幹部は対話できる誠実で優秀な職員ですし、悪しき慣習は一掃できる環境にあります。
 二つ目、井戸前知事は、日本一長い知事査定などの面はありますが、関西広域連合立ち上げやコンパクト+ネットワークの知事協議など、ちゃんと考えて言ったことは、こちらの話に耳を傾けてくれたので、しんどくても頑張れる気がしました。トップの資質で職員のモチベーションは大きく変わると思います。
 反面教師として、仮に、自己中心で職員の話に耳を傾けず、例えば、自らのパフォーマンス現場主義から一部県民の発言で取組を思いつき、担当部局の職員との政策協議はカタチだけで事実上はなく、一部の幹部職員に容赦なくこれに基づく指示を出すトップがいれば遠慮したいです。
 最後に、この章をまとめるにあたって参考にした尊敬する方々が書いたバイブルをご紹介します。

今村さんの本
加留部さんの本
助川さんの本
小紫市長の本

③まとめ~吹田市後藤市長からの学び

 と言うことで、今回は、個人的に各候補者の方と直接、お話ししたこともないので、どう考えるのかは慎重でしたが、思いを共有してきた仲間の行動で、今自分なりの考えが整理されました。
 以上、あくまで自分なりの真理であって、決して誰かに何かを求めるものではありません。また、自分の考えが全て正しいとは思っていませんので、刻々と変化する状況に合わせて、職員の思いで柔軟に対応していくのは、尊敬する吹田市長のお言葉のとおりです。

2022.5.23後藤市長のオンラインセミナー
3.29退職の日に兵庫県庁1号館中庭にて

 3.29退職の日の最後の挨拶において、心が折れそうな時、尊敬するファシリテーターの第一人者、加留部貴行さんが、その著書の最後に示された言葉を唱えて活動してきたことを、お伝えしました。
 今、兵庫県政を正常に進めようとしているすべての県職員の方にもう一度お伝えしたいと思います。
 一雨の日も、晴れの日もある。どんな時も、焦らす諦めず、じわっと進む。
  ささやかな営みが、時間をかけて大きな環境を生み出し、その下で人が育つー

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