少年漫画に求めるべきもの
1.はじめに
みなさまはじめまして、おうじと申します。今年は少年漫画界にとって激動の年となりました。今年8月上旬にヒロアカ完結、9月下旬に呪術完結、ドラベース連載終了(週間コロコロで連載されていたので元々連載は完結している)。
15年以上少年漫画の読者、所謂ジャンプキッズと周囲から呼ばれる私ですが遂にジャンプで読む漫画が無くなりました。(元々老害読者なので新規の作品を読んでいない)。
そこで、15年もの間ジャンプキッズだった私が題意にも掲げた少年漫画に求めるべきものについて纏めていきます。note初挑戦で読みにくい部分もありますが、最後まで拝読していただきますと幸いです。
2.読破した作品
ジャンプキッズを自称する私ですがそもそも何を読んだんだよとツッコまれそうなので、まずは読んだ作品を列挙していきます。
・NARUTO
言わずもがな王道少年漫画。私の人生のバイブルです。
・ドラゴンボール
これも少年漫画を代表する作品。ジャンプ漫画の金字塔と呼ばれる存在。
・BLEACH
現在アニメ放送中です。原作補完がたんまりあるアニメはぜひご視聴ください。
・ヒロアカ
連載お疲れさまでした。来年のアニメファイナルシーズンも期待しています。
・呪術廻戦
完結おめでとうございます。
トリコ
・今連載していたら覇権確定。惜しむべきはグルメ界編の雑な畳み方。
・ドラベース
月間コロコロコミックに連載していた王道熱血スポ根漫画。私がスポーツ漫画にハマったのは恐らくここから。
・アイシールド21
とりあえず全人類は読むべき。アメフトのルールが1mmもわからない私でも熱中できた。
・スラムダンク
映画最高でした。原作もおもしろいので読んでください
・イナズマイレブン
漫画とは違いますが熱血王道スポ根作品と言えばこれ。ちなみに作者は26話の激突!神VS魔神のマジン・ザ・ハンドが一番好き。
私が読んだ作品は他にもありますが(進撃の巨人やリボーン。めだかボックス、メジャー等)これ以上書くと記事が長くなりそうですので割愛します。
3.そもそも少年漫画ってなに?
この記事を書くうえで改めて少年漫画とはなにかを私なりに解釈して語ろうと思います。
wikiにはこのように記載がありました。
少年漫画雑誌(少年雑誌)に掲載されていることで分類される。1960年代中頃までは男子小中学生向けの漫画であったが、1960年代末からは読者層を大きく広げ、高校生以上の高い年齢層向けの作品や女性を視野に入れた作品も多くなった。ストーリーは基本的に戦いやパワーゲームが好まれ、冒険やアクションなど、主人公の戦いと成長をテーマにしたものが多い。他にスポーツを題材にしたもの、ホビーを題材にしたもの(メディアミックス化した商業戦略的な作品も多い)、乗り物やロボット、未来的な発明道具などメカが多数登場するSF作品も少年漫画に好まれる題材である。(wikiより引用)
要するに基本軸として
敵が出る→戦って勝つ→敵が出る→戦って勝つ
この繰り返しこそが少年漫画の基本軸として考えられます。
そこにジャンプ作品は友情・努力・勝利の三原則を絡めるわけです。
私はこの三原則の中で努力こそが一番重要視するべき要素だと思います。
4.読者は新形態や覚醒シーン、新しい必殺技に興奮する
ぶっちゃけ私が漫画を読んでて一番興奮したシーンがこれでした。
・NARUTOの影分身の術、螺旋丸披露、仙人モード習得。
・ドラゴンボールの超サイヤ人覚醒。
・BLEACHの卍解や虚化
・ドラベースの大根満月切りやブラックホール打ち
・イナズマイレブンの新技披露
例を挙げればキリがありませんが、パッと出てくるのはこれぐらい。つまり我々読者はキャラ達が新しい力や技を披露する時に興奮するのです。
ただ技を披露するだけでもいいですが、その技のバックボーンが事前に語られると読者はもっと昂ると思います。具体的に言えばイナズマイレブンのマジン・ザ・ハンド初お披露目。
ゴッドハンドが通用しなかった円堂はそれを超えるマジン・ザ・ハンドの習得に励みます。
結局試合までに間に合わず未完成のまま決勝戦の世宇子戦に。
未完成のマジン・ザ・ハンドが通用する筈もなく失点を許してしまいます。
後半戦に向けてじいちゃんのグローブに変えた円堂
今回は具体例としてマジン・ザ・ハンドを挙げましたが他にもあります。ナルトの螺旋丸披露シーンやクロえもんの満月大根切り等々。敵わない相手への対抗手段として新たな必殺技や新形態に覚醒する時こそ読者が一番興奮するシーンだと私は思います。
5.事前に完成させた必殺技よりも土壇場で完成させた必殺技の方が興奮する
これです。ここまでだらだらと私の考え方を書いてきましたが私が言いたいのはこれです。
先に挙げたマジン・ザ・ハンドも然り、螺旋丸も然り、満月大根切りも然り。どの必殺技も本番まで完成が間に合っていないんですよね。結局未完成のまま本番を迎え敵に有効打として機能せずピンチになる。絶体絶命のピンチに土壇場で閃いて必殺技が完成し敵を撃破。
この流れこそ少年漫画において最も興奮するシーンと同時に作品を代表するシーンでもあると私は考えています。
未完成のまま本番を迎え通用するかどうかの緊迫感。案の定未完成なままでは通用せず絶体絶命になる状況。もう後がない状況で一瞬の閃きが技を完成させて敵を撃破する。
このシーンがあるかどうかで読者は作品に没頭できるかどうかが決まるともいます。
勿論、完成技を用いて敵を撃破するシーンも最高です。NARUTOの螺旋手裏剣初披露シーンもそうですね。敵、味方共に技に対して畏怖を感じるあの瞬間は我々読者も固唾を飲む状況でした。(しかも螺旋手裏剣が披露話で単行本が完結するから尚更性格が悪い。集英社わかっててこの構成にしましたよね?)
そして待望の螺旋手裏剣をぶつける瞬間。
このように螺旋手裏剣みたいな新技を披露してそのまま敵を撃破するシーンもありますが、この螺旋手裏剣のシーンですら未完成でした。
現に当てるまでに陽動が必要、新技ゆえに術の発動まで時間がかかる等々リスクや弱点もありました。
ですが、ナルトはそのリスクや弱点を持ち前の意外性で乗り切り角都を撃破。つまり”土壇場の閃き”で対応したのです。
即ちただ新技を披露するだけでは読者は興奮せず新技つえぇー程度しか印象に残りません。しかし、発動や当てるまでにひと悶着などがあると新技への印象が強くなると私は考えています。
6.設定の開示だけが伏線回収じゃない
近年話題となる”伏線回収”。
有名な漫画、ワンピースもついに伏線回収を開始しています。他にも伏線回収と言えば”進撃の巨人”。進撃の巨人の緻密に練り上げられた構成に思いもよらぬ場所に伏線が散りばめられています。その伏線が回収されるときは我々も驚きを隠せずにいました。
伏線回収と言えば私はこの二つの作品が頭に浮かびますが、どちらの作品も伏線の回収に共通していることがあります。
それは設定や世界観の開示。
せにまつわるものが色々考察されましたが敵は世界だということがわかりました。自分たち以外全員が敵、言い換えると世界が敵とも言える状況です。
この二つの作品が及ぼす影響は計り知れず伏線回収=設定や世界観の開示という風潮になりました。
ですが、私はそれだけが伏線回収じゃないと考えています。
これまたイナズマイレブンで具体例を挙げていきます。(またイナズマイレブンかよと思いますがそれだけ私に与えた影響が大きいとも言える)
ゴッドハンドを超える必殺技として特訓ノートに記されたマジン・ザ・ハンド。
この意味がわからないまま円堂は試合に臨みますが勿論マジン・ザ・ハンドは未完成。
そして土壇場の閃きで完成したマジン・ザ・ハンド。ノートに書いていたポイントの意味も理解して完成しました。
つまり主人公が技の理解を及ぶ瞬間も私は”伏線の回収”と言えると考えています。
未完成のまま本番に挑み土壇場の閃きで技を理解し完成して敵を撃破。
つまりこれも技のバックボーンを事前に見せておかないと伏線回収と言えません。言い換えれば新技の修行や特訓シーンそのものが”伏線”であり、土壇場の閃きで技を理解する瞬間が”伏線回収”なのです。
だからこそ特訓シーンや新技の修行シーン、所謂”努力”というものが伏線でもあり、技の魅力を引き上げる大事な要素でもあるのです。
ジャンプ三原則の友情・努力・勝利の努力こそが伏線でもあり、技を印象付ける大事な要素だと私は考えます。
7.最後に
だらだらと私の考えを羅列していきましたが、結局言いたいのは
もっと努力要素描写して
これに限ります。そして土壇場の閃きで新技を完成させると尚ベストだと私は考えます。
つまり少年漫画に求めるべきものは
仲間と友情を育み、修行や特訓シーンの努力を重ね、土壇場の閃きで新技を完成させ敵を撃破し勝利する。
これこそ少年漫画に求めるべきもの、所謂友情・努力・勝利の三原則だと思います。
ご拝読ありがとうございました。