久しぶりに帰省したら…
高校時代の友人二人を連れて地元をドライブ。
うち一人は地元におり、数年振りの再会である。
お互いに少しずつ記憶力、スピード感、行動力など、ジジー化している。
しかし、相変わらずしょうもない話で盛り上がる。
頭の中はまだ少年時代である…
自分「ところで、昼飯何食うか?」
友人MとY「······」
自分「ちょっと前に、イタリアンレストランが出来たとか言うてたやん?そこ行かへん?」
友人Y「ほな、そこ行こか!」
と、まあこんな感じの会話で目的地が決まった。
友人Mはすでに行ったことが有るらしく、道順も詳しい。と言っても一本道である。
こんな田舎で、イタリアンレストランって…お客さんおるんかいな?
と、期待と猜疑心を抱きながら車を走らす。
こんな田舎でコジャレた食べ物など食べたことがない。
私が生まれ育った田舎は、山、海、湖に囲まれた町。常に閉鎖的である。
目的地は、自分の地元ではなく、隣の隣町の高浜町和田である。
関西では、海水浴場として有名な所である。
夏だけは海水浴客で賑わっている。
何とその町にイタリアンレストランが出来たとか!!
とうとうコジャレた店がこの町にもやって来た!
知らないだけかも知れないが兎に角スゴイ!
ぜひこれは行かねば!との思いでやって来たのである。
完全に狙ってるな…
店内に「ブルーライト横浜」が流れている…
中に入ると木目調の店内が落ち着く。
メニューを見て悩む。
自分と友人Mはカレーランチを、友人Yは本日のパスタランチを注文した。
カレーも新鮮なサラダもとても美味しい。
これは地元の自慢のできるお店だ!
近所の若い人や年配のお客さんも多くいて、会話が弾んでいる。
地元にこんなに美味しいお店がたくさんできるとありがたい。
町の活性にもきっと繋がるだろうなと思いながら店を後にする。
帰り道、我が町の観光名称、鯖街道で有名な「熊川宿」に寄る。
江戸時代、若狭湾で水揚げされた鯖を塩漬けにし、京都に運ばれた街道の宿場町である。
重要伝統的建造物群保存地区に選定され、日本遺産にも認定されている。
古民家を利用したカフェやホテル、お土産もの屋などが並んでいる。
途中その内の一件のカフェに入ると、中は古さを利用した、でも新しい雰囲気のおしゃれな造りになっている。
思わず「へ~」
静かだ!
一組の小さな子供を連れた家族がテラスでのんびりお茶を飲んでいる。
静かな時間を楽しんでいるようだった。
そこへおちゃらけおっさん3人が加わり、テラスでお茶をのむ。
アイスコーヒー1杯で1時間はいただろうか…
初夏を香る風、鳥のさえずり、水が流れる音、時折おっさんの笑い声…
きっと迷惑だったに違いない。
この場を借りて謝罪します。
「本当に申し訳ありませんでした。」
田舎のカフェは、静かでいい。
自然と心が落ち着く。
カフェでは静かにお茶を飲みたい。
「お前が言う資格はない…」
やはりシーズンオフは、どこも人が少ない。
観光地をのんびり過ごすのなら、オフの時期がいい!
道路はすいてる、飲食店もすいてる、財布の中身もすいてる…
そろそろ日が落ちようとしている。
普段の自分ならこれからが本番。旨い酒と肴を求めて徘徊するのだが、何せここは車がすべての移動手段。運転途中で飲みに行くわけには行かない。
友人二人を送り、帰路にたつ。
夕日を眺めて、少し黄昏てみた…