どっちなんだい⁈
「読む時間」は、6秒から10秒。
その間につぎ何が来るのかを予測するのだ。
この試合に勝てば、九州大会への出場が決まる。来年春のセンバツ大会へ一歩近づく。
秋の沖縄大会準決勝。
場面は9回裏、2アウト満塁。
ボールカウントは、3ボール2ストライク。
点差は一点。
この場面、左打席に立つ剛(ゴウ)は、そのわずか6〜10秒の間に頭の中を整理していた。
「今は決めにきたスライダーが微妙に外れた。もうあとはない。最後は真っ直ぐか?それともスラ?どっちだ?」
「真っ直ぐ?スラ?
真っ直ぐ?スラ?
どっちなんだい⁈」
「ええ!この場面できんに君登場???」
剛は頭の中のまさかの展開に、プッ、と吹き出してしまった。
「で、どっちなんだい?まぁ、しょうがない。どっちにしたってなんとか食らいつくしかないし、行くしかないな‼︎」
そう吹っ切れたつぎの瞬間、強張った表情のピッチャーの足が上がった。
両足を小刻みに動かしてタイミングをとり、ピッチャーの重心が下がった所で、右足をポンッと合わせる。
すごくシンプルにボールが見える。
全てがスローモーション。
自分の体の動きまで見ているような不思議な感覚。
「カキーン‼︎」
「ウォワァー‼︎」
スタンドに歓声が響いている。剛は、無のなかにいる感覚で軽やかに一塁ベースを回った。
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先週お休みしていたので、今週が楽しみでした。
「読む時間」→ 本、読書とイメージしましたが、3つめに出てきたのが、野球での「読む」時間でした。
同じ視点で書いた方いるのかな?
日曜日までにもう一作品書けそうな気が。
楽しませてもらって感謝です。
小牧部長さん、ありがとうございます!
では、皆さんの作品も楽しんでいきます。
今日は読んで頂き、ありがとうございました(^^)
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