MTG小ネタ劇場 「ザルゴス湿原のモドリス」
皆さんこんにちは。
次弾はとうとう『イクサラン:失われし洞窟』!
イクサランは征服者たる吸血鬼、原住民のマーフォーク、財宝を狙う海賊、大自然の具現たる恐竜たちと、神秘とロマン、大冒険の待つ次元!
この前「エルドレインの森」が発売されたというのに月日が経つのは早い!
当記事はMTG日本公式より画像を引用しています。
さて、いきなりですが《骨の粉砕》というカードがあります。
『イクサラン関係なくない?』ですって?
確かに。しかし、今は忘れて読み進めてくださいませ。
黒によくある「軽量万能除去だが自分にも犠牲を強いる」タイプのカードですね。
このタイプの中ではベーシックなカードで、最近だと追放になったり、マナの支払いでもOKになったりと上位互換がちょこちょこ作られてますね。
リミテッドではトークンや、仕事の終わった低サイズクリーチャーを弾丸にして射出するお馴染みのカード。
カード性能だけでも小一時間語れる深いカードなのですが、今回の本題はそこじゃありません。
フレーバーテキストです。
グリクシスは赤青黒の名称として有名ですが、アラーラ次元の断片のひとつで、かつて一度分裂していたときの名称ですね。
骨が突き刺さっているのもグリクシスに生息するエイヴン(鳥人間)のようですし、その中のワンシーンなのでしょう。
で。
基本セット2020にて再録した際のフレーバーテキスト。
基本セットは特定の次元を舞台にすることはないのですが、イラストは同じくエイヴンが仕留められているシーンですね。
フレーバーだけ変更されるのはちょくちょくありますし、旧フレーバーではグリクシスの裂け目の集いの魔女が闇の魔術として骨を利用しているシーン。
こちらでは「ザルゴス湿原のモドリス」なる人物が骨を武器としているシーン。
解釈のひとつとして、「モドリスは裂け目の集いの魔女である」、つまり二枚のフレーバーは同一人物を指しているとしてもいいでしょう。
しかしながら。しかしながらである。
どれも基本セット2020収録のアンデッドを連想する黒のカードで「ザルゴス湿原のモドリス」なる人物がコメントしています。
普通に考えたら、「ザルゴス湿原」はアラーラ次元の地名であり、「モドリス」はそこで屍術などに長けた魔女と考えるのが自然です。
でもですね?
1枚、問題がありまして。
アラーラ次元に恐竜は存在しません。
というか、カード名に語られている『レギサウルス』とはイクサランの固有種の名称です。
はい。
ここにきて、「なんでこのタイミングでこのカードの話をするの?」って話の回収です。
筆者は最初、カード名から《朽ちゆくレギサウルス》をイクサラン次元のカードだと思っており、再録すれば面白いと思っていました。
筆者はリミテッドで相手の《朽ちゆくレギサウルス》に《平和な心》をくっつけて自分の手札を毎ターン捨てるだけマシーンにして勝ったことがあったり、思い出深いですね。
で、改めてカードテキストを読んでみたらザルゴス湿原なる聞き覚えのない名称があり、調べてみたら符合しないカードであることに気付いた次第。
じゃあM20収録だと思っていた再録版の《骨の粉砕》がイクサラン次元でのワンシーンだったとしましょう。
なるほど、それなら辻褄が……合わない。
今度は、イクサランにはエイヴンがいないんです。
イクサランの空中部族はハーピーや飛行機械に乗った海賊、あるいは翼竜です。
更に、そもそも、イクサラン次元にはゾンビは登場していません。
黒の主要部族は海賊と吸血鬼であり、該当カードはゼロ。
『あれこそがゾンビ』とまで強調されており、逆にゾンビを見たことがないイクサラン次元の誰かに説明しているようでもありますが……?
そもそも、他のカードには角がないのになぜか《朽ちゆくレギサウルス》には角が有る点も奇妙。ゾンビ化の影響でしょうか?
『ザルゴス湿原』がアラーラの地名だとするなら、レギザウルスが存在するのはおかしい。
『ザルゴス湿原』がイクサランの地名だとするなら、ゾンビもエイヴンもいるはずがない。
どちらにしても矛盾が生じます。
仮説は3つ。
1:イクサラン次元の特定地域ではゾンビもエイヴンも存在する。
そもそも、イクサランのシナリオは、ひとつの大陸を舞台としている。
他の大陸の存在も明示しており、吸血鬼たちはトレゾンという大陸から船に乗って来たことになっている。
吸血鬼たちは薄暮の軍団という教会と繋がりの強い騎士団であり、ゾンビを用いないというのも理に適っている。
または……まさか……地下に……?
2:レギサウルスがアラーラ次元の特定地域では存在する。
これは無理があるでしょう。
まずレギサウルスは固有名称で、アラーラ次元のレオニンをナカティルと呼ぶようなもの。
異なる次元で異なる固有名詞を、しかも角が生えている別の種族にも見える死骸に用いるのはカードゲームとして不自然です。
これは同じ土地で生きる同じ生き物だから同じ名称で呼んでいる、と考えるべきです。
更にアラーラはドラゴンやガルガンチュアンが跋扈しており、恐竜が共演できるなら共演していない方がおかしいし、これまでカード化されていないのは不自然すぎる。
3:モドリスはプレインズウォーカーである。
アラーラでエイヴンを殺害し、イクサランでレギサウルスをゾンビにした人物がプレインズウォークできるならなんの問題もない。
しかしながら灯争大戦において登場せず、ファイレクシアとの戦いによって灯の性質が変化したはずの世界で、新たなるプレインズウォーカーの登場……?
そもそも、プレインズウォークできる人物が『ザルゴス湿原』という地名を枕詞にするか?という疑問はあります。
2・3にはそれぞれ疑義があり、個人的な本命は1番。
次の『イクサラン:失われし洞窟』は地下世界の冒険となっています。
地下世界探索といえば、普通ならロストワールド的な地下に恐竜が生き残っていた的展開も王道ですが、
イクサラン次元には地上にも元から恐竜が生存していますし、それなら湿原のひとつが有ってもおかしくないでしょう。
フレーバーテキストだけで登場していた人物が間を置いて登場するのはMTGではよくあります。
他にも似たような例は多々あります。例えば。
様々なアイテムを販売する変なジジイ。
本人は年月を経てイニストラード再訪時にカード化されました。
イニストラードの『フレーバーの変な人』枠だったらラトスタインはしっかりとカード化。
そもそもイクサランの人物であるという確証もないものの、モドリスは続くことはできるのか。
果たして『ザルゴス湿原』の謎は解き明かされるのか?
『モドリス』はイクサランの地下空洞に潜んでいるのか?
既にイクサランの地下にはケツァルコアトルの翼をもつ天使たちが住んでいることが明かされており、ゾンビマスターたちはそれに敵対する闇の勢力だとでもいうのか?
もしや、地下に住まうレギサウルスたちには角が生えているというのだろうか?
謎の鍵を握る『イクサラン:失われし洞窟』は、2023年11月17日発売!
君も一緒に謎を解くために冒険に出よう!
当記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。
画像はMTG日本公式より引用しています。
ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。
題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。
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