続・拝啓、私の中のあなたへ。
2年前、私の中にいた小さな小さなひとは、無事に産まれてきてくれました。
何度も眠って起きて泣いて笑ってたくさん食べて、本日12キロにもなりました。
私と夫が考えて考えて考えて、結局直感でこれしかないと決めた名前を、既に何百回何千回と呼ばれたね。
今は世界を信頼しきった表情で、すべすべの大きなピンクの恐竜を抱きしめて眠っています。
おしゃべりがとっても上手になったけど、扇風機を「どんぴーぴ」と呼ぶことにはいまだに笑ってしまいます。
「ジャングルぐるぐる」を踊るときの右足のくねっと感が、なんともお茶目でたまりません。
そして今、もう一人の小さな人が私のお腹の中にいます。
ちょうど38週、一人目の小さな人に向けた文章を書いた時とほぼ同じ。
私の中のあなた、気づけばあっという間に3000gを超えていましたね。
4.5月は産休直前にフルタイムに戻って働いたものだから、あなたにもたくさん負担をかけたことでしょう。
ごめんなさい。
すくすく育ってくれて、頑張ってくれて、本当にありがとう。
昨日は妊婦検診がありました。
すこーし子宮口が開いているそうですが、まだ準備運動中だとのこと。
いつでもおいで。
でも、一昨日買った空芯菜をまだ食べてないから、できれば食べたいな。
勝手なことを思いながら、あなたの誕生日はいつかしらと、日ごとに増すお腹の重さを愛しく思います。
仰向けになると、あなたの重みを内臓にずんと感じます。
足も長いのね、右の胃のあたりをぐりぐりと蹴られたらやっぱり痛いのよ。
あなたの兄さんも、そうしていました。
直接、その大きくて小さな足を、撫でるのが楽しみです。
きっと、生きて会いましょう。
我が家はなんとも愉快なお家だよ。
冬は寒いし、夏は暑いけど、心地よい風が通って明るい陽が差します。
パパも兄さんも、たくさん笑って毎日ぎゅーをします。
歌って踊って、こけちゃったら痛いの痛いの飛んでいけしましょう。
直接会えること、声を聴けること、手を握れること、それを自分が無邪気に信じていることが、少し怖くもあります。
今が嬉しくて、楽しくて、明日が当たり前にあると考えてしまう。
当たり前なんてないということを忘れてしまえるのは、ちっぽけな権利だと言ったのは誰だったでしょう。
その言葉に少し救われている気がします。
この世界を愛せるかどうかは、結局愛する人がいるかどうかに大きく左右されるのでしょうか。
この世界を愛すれば愛するほど、生への執着も膨らむのでしょうか。
謙虚でありたいのですが、大切な人に笑っていてほしいからこそ、私は生きていたいと強く思うようになりました。
蝉の声が微かに聞こえます。
もうじき夏ですね。
まだ決まりきっていない、と言いつつ密かに気に入っているあなたの名前を、今日もお風呂で呼びましょう。
私はまだ見ぬあなたに、出会えて幸せです。
一緒に、日々を過ごせたら嬉しいな。
4人家族になれる日が、今からとっても楽しみです。