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青猫太郎物語外伝 魔王ヘイヨー①

かつてじゅにーなるものが生み出した青猫太郎物語。

交流のあるnoterをふんだんに配置し、特徴を活かし物語を紡ぐという、恐らく過去にない手法で綴られた物語。

そんな登場人物のなかでも異彩を放つ活躍をした「魔王ヘイヨー」。

「ちょっと。」

今回はそんな彼がなぜ魔王になったのかという軌跡を追ってみたいと思う。

「ちょっといいですか。」

………もう、語り部が終わるまで待ってよヘイヨーさん。もう少しで終わるんだから。

「唐突に始めといて、待ってよ、はないでしょう。ヘイヨーさんにも都合ってものがあるんです。」

なら、こっちの都合も理解してよ。いきなりグダグダじゃない。

「なんなら、もう次元上昇してそっちに話つけに行っても良いんですよ?」

あー待って待って、それは困る。じゃあもう始めるから、あとはよろしくね。

「仕方ないですね。じゃあちょっと思い出を振り返ってみましょうかね。」

ヘイ(…誰かの声が聞こえる。何だろう、これは夢なんでしょうかね。…その割にはやたらとはっきり聞こえますね。)

ただ「女神ぽよん。青猫太郎を覚醒させ次元上昇を成し遂げるために必要なものは何だろうか?」

ぽよ「必要なのは自ら氣付くきっかけと、共に祈りを捧げてくれる沢山の仲間ね。」

ただ「自らの置かれている状況に疑問を抱くような環境と、同志を求め旅に出るような状況が必要だな。」

ぽよ「何か大義名分悪を討つ!みたいなのがあると良いのかも知れませんね。」

ただ「光が大きくな………には、大きな……必要か…。」

ぽよ「ちょっと…………掛け合っ…………でみる………。」

ヘイ(…会話が朧氣になってきましたね。そろそろ夢も醒めるのでしょうか…。)


少年は目を覚ました。いつもの家の布団の中である。

先程まで見ていただろうの夢の内容はあまり覚えていない。ただ、脳裏に焼き付いて離れない物もある。

「青猫太郎」、そして「悪を討つ」。

ヘイ「…何だっていうんでしょう。僕に討たれる悪になれとでも?ねえ、コジクサ。」

コジ「カイセキフノウ。シカシ、キノウマデハナカッタでーたガソンザイシテイル。」

ヘイ「昨日まではなかったデータ?それは何なんです?」

そんな事は有るはずがない。コジクサは僕が作ったAI。自身でデータを構築するか、僕がインプットしなければ何も変わらないはずなんだ。

コジ「アオネコタロウトノカイコウニカンスルでーた。ソノニチジハ…イマカラ7ネンゴ。」

ヘイ「青猫太郎!?そして未来で相対するときのデータだっていうんですか?では、その内容は?」

コジ「ホトンドろっくサレテイル。カイセキヲカイシシテイルガ、ジカンガカカル。」

なんということだ。さっきの夢は正夢なのか。それとも天啓だとでも云うのか?


【悪となれ!】


刹那、頭に声が響いてきた。

この世界の神は、僕が悪に染まるのを求めているのだろうか。

確かに、親に敷かれたレールの上を走る人生にうんざりして、この世界を壊したいとは思っている。

そのために、魔王になりたいと願ってもいる。

ヘイ「そこを神に利用された?今度は神の敷いたレールに乗れとでもいうんでしょうか。コジクサ、君ならどうします?」

コジ「ソコニジユウハナイ。シカシ、リヨウカチハアル。」

ヘイ「流石僕の作ったAIですね、分かってるじゃないですか。僕の野望のために、使えるものは何だって利用してやりますよ。」


…神よ!どうせ聞いていたんでしょう?

それでも僕に悪に染まれと言うのなら、何か力を与えてみるがいい!


ヘイ「…さて、何か変わったんでしょうかね。」

コジ「イチブでーたノろっくガカイジョサレタ。」

ヘイ「…それはどんな内容なんです?」

コジ「アクノぼすニナルタメノテホドキノヨウダ。」

ヘイ「ならば興味はないですね。僕は僕のやり方で成し遂げてみせますよ。さあ、行きますかコジクサ。」

コジ「らじゃー。」



~来週に続く~


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闇の中、光を求め愛を叫ぶじゅにー
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