Premiere ProのMac↔︎Windowsメディア再リンク問題を改善! 「ProjectNormalizer」
メディア再リンク問題とは?
Macで作業したPremiere Proのプロジェクトファイル(.prproj)をWindowsで開くと、メディアの再接続が必要になります。「自動的に他を再リンク」にチェックを付けておけば、普通であれば、ある程度まとまってメディアがリンクされます。しかしこれが上手くいかず、一つ一つメディアを選んではリンクを繰り返す地獄の作業にはまってしまうことがあります。
MacとWindowsではファイルパスの扱いが違うので、これは仕方のないことだと思っていました。
しかし、原因は他のところにもありそうです。
NFC/NFD問題
Premiere Proでメディアを再接続する際、あるところまでは自動的に他が再リンクされるのですが、必ず止まってしまうファイルがありました。それはファイル名に「濁点・半濁点」がついているものでした。ひらがな、カタカナの「が」や「パ」といった文字です。
一般的に、MacとWindowsでは「濁点・半濁点」のついた文字の扱いが違います。たびたびコンピュータの不具合の原因になっている「NFC/NFD問題」と言われるものです。
WindowsはNFC形式を採用しており、「が」は、UnicodeでU+304C
Macが採用しているNFD形式では、「か」U+304Bと「゛」(濁点)U+3099の合成文字になっています。
普段Macで文字を打っていても気になることはないのですが、Macの場合「濁点・半濁点」のついた文字は、実は二つの文字が組み合わさった、一つの文字になっています。
Macの「が」とWindowsの「が」はイコールではありません。
これによってPremiere Proにおいても、MacとWindowsでデータをやりとりした際、ファイル名が一致していないと見なされ、メディアの再リンクが上手くいかない原因になっているという、あくまでも私の推測です。
「ファイル名は半角英数字のみにしよう!」といった厳格なルールを持っていればよいのですが、なかなか現実はそうもいかない場面はあります。
日本語以外でも、合成文字は存在するので(アクセント記号付き文字など)世界でも困っている人はいるかもしれません。
そういえば最近でもこんなことがあった。
ProjectNormalizer
そんなわけで実験的ではありますが、プロジェクトファイルの中身をWindows(またはMac)に合わせたNFC形式(またはNFD形式)に書き換えるプラグインを作ってみたした。
プロジェクトファイル(.prproj)を解凍→中身をNFC/NFD形式に書き換え→別のプロジェクトファイルとして圧縮して保存、をしています。もとのファイルは変更されません。
JavaScriptにはnormalize()という、NFD-NFC変換をするメソッドがあり、これを使っています。今回はPremiere Proのエクステンションとして作りました。(Premiere Proのエクステンションである必要はないので、本当はWindowsやMacのアプリケーションとして作りたいです。)
使い方
①Premiere Proを起動
②新規でも何でもよいのでプロジェクトを開く(なにかプロジェクトを開いていないとエクステンションのメニューが選択できないため😢)
③メニュー→エクステンション→ ProjectNormalizer を選択
④Windowsで開きたいプロジェクトファイルを作る場合は「for Windows」、Macで開きたいプロジェクトファイルを作る場合は「for Mac」ボタンを押す。
⑤ファイルを選択するウィンドウが表示されるので、変換したいプロジェクトファイル(.prproj)を選択
⑥変換されたプロジェクトファイル「元のファイル名 + _forWin(または_forMac).prproj」がデスクトップに保存されます。
この新しく作られたプロジェクトファイルをご自身で開いてください。通常通りメディアの再接続は求められますが、ファイル名に「濁点・半濁点」のついたものも自動的にリンクがくるなど、改善されるはずです。
* * *
Adobe Exchangeで無料配布します。
メディア再接続の問題は他にも原因はあるかと思いますが、試しに使ってみてください。
こちらのリンクから↓
ユーザーからの声
Best regards,
884tak