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pauper EDH的な視点からの「サンダー・ジャンクションの無法者」レビュー

 はじめましての人は、どうぞよろしくお願いします。既にご存じの方は、お世話になっております。PauperEDH 流行らせたいおじさんの魚野メメです。

 新弾レビュー始めさせていただきます。

※注意※
当記事では
①統率者がコモンかアンコモンであれば伝説のクリーチャーに制限しません。
②パウパーの禁止カードも使用可として扱います。



「サンダー・ジャンクションの無法者」について(ざっくりとメカニズム)

 コモンでも使用できるメカニズムとして目新しいものでいうと「無法者」「悪事を働く」「放題」「乗騎(騎乗)」「計画」です。今回多めですね。
ただ、焼き直しというかマイナーチェンジ感の強いものが多いです。


無法者

 「無法者」であるとはクリーチャータイプが「暗殺者」「傭兵」「海賊」「ならず者」「邪術師」のどれかに当てはまっているかどうか、ということです。「無法者をコントロールしているか」どうかを参照して効果が変わるカードがあるよ、ということですね。
多相」をもつクリーチャーは当然「無法者」ですので、「多相」で部族インスタントな名も無き転置も「無法者」なのですが、現状「無法者」を参照するコモンは、「無法者をコントロールしているか」や「生贄コストにしたクリーチャーが無法者かどうか」をチェックするくらいなので、あまりに気になくても良さそうです。
「無法者呪文を唱えるたび」とかがあればもう少しおもしろかったかも。

アウトローってやつですね

悪事を働く

 対戦相手の何かを対象として呪文を唱えたり、能力を起動したり、誘発型能力をスタックに置いたりすると「悪事を働いた」ことになります。該当するのは以下の4つ。

  • 対戦相手

  • 対戦相手がコントロールしている呪文や能力

  • 対戦相手がコントロールしているパーマネント

  • 対戦相手の墓地にあるカード

簡単に無限コンボが決まらないようにか、各ターン誘発は1回までというカードが多い印象。

 いくつかのクリーチャーは悪事を働くと能力が誘発します。


放題

モードを選ぶタイプの呪文+キッカーのようなイメージです。

コストの右上にある「+」に騙されそうですが、
点数で見たマナコストはモード選択によって変化せず、常に1マナの呪文です。

上の、幻影の干渉を例に挙げると、
青+③→飛行2/2スピリットを1体生成
青+①→呪文ひとつを対象として、それのコントローラーが②を支払わなければ打ち消し
青+③+①→飛行2/2スピリットを1体生成、呪文ひとつを対象として、それのコントローラーが②を支払わなければ打ち消し

 といった具合に、モードを選んで追加コストを支払います。同じモードを複数選んだりはできません。
 追加コストを支払っても、点数で見たマナコストはあくまで追加コストを含まない数字なので、続唱等の処理の際には注意が必要です。ちなみに続唱でめくれた場合でも、追加コストの支払いをしなければ効果のない呪文となってしまいます。
 あまり相性は良くなさそうですね。


乗騎(騎乗)

「乗騎」自体にはクリーチャータイプ以上の意味はありませんが、「乗騎」は「騎乗」という能力をもっています。

機体搭乗するときのように、「騎乗N」という表記がされています。Nの数字に書かれたパワー以上になるようにクリーチャーをタップさせると騎乗したことになります。騎乗した状態で特定の条件を満たすと、恩恵を得られるというシステムですね。

牧羊犬みたいな仕事をしているのでしょうか

計画

「計画」は新しいキーワード能力です。

コストを前払いしてカード1枚を手札から追放します。追放したカードは計画された状態になります。次以降のターンで、「計画された状態のカード」を追放領域からマナ・コストを支払わずに唱えることができます。
手札のカードを計画するときも、追放領域から計画された状態のカードを唱えるときもソーサリーとして行います。

クリーチャー呪文を計画するとソーサリーとして唱えられるようにみえますが、これはあくまで唱えられるタイミングについての説明であって、クリーチャー呪文はクリーチャー呪文のままです(最初、誤解しました)

クリーチャーなのにソーサリーとして唱えられるように見えますが、
あくまで唱えられるタイミングについての説明です。

気になった統率者ピックアップ

 それでは今回気になった統率者をピックアップしてご紹介していきたいと思います。伝説、非伝説の扱いについては参加コミュニティの取り決めを確認してみてください。


暴力的な不協和音クラム

「しかるべきトラブル」というパワーワード

 青赤② 計4マナ、飛行、2/3。
 各ターン、2つ目の呪文を唱えると+1/+1カウンターを一つ載せて、1ドロー。

 本人を唱えたターンに、1マナの呪文を唱えるだけで能力誘発します。促進たなびく真紅速攻付与+2ドロー+カウンターで+1/+1強化ってだけで、雑に強いし、能力もりもりです。

2回目ってのが制約になってるので、対戦相手ターン中にも誘発させられるように、軽いインスタントを多めに積んだりしたいです。

 よろめきショック信仰無き回収といった反復呪文や、攻撃がとおればマナコストを支払わずに呪文を唱えられる暗号呪文もおもしろい組み合わせかと思われます。


群れと話す者、ミリアム

乗騎と機体をサポート

 緑白 計2マナ、3/2。
 自分のターン中は乗騎と機体が呪禁。乗騎と機体が攻撃するたびに、+1/+1カウンターをひとつ載せます。

乗騎はまだ枚数が少ないので、機体も組み合わせてデッキを組む必要があります。機体ばかりを増やすと搭乗用のクリーチャーが薄くなってしまうため、少し工夫が必要ですが、攻撃するたびに1サイズ大きくなる呪禁クリーチャーというのは中々厄介だと思われます。

ちなみに「乗機」はクリーチャータイプなので、「多相」をもつクリーチャーも恩恵を受けられます。

機体とシナジーを形成する、狐の腕利き石ころ川の群れ長、普段あまり採用されない神啓もちのオレスコスの太陽導きなんかも活躍できるかもしれません。

セレズニアカラーお得意の+1/+1カウンター戦略の系譜ですので、アイノクの盟族誇り猫薄暮殻の這うものといったカウンターが載っていることで恩恵を得られるカードもいっしょに採用したいですね。


見覚えのある余所者、ラザーブ

壁右下の手配書は中々愛嬌のある顔ですね

 青黒① 計3マナ、1/4。
 悪事を働くたびにラザーブの上に+1/+1カウンターをひとつ載せます。その後、墓地のカードを1枚追放できます。追放したのがクリーチャーカードの場合、ターン終了時までラザーブをそのクリーチャーのコピーにすることができます。

 墓地をリソースとするデッキは多いので、墓地の掃除能力が高いのは便利な反面、ヘイトが向きやすいというのはあります。また、コモンで強いクリーチャーというのは戦場に出た際のETB能力が強いパターンが多く、戦場にいて強いクリーチャーはそれほど多くない印象です。コピー能力をうまく使うには、自分で有用なクリーチャーを墓地に落とすなどの工夫が必要かと思われます。

 また、悪事を働くことが可能なカードはいくつかありますが、能力誘発を考えるとインスタントタイミングで使用できる方がラザーブの成長速度が早くなります。砂漠チス=ゴリアの歯を使って、対戦相手同士の戦闘に介入したりするのもおもしろいかもしれません。


開拓地の助言者、エルサ・ジョー

注目の新人

 赤白② 計4マナ、2/4。
 戦場に出た際に1/1トークンを1体生成。トークンはタップすると+1/+0修正を与える能力をもっています。
 クリーチャーやプレイヤーを対象とする能力を起動するたびに、その起動型能力をコピーします。コピーの対象は選びなおすことができます。

 強いかどうかはとりあえず置いておいて、当サーバーで一番議論が盛り上がったのがこちらのクリーチャーでした。「回数制限のない能力コピー」という目新しさことと「コピーできる範囲の特殊さ」が要因かと思われます。(ここだけ長めです)

「起動型能力」がよくわからないという方に説明すると「コスト:効果」という書かれ方をした能力、ということになります。これらの能力をプレイヤーかクリーチャーを「対象」としたときに能力がコピーされる訳です。

カラー的には下記の3種が多いです。特に効果が派手だったりおもしろそうなもの、まとめページをいっしょにご紹介します。

タッパー系(おとりの達人がまとめページ)
遊牧の民のおとり…スレッショルドで2体タップ可能に。
バリーノックのわな師…白い呪文でアンタップ。
暁輝きの発動者…対象のプレイヤーはクリーチャー全タップ。

ティム系(放蕩紅蓮術士がまとめページ)
燃えがらの紅蓮術士…赤い呪文でアンタップ。
ヴィリジアンの長弓…ティム製造機。
炎波の発動者…対象のプレイヤーに5点。
ヴァラクートの発動者…任意の対象に3点。
トゲ撃ちゴブリン…自分のパワー分ダメージ。エルサ・ジョーのトークンとの相性が良好

ダメージ軽減(サマイトの癒し手がまとめページ)
野戦外科医…アンタップ状態のクリーチャーをタップで軽減。

最後に上で挙げた以外に組み合わせるとおもしろそうなものを列記します。
バジリスク門…門の数分パワー・タフネス修正。
空の叫び屋…自分と他のプレイヤーがカードを引けます。他のプレイヤーにも引かせてしまいますが、1人だけ走ってしまっているときに協調路線をとることができます。
聖堂の頭蓋爆弾…飛行と+2/+2修正をまきながらカードが引けます。

今まで見ない能力だったので、組み合わせを考えるのが非常に楽しいですね。

ベルトラム・グレイウォーター男爵

オルゾフカラーによくあるトークン戦略の系譜

白黒② 計4マナ、3/4。
 各ターンに1回、トークンを生成するとオマケで絆魂を持つ1/1吸血鬼トークンを戦場に出します。
 黒①+本人以外のクリーチャーかアーティファクトを生贄にするとカードを1枚引けます。

 こういう能力が自己完結しているクリーチャーは動きが安定していて使いやすいです。もぎ取り刃金脈のつるはし儀礼用ナイフ巨人の串といったいつものトークン生成装備があると戦いやすそうです。対戦相手のターン中にもトークンを生成して、吸血鬼トークン生成の誘発回数を増やしたいので儀礼用ナイフ巨人の串は普段より活躍しやすいかもしれません。

また、ニンブルライトの設計図尊き彫像マイアの種父死後能力を持つ傲慢な支配者あたりを本人の能力で生贄にすると、インスタントタイミングでトークンを生成することができるので相性はよさそうです。

この手のトークンデッキを組むときは、闇の森のコウモリがものすごく相性がいいのでぜひ一緒に使いたいです。最後にいくつかトークンを繰り返し生成するギミックを例として挙げておきます。

拡大鏡…手がかりトークンを生成。
岡門…これ以外にも門が必要。宝物トークンを生成。
実験用ネズミ…バイバック付きのトークン生成ソーサリー。
蓋世徴用…バイバック付きのトークン生成インスタント。
地下街のたかり屋…クリーチャーが死亡したターンに起動すると宝物トークン生成。


放浪するフクロネズミ

つぶらな瞳

緑② 計3マナ、3/3。
 騎乗1を持っていて、騎乗した状態で攻撃すると+1/+2修正。騎乗した望む数のクリーチャーを手札に戻すことができるようになります。

 有用なETB能力(戦場に出た時の誘発型能力)持ちのクリーチャーを使いまわしてアドをとっていきたいですね。土地を伸ばせるウッド・エルフやカードを引けるエルフの幻想家なんかが候補になるでしょうか。それぞれのリンクがmtgwikiの類似カードまとめページになっていますので、採用カードの参考になるかと思います。

ちなみに当サーバーメンバーのお勧めは、大蛇刃の通り魔食らいつくカヴーだそうです。一度手札に戻して、次のターンに唱えなおすと再度攻撃を通しやすくなりますね。


最後に宣伝(当対戦サーバーのご案内)

 今回は伝説のクリーチャーが多めのセットです。目新しい能力のクリーチャーもいくつかいたので、近々組んでみようかと思います。

最後に私が管理人をさせていただいているpauper EDH対戦サーバーの宣伝です。招待コードを貼っているので気が向いたら覗いてみてくださいね。

https://discord.gg/gGSYv3M4

※だいたい2024/4/15まで有効

ではまた。

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