Premiere Pro 2025から搭載されたモーションの「切り抜き」を「クロップ」エフェクトに変換する!「Project Encoder」
モーションに「切り抜き」登場!
Premiere Pro 2025 から、クリップのモーションの中に「切り抜き(クロップ)」が標準搭載されました。映像編集で頻繁に使う画面のトリミングは、これまで「エフェクト」→「クロップ」を毎回選ばなければならず一手間かかる操作でした。なので多くのユーザーはこのアップデートを喜んだことでしょう。
しかし、この仕様変更は注意しなくてはいけない場面があります。それはプロジェクトをPr2024以前の下位バージョンにダウングレードして開いた場合です。
ダウングレード時の注意
もしもPr2025で作成したプロジェクト内のクリップにモーションの「切り抜き」が使われている場合、そのプロジェクトをPr2024以前のバージョンで開くと、クリップの「切り抜き」の効果は無視されます。どのクリップに「切り抜き」が使われていたかも分かりません。Pr2024以前には「切り抜き」のパラメーターを反映するような仕組みはありません。
そこで「切り抜き」から「クロップ」エフェクトに置き換えたプロジェクトファイルを作成するプラグインを作りました。
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追加機能(ver1.1.0)
オーディオのカスタムフェードを変換
Pr2025で、オーディオのトランジションを手動で操作などすると「カスタムフェード」になることがあります。(標準のオーディオトランジションは「コンスタントゲイン」「コンスタントパワー」「指数フェード」)
この「カスタムフェード」が含まれるPr2025で作られたプロジェクトをダウングレードしてPr2023以前で開こうとすると、「プロジェクトを読み込めません。壊れているか、古い要素が含まれています。」と表示が出て、プロジェクトが開けないと思います。
Project Encoder は「カスタムフェード」を変換し、Pr2023以前でも開くようにします。
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“Motion Crop to Effect” は、「切り抜き」のパラメーターが操作されている場合、そのクリップに対して「クロップ」エフェクトを追加し、同じパラメーターを適用します。
“Audio Custom Fade to Default Transition” は、「カスタムフェード」を現在開いているPremiereProのデフォルトに設定されているトランジション(「コンスタントゲイン」、「コンスタントパワー」、「指数フェード」のいずれか)に置き換えます。
Project Encoder の使い方
「Project Encoder」はプロジェクトファイル(.prproj)を変換するPremiere Pro のプラグイン(エクステンション)です。
Premiere Proを起動し、新規でも何でもよいのでプロジェクトを開いてください(エクステンションを開くには何かプロジェクトが必要なため)。そして、メニューバー → ウィンドウ → エクステンション → Project Encoder を選択してください。
1. Adjust Version
この項目にチェックを入れると、現在起動しているPremiere Proのバージョンで開くようになるプロジェクトファイルを作成します。
2. Motion Crop to Effect
この項目にチェックを入れると、モーション「切り抜き」の左端、上端、右端、下端、いずれかの項目が操作されているクリップに対して、同じ項目のパラメーターを反映した「クロップ」エフェクトを追加したプロジェクトファイルを作成します。
3. Audio Custom Fade to Default Transition
この項目にチェックを入れると、「カスタムフェード」になっているオーディオのトランジションをデフォルトに設定されているトランジションに置き換えたプロジェクトファイルを作成します。
- Export CSV
「クロップ」エフェクトを追加したクリップ、または「カスタムフェード」を変換したトランジションがわかるように、その箇所のシーケンス上のタイムコードを一覧にしたCSVをデスクトップに書き出します。
- Add Markers
「クロップ」エフェクトを追加したクリップ、または「カスタムフェード」を変換したトランジションがわかるように、その箇所にシーケンスマーカーを追加したプロジェクトファイルを作成します。
4. Normalize
Mac↔︎WindowsのNormalizeについてはこちらの記事をご覧ください。
「ProjectNormalizer」と同様の機能を「Project Encoder」に付けました。
これらのチェックボックスにチェックを入れて「Select file」ボタンを押してください。するとファイル選択画面が表示されるので、変換したいプロジェクトファイル(.prproj)を選択し、OKボタンを押します。
新しくできたプロジェクトファイルやCSVはデスクトップに保存されます。もとのファイルは変更されません。
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Adobe Exchange にて
Best regards!
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