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アドレスホッパーになる。
新宿区の駅から徒歩4分の新築デザイナーズマンションを購入したのは2015年11月、今から約5年半前。
マンションを買う気になったのは、かねてから自分がオーナーになって、誰かに住んでほしいと思うようになっていた中、ぼちぼちシェアハウスに住みづらい年齢になってきたのと、転職した会社での勤続年数が3年を超えて、住宅ローンが組めるようになったから。
住宅ローン控除を受けるために50平米以上の物件が条件となるわけだけど、できるだけ部屋数は多い方がシェアハウスには好都合だから楽々クリアだーなんて思ってたら、会社へのアクセスと駅近に拘ると、予算的に2LDKが限界だった(笑)。
職場へはドアtoドアで20分。
一部屋を民泊で貸し出したり、民泊規制が入ってからはシェアメイトと一緒に住んだり、広いリビングでパーティーしたりと持ち家サイコー!それはそれは楽しい新居暮らしが続いた。
※写真は私のマンションのリビング
が、3年も経つと、そもそもの私の性癖が疼き出した。
それまでの私は、世界は44ヵ国、国内は43都道府県を巡り、職も住居もあちこちを転々とし、友達から「今はどこで何してるの?」と聞かれることが多い、一箇所に留まれないタイプだった。
移り住んだシェアハウスやゲストハウスは数知れず。
平日は仕事と時々家飲み、週末は旅や海へ出るようになり、せっかくの家を楽しむ行為をおざなりにするようになってしまった。
これはちょうど部署異動で合わない仕事に就いて、真剣に会社を辞めることを考えてたストレス期だったのもあったかも。。
そして世の中がコロナ禍に。
2020年3月から6月末まで週1程度のスーパーに行く以外ほぼ外出せず、在宅を満喫した。
通勤がなくなって家にいるのが楽しくて、旅に出れないことを差し引きしても、この生活がずっと続けばいいと思った。
ベランダオフィスも快適だったなー。
緊急事態宣言が解除された後、すっかり浮世離れしてしまった私はコロナに怯え、東京を楽しめなくなってしまった。パソコンを持ち、空いた時間を狙って電車に乗り、感染リスクの少ない地方の海がある場所で過ごすことが増え、自宅に戻るのは月に数回出社するタイミングだけ。
この家は大好きだけど、通勤時間短縮のために住宅にものすごくお金をかけて都会にいる意味って、もうないんだな。そう気づいてからは、会社の方針発表を待って引っ越そうという気持ちが高まっていった。
2021年になってもコロナの猛威は収まるところを知らなかった。世の中はすっかり変わってしまった。テレワーク生活は私にはマッチしていて、出社することに鬱々するようになっていた。
そして発表された会社の方針は、アフターコロナの時がきても、「16日間のテレワーク可」「座席のフリーアドレス化」。
もう迷うことはなくなった。
東京を離れよう。
ふらりと海や山へ行ける場所で、東京へも通えなくはない場所へ。でもどこにしよう?
行き先を決めるには候補がありすぎる。
二重生活するには、このマンションを維持するのは厳しい。大好きな部屋だけど、売りに出すことを決めた。そして半年ぐらい行き先を探しがてらノマド生活をすることにした。幸い活用出来そうな宿のサブスクもあるし。
今のどこか行きたい欲求も満たすこともできる。
「もう二度とこんなマンション買えないよ?戻れないよ?」と家族は大反対。でもさ、私もういい大人だし自分の人生好きにさせてくれよって話で。
今はいろんなものを手放して自由になりたい。なので住所さえ手放してしまおう。
こうして私はアドレスホッパーになることを決めたのだ。