TFX-Artist 〜アーティストへの道〜 #6 ワンランク上の「ユーザー」を作る!
「ユーザー」について考える。
TFX-Artistを起動させるためには「ユーザー」がなければならない。それではあらためて、新規に「ユーザー」を作ってみよう。
ユーザーを作るためには、「名前」が必要である。今回は「884tak」という名前にする。
ユーザーを作ると「フォルダ」が作られる。先ほど名前にした「884tak」というフォルダが作られた。
ユーザーというのは、この「フォルダ」のことであると言って間違いなさそうだ。
では、このフォルダの中身を見てみる。
ユーザーフォルダの中には、プリセットスタイルなどのデータや、レイアウト・SVGのフォルダがあるのを確認できる。
ちょっと実験をしてみたい。
先ほど『ユーザーというのは「フォルダ」のことである』と言ったが、このフォルダの中身を消してみるとどうなるのか?TFXはそれでもユーザーとして認識してくれるのだろうか?
フォルダの中身を全て消したところ、TFXのユーザー選択画面に「884tak」は表示されなかった。やはりダメだった。
何がユーザーフォルダをユーザーたらしめているのか?ユーザーフォルダの中は、これらのデータが全て必要なのか?
あらためて「884tak」でユーザーを作成し、今度はユーザーフォルダの中で私が一番重要だと思った「user.config」だけを残し、あとは消してみた。
私の推測は当たっていた。ちゃんとユーザー選択画面には「884tak」が表示され、TFXを起動することができた。
つまりTFXが、ある「フォルダ」をユーザーと認識するためには、その中に「user.config」さえあればよい、ということが分かった。
この「user.config」のみの状態でTFXを起動してみる。するとユーザーフォルダの中に、先ほど消したデータが自動的に復活した。
なるほど。
起動するためには必要はないけど、とりあえず作られるんだ。
「user.config」をメモ帳で開いてみる。
・直前に開いたデータのパス
・プリセットなどのデータのパス
・ユーザー設定(User Preferences)の項目
・操作画面の色
これらで「user.config」は構成されている。
改めてユーザー選択画面。
「参照パス編集」というボタンがあることをご存知だろうか?
このボタンを押す。
すると、このような画面が表示される。
・プリセットスタイル (.stg)
・プリセットシェーダー (.shg)
・ショートカット (.tfxshortcuts)
・フォントグループ (.fgr)
・ガイド (.gug)
・レイアウトフォルダ
・SVGフォルダ
・マクロフォルダ
・スペルチェック (.tfxspell)
これら9つの項目については、ユーザーが何を選んでもよいということが分かる。この参照パス編集の情報は「user.config」の中に書かれていたものである。
なにが言いたいのかというと、
ユーザーを作ると、プリセットなどの9つのデータは自身のユーザーフォルダに自動的に作られ、それらを参照するようになるのだが、
実は、この9つのデータは
・自分で自由に好きなものを参照してよい。
・ユーザーフォルダになくてよい。
・名前は(拡張子を変えなければ)何でもよい。
ということだ。
管理のしやすい「ユーザー」を考える。
以上のことから、ベストなユーザーの使い方を考えたい。
担当する番組ごとに複数のユーザーを持っていれば、何かとスムーズに作業が始められて便利だ。
しかし、
「ユーザーって分かりづらい」
「ユーザーを新しく作りたいが面倒くさそう」
「設定を変えたはずが反映されていない」
というようなことをよく聞く。
ぜひ「ユーザー」について、みんなの考えをあらためてもらいたい。TFXのデフォルトの仕様から自由になってほしい。
以下、複数のユーザーを持っている人に向け、私の薦めるユーザー管理の方法を紹介したい。ワンランク上の「ユーザー」を作ろう。
①9つの項目について、それぞれフォルダを用意しよう。
②この中に自分の使っているプリセットなどのデータを移動させよう。
③それらは分かりやすい名前に変更しよう。
④ユーザーの拠点となる「user.config」が入ったユーザーフォルダは、それらをまた一つのフォルダにまとめよう。
以上のような整理をしたら、
ユーザーフォルダ内の「user.config」以外のデータは全て削除する。(ちなみに「user.config」という名前は変更してはいけない。TFXが認識しなくなる。)
こうしてから、TFXを起動する。
すると、このような警告が表示されるかもしれない。
「user.config」が9つのパスについて、もともとのパスを参照しているためだ。参照パス編集内の黄色い文字はパスがつながっていないことを示している。
9つのすべての項目について、右上の「編集」ボタンから、先ほど自分でフォルダごとにまとめたプリセットなどへ、パスの参照先を変更しよう。
このような管理の仕方にすることで、自分のユーザーがどうなっているのかが、頭の中で理解しやすくなる。プリセットなど、ユーザーがどこのデータを使うかが明確になるはずだ。普通に使っていると、ユーザーはユーザー自身のフォルダの中のデータを参照してしまう。これだと、例えばショートカットを他のユーザーでも使いまわしたい場合、別のユーザーフォルダの中を参照するか、データをコピーして持ってくることになり、イマイチ分かりづらい。
「9つのデータはユーザーと切り離した外部のフォルダに置く」
最初からそう決めておけば、各々のデータがユーザーに縛られない独立したものとなる。ユーザーが増えていくほど、管理がしやすくなるはずだ。
ショートカットなどは自分で作った全てのユーザーで共有したいと考えるだろう。外部の一つのデータに参照先を決めておくことで、常に自分の全てのユーザーが最新の状態を保つことができる。
ユーザーフォルダの中は、勝手にデータが作られてしまうが、それらは使わないものとして考え、「user.config」があることだけを確認しよう。
ユーザー設定(User Preferences)の項目だけは、「user.config」の中に書かれているため、外部に置いておくことができない。その都度、設定は確認しよう。
新しく「ユーザー」を追加する方法は?
このようにワンランク上のユーザーを作ったら、その後は自分のユーザーを追加して増やすのが簡単になる。
ショートカットやレイアウトはそのままで、プリセットスタイルやシェーダーなどを番組に応じたものにしたユーザーを作る。その方法を紹介したい。
①もとになるユーザーフォルダをエクスプローラー上で複製。
②複製したユーザーフォルダを新しい名前に変更する。
③ユーザーフォルダ内の「user.config」以外を削除する。
④TFXを起動し、「参照パス編集」でプリセットなどのパスだけ変更する。
このような感じで、ユーザー作りがシンプルで分かりやすくなる。
* * *
いかがでしたでしょうか?
ユーザーの仕組みが理解できたでしょうか?
ワンランク上のユーザーを作るには、最初の準備がちょっとだけ手間ですが、後々きっと使いやすくなるはずです!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
(今回使用したTFX-Artistは ver 3.3.1.4 です。)
Best regards,
884tak
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