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ファウンデーションズは『クソパック』か? 初心者から上級者までのマニュアル

 皆さんこんにちは。
 新規パックの内容から時事ネタを順次投げるアカウントなので、
 他にも更新したいネタはいっぱいあるんすけど、
 とりあえずファウンデーションズ関連の記事から先に書いてるんですが、いやぁ、話題が尽きんね。
 今月はファウンデーションズの記事しか出さねーんじゃねーの。
 てことで、今回は『ファウンデーションズはクソパックである』という言説の、分析・解析なんですが、
 結論を先に書くと、『一理はあるけど、ンなわきゃねーよ』です。
 なので、その辺りの記事を書いてから、5年使えるアーキタイプと、その分析をしていきたいなー、と思います。



『五年後はもっとインフレして役に立たない?』


 複数流れてきたのが、『5年後のスタンはもっとインフレしていて役に立たないだろう』ってヤツ。
 MTGは年々カードが強くなっているので、その傾向はあるんですが、『そのためのスタン落ちだよね』って話。
 直近で強かったパック挙げるならダスクモーン。

スタン~パイオニアで大活躍の最強3マナ生物。
これのせいで追放除去の価値がハネあがった。
大活躍中の大主サイクル。
これと永劫サイクルは1枚で2枚分の仕事をするという基礎構造がクソ強い。
様々なフォーマットで独特の立ち位置を確立。
デカい、飛行、横並べ、墓地利用とMTGユーザーの好きなことが山盛り。
《斬鬼》と合わせて黒のフェアデッキを定義する最強カード。

 これらに勝てる新規カードがファウンデーションにどれほど有ったのかといえば、『大した枚数はない』でしょう。
 そして、5年の間に更に向上はもちろんするんでしょうが、ですが!

 これらは十年分のカードが積みあがっているパイオニアでも通じるカードたちなんだけど、これらがスタンで通じなくなると本当に思うかって話です。
 これらが尖った最上位のカードたちだろうってのもわかりますが、少なくとも筆者の視点では、これに匹敵しうるカードたちは各色で3~5枚以上は有ります。
 で、ひとつのエキスパンションでスタンダードでバチバチやりあえるカードは、元々そんなにありません
 ダスクモーンが異常なわけですが、再録まで含めれば、スタンで通じる総枚数はファウンデーションズの方が上に思えます
 むしろ、既存エキスパンションと比べて見劣る枚数とは、筆者からは思えません。

『ファウンデーションズは塩パックではないか?』

 『塩パックではないか』っていう言説もよく見ます。
 塩パックっていうのは、俗にいう『しょっぱい』、つまりハズレパックってことですね。
 コレに関しては『イエスでありノー』です。
 高額カードが少ないという意味では、『再録が多く、高額カードは少ない』ので『イエス』。塩。めっちゃソルト。
 強いカードが少ないという意味なら、『汎用性が高く強力なカードが多い』ので『ノー』。甘い。めっちゃスイート。
 つまるところ、『基本セットなんだからそりゃそうだよ』って話。
 《精神腐敗》や《ショック》、《大蜘蛛》といった「常連ではあるがインフレについて来れなかった下位互換たち」は最初から大部分が取り除かれてますしね。
 制作陣の制作意図の通り、という意味では、適切なデザインであると見るのが妥当でしょう。

『初心者は他の強力パックを開封した方が良いのでは?』

 これも何回か流れてきたけど、これは『前提が間違ってる』。
 そもそも、MTGのパック開封そのものが、カード資産の強化と言う意味ではコスパが劣悪。
 比較対象が他のどんなパックであろうと、パック購入などせず、必要なカードをシングル購入した方がコストパフォーマンスは絶対的に上です
 つうか、そうじゃないなら、誰かが市場のパックを買い占めていき、どこかでプレミア価格になるだけです。
 天野リリアナで有名な灯争大戦なんかも、普通なら350円とかのはずなのに700円で売ってましたからね。
 てことで、パック購入の利点は以下のような状況がお勧めです。

  • お祭りや宝くじ感覚で開封する。開封そのものを娯楽とする。

  • リミテッドを遊ぶ。

  • 未開封状態でプレゼントして開封体験そのものを贈る。

 つまるところ、普通に自分で効率よくカードを集めたいならパックやボックスで購入する必要はない、ってことですね。
 コモンやアンコモンですら一箱剥いても揃わないなんてのもザラです。
 開封したカードも嵩張りますし、不要カードを捨てるとかいうのも精神衛生上、良いものではないでしょう。
 売りに行く? 面倒なだけでしょ。
 赤字は赤字なんだし。
 なので、『初心者はファウンデーションズ以外を剥いた方が良い』ではなく、『好きなものを剥け』です。
 シングルだろうとパック開封だろうと、それは娯楽であり趣味です。
 失敗も含めて体験です。楽しくやろう。


『じゃあ買っておくべきカードってどれよ?』

 列挙します。
 各色ごとに「その色を遊ぶならば持っていて損はない」というランクのカード。
 世界トップレベルの戦いだとしても入っていても違和感のないカードたちで、類似する役割のカードの中でハイエンドに近く、パイオニアなどのハイレベルな環境でも通じるポテンシャルを持ちます。
 もちろん、デッキの相性はありますので何も考えずに採用できる、というわけではありませんが、お店のストレージとかで見つけたら初心者さんは購入を検討しても良いでしょう。
 再録や低レアリティを中心に。画像は長くなるので省略。

『白』

《お手伝いする狩人》
《突き通し》
《領事の権限》
《聖騎士の奇襲兵》
《審判の日》
《エルズペスの強打》
《敬虔な命令》
《威厳あるカラカル》
《勇敢な姿勢》
《黎明をもたらす者ライラ》

『青』

《悪戯な神秘家》
《本質の散乱》
《幽体の船乗り》
《熟慮》
《トレイリアの恐怖》
《証人保護》
《乱道への突入》
《選択》
《速足の学び》
《航路の作成》
《潜水》
《瞬間凍結》
《否認》
《送還》

『黒』

《突き刺し》
《英雄の破滅》
《窃取》
《ファイレクシアの闘技場》
《ゾンビ化》
《渇望の時》
《不死なる悪意》
《死の印》
《強迫》
《マラキールの門番》
《真夜中の死神》

『赤』

《削剥》
《噴出の稲妻》
《狂信的扇動者》
《金屑の嵐》
《胸躍る可能性》
《焦熱の竜火》
《ギトゥの溶岩走り》
《巨大焦がし大口》
《抹消する稲妻》
《ヴィーアシーノの紅蓮術師》

『緑』

《壊れた翼》
《噛み絞め》
《薮打ち》
《巨大化》
《ラノワールのエルフ》
《再利用の賢者》
《漁る軟泥》
《蛇皮のヴェール》
《ビビアン・リード》
《打ち壊すブロントドン》
《原初の力》

『その他』

《魂標ランタン》
《金剛牝馬》
《精神迷わせの秘本》
《魔術遠眼鏡》


 サイド枠のカードが大多数ですが、環境の基本と呼べるカードが揃っているように思います。
 各色10枚ちょっとですが、どれも構築級のグッドカードで、繰り返しですが、世界大会優勝者がどれを使っていようとも僕は驚きません。
 で、他にも良いカードがいっぱいあるんですが、それは結構、“寄せた”デッキで使うカードたちですね。
 つまり寄せたデッキ、アーキタイプってやつですね。
 ファウンデーションズでアーキタイプが確立できれば、5年使えるデッキってことです。
 もちろん、5年間といっても周辺パーツがスタン落ちするので、細かいところは変わりますが、マイナーチェンジで遊べるってことですね。
 猫や騎士、クリーチャータイプ(部族)で統一したデッキに関しては、以前に別の記事を書いているのでこっちを参照ください。

 というわけで、部族統一以外のデッキを列挙していきます。
 それぞれ詳しく書くと、それだけで1記事になるレベルの情報量になるので、簡単に。


『5年間使えるアーキタイプを探そう』


『ボロスバーン』

 早くも頭角を現していますね。

シンプルな顔面火力。下環境でも注目されている。
プレイヤーの呪禁や対象変更を無視できる。
とりあえず顔面4点火力。
破壊不能や二段攻撃付与もあるのでクリーチャーを援護もできる。

 他にも顔面火力が多数収録されていますし、現スタンでは《稲妻のらせん》が存在するため、下馬評通りの活躍をしているように思いますね。


『ゲインアグロ』

シンプルなサイズアップ生物。
後引きすると頼りないが、テンポよく動ければ極めて強力。
アマリアと同じく薄暮軍団のひとり。
ライフレースを一撃で叩き壊す超生物。
除去をインスタントに依存する黒に対しては極めて有効。
1ターン目に置けば2ターン目の《群れ仲間》をサイズアップできる。
1マナ2打点の生物でライフゲイン付き。
ブン回れば盤面を制圧できる。
手札を増やしつつサイズアップ。
シンプルに強いことが合わせて書いてある。

 ライフを得るたびにサイズアップするクリーチャーを軸として戦線強化とサイズで圧倒できる。
 バーン系に対しては相性がいい。
 今は《本質の媒介者》や《アマリア》のような《群れ仲間》と同じ挙動をするカードが多く、安定した挙動ができる。

『《継位兎》』

デッキに何枚でも投入できる。
元々は黒のネズミ系カードの能力だったが、横並べの白に加わった。
ネタデッキのようだが、破壊力はかなり高い。
破壊された兎たちをまとめて復活させて戦線を復帰できる。
同時に誘発するため、それぞれがお互いをカウントできる。

 アーキタイプというか、カードですね。
 極端な話、《平地》と《継位兎》を山盛りにすればデッキになります。
 色拘束も薄いので多色化しても良いですし、部族強化カードも有効です。
 《死人に口なし》や《一巻の終わり》のようなまとめて追放するカードは天敵ですな。


『ブリンク』

戦場に出たときに三つの効果から誘発する。
その内のひとつがクリーチャーを追放して戻す効果。
呪文を唱える度にクリーチャーを出し直せる。

 明滅のことですね。一時的に戦場を離す効果です。
 「戦場に出たとき」のようなテキストを持つカードを使いまわすことができる。
 試作のような『弱い状態で戦場に出せるが出し直すと元のサイズに戻るカード』、死亡せずに戦場を放すとドローできる《陰気な港魔導士》と組み合わせることもできます。
 同じように戦場から離せる青白系の能力として、《希望の光、ニコ》も使えます。

『横並べアグロ』

横並べするだけで本人のサイズが上がる。
テンポよく出せばそれだけで勝てる。
明滅やバウンスとのシナジーもある。
シンプルな全体強化。
2マナなので3体並べば2マナ3/3相当。
4体以上並べば2マナとしては破格のパフォーマンスとなる。

 クリーチャーを横並べにし、面の打点でライフを削っていく。
 現環境では《一時的封鎖》や《ギックスの命令》、《兄弟仲の終焉》などの全体除去が強いので、やや不遇。
 しかし、逆に言えば「そういうカード」を引かれなければ切り返すのはかなり難しいということですね。


『コントロール』

4マナの全体除去。
クリーチャー主体のデッキを泣かせろ。
相手の行動をいなし、相手の除去が切れたところで着地させて負けなくして空から殴って勝利。
このカードでなくとも、勝利手段の候補となるカードも数多く収録。

 盤面を捌き、相手の攻撃を受け流し、自分のビッグアクションで制圧する。
 全体リセットやヘイト系に長ける白に打消しの青を合わせるのがパイオニアで長年研究されているアゾリウスコントロールだが、
 もちろん、黒青や赤白なども有力だし、低速デッキなのでタップインも許容しやすく3色以上のコントロールも多い。
 その基本となりうるカードは多く採用されているように思われる。

『門』

通称メイズエンド。
門を並べた状態で特殊勝利が可能。
日本語名は《門の巨像》。
かつてスタンダードで活躍したカードが収録。

 ファウンデーションズで唐突に一式収録されたアーキタイプ。
 以前に活躍したときに比べてカードが足りていない感はあるが、上述の二枚はデッキの軸にできる。
 コントロール寄りで特殊勝利を狙う《迷路の終わり》と、ビートダウンの《門の巨像》はやはりかみ合わせが悪い。
 しかし、どちらもゲームを終わらせられるだけの性能があり、今後の収録次第では工夫の余地はあります。
 《スランの門》もあるので、ちょっと色々試してみたいですね。

『フラッシュ』

打消しやバウンスで凌ぐだけでサイズが上がっていく。
実は《塩水》と使用感がかなり近い。
呪文を連打することで軽減し、後半戦で一気に着地させる。
相手のブロッカーやアタッカーをいなし、打点を増やす。
出たときに相手のクリーチャー呪文やアーティファクト呪文を打ち消せる。
普通に瞬速でパワー5を出せるだけで脅威。

 相手の動きを妨害しつつ、自分は打点を用意する。
 ドローソースと妨害を合わせて引かないといけない難しさは有りますが、相手の動きを阻害しながら殴り続けられる独特な強さはある。
 今はキラーカードである相手ターンの動きを封じる《堂々たる撤廃者》がいるのでトップティアになったらその辺りが目の上のタンコブになりそうですな。

『果敢アグロ/スペルバーン』

横並びから一気にフィニッシュ。
トークンを出せるカードと合わせても良い。
自力でトークンを出せる新規カード。
単独で盤面を作れるため、使ってみたい。
《奇怪なドレイク》。
パイオニアで活躍する《弾けるドレイク》の原型。
墓地対策に弱いが、怒涛の破壊力を持つフィニッシャーになりうる。
日本語名は《どぶ潜み》。
呪文を唱えるほどに相手にダメージが飛んでいく。

 《僧院の速槍》や《精鋭射手団の目立ちたがり》と類似するビートカード。
 青も合わせることになるため、既存の赤単とは別種のものとなる。
 類似するカードを用いるが、クリーチャーへの依存度が異なるため、別種のデッキとなる。

『2枚目ドロー』

何もシナジーがなくとも飛行2マナ2打点は戦力。
2体トークンをだせば2マナ飛行4打点相当。
魅力はあるといえる。
ロマンはあるが、構築ではやはり遅すぎるか。
新しい基本となるブレイクスルー。
かなり使いやすい。

 構築戦ではアンコモンではあるが《神秘家》の方が強そう。
 基本的に『除去さえされなければ勝てる』カードなので、4マナは除去されて当然というマナ域でもあるので。
 フラッシュのように相手ターンにも2枚目ドローもできるので、組み合わせてデッキにしたい。


『黒単』

日本語名は《カラストリアの貴婦人》。
本人や仲間の吸血鬼が死亡するたびにマナをhらえればライフドレインが可能。
日本語名は《マラキールの門番》。
キッカーまで払うと実質黒のトリプルシンボルだが、
クリーチャーを展開しつつ、相手にはクリーチャーの生け贄を要求できる。

 単純に強いカードを組み合わせる黒単デッキ。
 《噴水港》のような汎用性の高い無色土地を使えなくなるものの、黒のポテンシャルが高いため、展開次第では構築級になりうる。


『メガハンデス』

手札破壊によってハンドリソースを取れる。
相手がハンデスで捨てたクリーチャーのコピーを展開できる。
《チビボネ》と並ぶ場合、《チビボネ》が追放するスタックでこのカードで先に追放すればコピーを出せる。

 二種八枚同じカードがあれば確率的に1ゲームで1~2枚引くことができるとされている。
 つまり、これらを積み込めば相手の手札を捨てれば捨てるだけ戦力にできる。
 今のスタンダードには《ヴェールのリリアナ》もあり、注目のカードたちだ。

《無限ドレイン》

相手がライフを失うたびにライフ回復。
自分がライフを得るたびに相手はライフを失う。

 2枚を組み合わせることで無限ライフドレインが可能。
 この2枚が揃った状態でどちらかが誘発すると、そのまま勝利できる。
 どちらも吸血鬼ということでそのシナジーも期待できる。
 今は《永劫の不屈》や《星景の僧侶》といった《破戒僧》と同じ動きをするカードが存在するため、再現性も中々高い。


《リアニメイト》

 このアーキタイプは、これ1枚で成立します
 スタン範囲で4マナ、マナ域やタイプに制限がない蘇生カードはかなり革新的。
 1~3ターン目に重量級のクリーチャーを墓地に落とし、4ターン目に吊り上げてゲームエンドを狙いましょう。
 

『プレゼント』


日本語名は《悪魔の契約》。
大いなる力を得られるが、最終的にゲームに敗北する。
《無害な申し出》。
相手にパーマネントを送り付ける。
これで能力を使い切った《契約》を送り付ける。

 契約死の寸前にプレゼントし、相手を連帯保証人にして破産させよう。
 印鑑は簡単に押しちゃダメだぞ!(※押してません)
 スタンダードには既に相手にカードを送り付ける《切望の隼》も存在。
 送り付けなくとも協約などで場から取り除くこともでき、研究余地は大いにある。


《無限倍増》

 この2枚が揃うとカウンターが尽きなくなる。
 戦闘では無限チャンプになるし、色々とコンボが繋がる。
 個人的には登場次点のスタン範囲では《ひきつる人形》の能力を《アガサの魂の大釜》で猫に付与してみたい。
 ちなみにプラスカウンターがないので無限にはならないし、そもそも戻ってくるのがエンド時なので1ターン中にループとかは無理。
 いやまあ、2/2の蜘蛛が10体くらい出れば勝つでしょ。


『緑単ストンピィ』

説明不要!
デカい生物を出して殴る!
シンプルに破壊力抜群。
余計なのとかいらんです。
ガルタカウント的には2マナ相当。
ここから3マナでパワーの高い生物を展開していく。

 シンプルに横並べして殴る。トランプルは回避能力です。
 緑単でなくとも赤や黒と合わせるのも良い。
 


 もちろん、アーキタイプとは呼べないものの、単独でデッキになりうるカードは豊富です。

 これもまだまだ一例のみ。デッキの軸になれるカードは豊富です。
 さあ! デッキを組んで五年遊ぼう。

当記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。
画像はMTG日本公式より引用しています。
ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。
題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。
©Wizards of the Coast LLC."

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