見出し画像

作者がママチャリで日本一周して三回死にかけた話。(EP19 高知県)


【二〇一七年 九月二二日】

 昨日一緒だったカナダの歩き旅の人は先に出発していた。

 近所のコンビニ飯。
 普段からコンビニ飯は独特のワクワクがあるが、ご当地感のあるとなおのことワクワクである。


 結構、空模様が怪しい。
 徒歩旅をしている昨晩一緒だった彼は気合入ってるなァ。


 40番、観自在寺!

 高知県! 長かったぞ愛媛県、きつかったぞ愛媛県!


 39番、延光寺!
 もうひとつ頑張りたかったが、雨の消耗が大きく断念。ぶっ倒れるように宿を探す。
 その前に、お散歩をしていたダルメシアンちゃんを撫でさせていただいてから、雨の中で寝れそうな場所を探す。
 バス停が使えそうだったが、他にも旅人の人たちが公園にテントを張っている。
 最初は遊具の中で寝れそうだと思ったが、蚊がすごかったのでテントで防ぐことにする。

【二〇一七年 九月二三日】

 ちょっと走っていくと、ダムの近くに素敵な休憩所。
 トイレと水道があるので、ここまで来ればよかったかな。
 ダムの見学をしながら一晩眠るなんて機会は中々ないし、ちょっと頑張ればよかったかな? 雨が降らなかったらなぁ。
 色々なズレで気ままな旅なので、こういうこともある。


 本日は足摺岬を目指します。
 飛ばしても良いんですが、四十八か所巡り的にはマストなのです。
 ほぼほぼそこに行って戻るだけなんですが、頑張ります。



景色がどんどん変わっていく。退屈しないね。
工事中。
夜に来てたら危なかったね。
上の写真から、そのまま下を覗いた。
今しか見えない景色。
道を入っていくと
どんどん山道に。
名も知らぬ絶景。

 そうやって自転車を押しながらノロノロと行くと、地面の真ん中にちっちゃい蛇ちゃん。

もったりとしていてカワイイ。

 車道の真ん中で、後ろからは車がノロノロと来ている。
 僕はすれ違えるように重装備のママチャリを道の端に寄せるが、このままだと蛇ちゃんは潰れてしまう。
 食事直後なのか全然動かない。スニーカーの先っちょでつつくが、中々動かない。
 仕方ないので手で押して端に避けてから車に道を譲る。
 そのとき、車が停車し、しかも窓を開けて一言。

(運д転)「兄ちゃん、それ、マムシだぞ」
(8ω4)「!!!!?????」

 噛まれていたら下手したら死んでました。
 ……みんなも、四国を歩くとき、気を付けようね!
 そんなこんなで山を抜けました。

 いや、海、キレイすぎん?
 四国最高か?

大河ドラマ化「した」じゃなく、「して欲しい」という看板。
どういうこと???
そんなことをするヤツは片っ端から浜に埋めて、
その上をそいつが乗って来た車で轢き潰せばいいんすよ。
(過激派)
海辺のお店で大盛り焼きそば。
看板猫ちゃんが傍らで寝ているステキなお店でございました。
撫でさせていただきました。
ありがとうございますありがとうございます……。
強く生きているニャンコさん。
トトロの道かな?
ただの車道なんだけどね。
後々で見てみると、ザ・足摺岬な写真。
特に意識してなかったけど、良い絵だと思ってシャッター切ってた。
 38番、金剛福寺!

 山を越えて谷を越えて海を眺め、なんとかかんとか着きました!
 ここに来るだけで丸一日掛かっており、体力が限界です。

 野良ニャンコ様が多すぎるし、明らかに兄弟。
 餌付けとかされてるのかな、カワイイんだけど、まあ、そのご当地の色々な事情があるよね。

イノシシトラップ。
はじめてみた。
そのようですな。

 適当な場所で野宿をするのは怖すぎるのですが、どうにも近くにキャンプ場があるらしいです。

歴史を感じる。
色々と有ったんでしょうなぁ……。

 キャンプ場には近所のお子さんたちがスケボーで遊んでいた。
 なんだあの人? みたいな視線がきたが、いつものニッコリスマイルとお辞儀。
 やぶ蚊が酷いが、通報されない場所でテントを張れる安心感がデカイ。
 一日中、山を越え海沿いに走り、疲れ切っているのでテントを張ったら疲れ切って動けなかった。

 飯を作る余力がないので、近所の個人商店さんでそのまま食えそうな……その、ナンダコレ?
 モソモソしてたけど腹に溜まるし、疲れも合わさってめちゃくちゃウマかったんだけど……その……なんすかね、コレ……。

【二〇一七年 九月二四日】

 通報される心配もトイレの心配もなく、ガッツリ寝坊できた。
 本日はほぼ来た道を戻るだけ。足摺岬の最短路を戻っていく。
 最初に想定していたより、海辺ということもあって思ったより平坦だった気がする。
 今思うと、愛媛がトラウマレベルでキツかった。
 100円ミカンが安価なビタミンとして疲労回復になって耐えきれた。
 しかしながら、それ以外は一週間くらい毎日山を登っては野宿という生活。
 このママチャリ日本一周でもネットカフェを使わずに野宿やキャンプがここまで続くのも珍しい。バッテリーも怪しくなってきた。
 ……そりゃ、悟りくらい開くわなー、という謎の説得力がある。

 それだけ野宿スポットが充実しているっていうことでもあるんだけど、両足の筋肉だけでなく、心臓の疲れが抜けてない感じ。
 恐るべし四国霊場。 マジでどっかでまとまって休まないとキツい。
 次の市街地、高知市で何日か休みたいな。

そんなこんなで進む。
車道の隣。
いつ轢かれてもおかしくない位置で兄弟ニャンコちゃん。
むう……。

 道の駅で野宿をしていると、三十歳の歩き遍路さんと遭遇。
 かなり話の合う方で、楽しかったです。
 彼のお仕事のお話や、遍路は『接待されたら思いを持っていく』はかなり響いた。
 高知で美味しい食べ物の情報も聞けたので、絶対に食べようと思います。
 まあ、少し見栄を張ってテントを張らずに寝ていたら、寒さもまあまあキツかったが、寝袋が朝露で濡れてしまった。うーん。

続きはこちら。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?