スタン落ち雑感 2024(後編)
コレの後編となります。
今回は、神河:輝ける世界とニューカペナの街角の落ちるカード紹介、並びに、落ちたあとのスタンダード環境の考察となります。
『神河:輝ける世界』
今までストーリーで謎の登場人物として紹介されていた放浪者がその正体が明らかになったパック。
更に幼馴染でありパートナー格、カイトも大活躍しました。
忍者、そして忍術も主要部族と代表的メカニズムとして登場しました。
最も特徴的なシステムといえば、魂力、特に土地サイクルは格別な存在感がありました。
近未来的な世界観ということもあり、機体も多数収録。
アーティファクトやエンチャントのどちらも参照するカードも登場。
このカードに掛かれば、カワイイワンコもフィニッシャーに。
固有キーワードとしては改善も登場。
装備やカウンターが乗っていると改善されているということで、様々な処理のカードが横で繋がるのが個人的に好きなギミックでした。
忘れてはならないキーワードといえば、英雄譚。
先ほど紹介した《ミチコ》もそうですが、様々なカードが環境を席巻しました。
禁止といえば、こんなのもありました。招来サイクルより。
『ニューカペナの街角』
ファイレクシアとの決戦を前にし、緊張が最高潮に高まったパックですね。
決戦間近。
ヤクザのデーモンたちと、ファイレクシアに対する天使の真価が語られました。
そして、天使を狙う闇が迫ります。犠牲メカニズムを有するPWです。
そして、新たに表れたキーワードといえば、謀議も忘れてはなりません。
ルーティングしながらサイズアップという構造が強いため、傑作カードを複数生みました。
新規のキーワードとしては、奇襲も強かった。
ただ、実質的に構築戦で使われたのは、ほぼ1枚だけでしたが。
あまり活躍できなかったキーワードとしては、団結になってしまいますでしょうか。
久々に復活したキーワードとしては、秘匿があります。元々は一律4枚だったのが、秘匿Xの書式となり、数字によって見れる枚数が変わりましたね。
忘れちゃいけない、盾カウンターなんてのもありました。
他にももちろん多くの傑作カードが生み出されました。
終わってみると、ニューカペナやネオ神河はヒットカードのオンパレードだったように思います。
そんなカード群を失い、スタンダードはどうなるか? その辺りを雑感として語っていきたいと思います。
『スタンダード雑感』
結論から言うと、環境最初期から立ち位置を確保するのはディミーアミッド、そしてゴルガリミッドレンジだと思います。
『ゴルガリミッドレンジ』
緑の打撃力と、環境最強色である黒を合わせたリソース拡充と攻撃力を兼ね備えたグッドスタッフデッキ。
『ディミーアミッドレンジ』
同じく環境最強色である黒に、カウンターやドロー、空戦能力を付与したことで柔軟さと嫌らしさを兼ね備えたコントロール寄りのビートダウンデッキです。
どちらも共通して落ちるのは《墓地の侵入者》や《危難の道》などの対応するカード。
グッドスタッフ的なデッキのため、何が強化パーツになるかは不明瞭ですが、今回も有力なカードが複数見られています。
他にも白を軸にするオルゾフミッドレンジもありますが、ディミーアやゴルガリに比べ、かなり厳しいと思われます。
この2枚を失うため、グッドスタッフ寄りのオルゾフは大幅なパワーダウンを否めません。
全く別の方針を追求することになると思います。
新規戦力としては、以下のようなカードがあります。
様々なバリエーションのあるだけに、どのようなカードが選ばれるかはわからないが、既存のリストだけでも対応力と打撃力を兼ね備えた名デッキ。
亜流も含め、次環境でも無視できない存在となりそうだ。
続いて注目はこちら、『ボロス召集』。
『ボロス召集』
横並びから《遍歴の騎士》、《イモデーンの徴募兵》に繋いで殴り切る横並べ系ビートダウンです。
スタン落ちするのは、ほぼ《美食家》のみ。
対策カードとしては《祭典壊し》がスタン落ちするものの、範囲が微妙に異なる《地盤の危険》があるので、直接的には関係なさそう。
対策として環境に存在していた《危難の道》の枠に《蔓延》系の除去しか存在していないため、他のデッキからすれば苦しいかもしれない。
結局、《戦導者の号令》が並んでしまうと全体-2点修整では片付けきれない可能性が高い。
サイドボードの枠を裂く必要がある強豪デッキの一つであり続けるのは間違いないと思います。
弱体化がほぼないという意味では、毒アグロも注目ですね。
『毒アグロ』
白軸のビート型、緑や青の濃い《腐敗僧》型、併用型など亜流がかなり多いのはこの系統。
毒性系のカードの多くがファイレクシアン決戦中のエキスパンションが出身なので、全く落ちない。
半面、毒や増殖に付随するカードも限られたエキスパンションでしか収録されないこととなっているため、実質的に強化もされていない。
強いてあげるなら、青タッチ型のデッキだと相手の除去を避けつつ、複数の《腐敗僧》を誘発させられるカード。
コレがないなら緑の防御系カードの方が優先されるだろうし、青タッチ型が廃れるだろうか?
一応、相性はいいカードは多数あるものの、うーん、3マナ、3マナかぁ……。
スタン落ちする《歓迎する吸血鬼》の枠かなぁ……。
更に大幅な弱体化が予測されるのが《世界魂ランプ》ですね。
『世界魂ランプ』
墓地の土地を干渉する関係で、カペナフェッチサイクルが適したカードだっただけに厳しい。
《広漠なる変幻地》や《進化の未開地》、《脱出トンネル》があるので動き自体は近いものはできるが、
墓地からタップ状態で戦場に戻したとき、カペナフェッチだと自動で生け贄になって次のターンにマナを出せるものの、
《変幻地》系統だと、次のターンにアンタップして生け贄にし、デッキから出した土地のアンタップを待たないといけないので、1ターンのラグがある。
さすがに厳しい。
墓地肥やしとビッグマナという二種類の動きに完全一致しているリソース拡充手段がなくなるのも、かなり厳しいです。
これのために青をタッチしていたようなレベルですからね。
一応、《未開地》の上位互換が入るのですが、それでも4枚。
赤緑までは色が確定とはいえ、もしかしたら黒や白にシフトする可能性もあると思います。
続いては赤単。やや評価が難しいですね。
『赤単』
《敵対者》の枠は、そのまま《挑戦者》に置き換わると思われます。
ハツカネズミシナジーは強化と言って良いと思います。
半面、やはり《熊野》のスタン落ちは小さくないダウン。
《目立ちたがり》、《速槍》、《巨怪の怒り》といった既存カードが張力力なため、環境トップ候補の一角ではあり続けると思います。
以下、壊滅レベルで打撃を受けるデッキが複数あります。
『アゾリウスコントロール』
パイオニアのアゾコンでも使われているパワーカードたち。
ブルームバロウはビートダウン系のカードが多く、コントロール寄りのカードが少ないのもあり、かなり苦境に立たされると思われます。
『版図』
土地タイプを参照して《力戦の束縛》や《群れの渡り》を強く使うデッキです。
それらのカードは落ちないものの、単独で版図カウントを3種類稼げるトライランドが落ちます。
更に、《踏み歩くもの》の重要性は、採用度が高いトライランドが緑を捻出できるカードに重点を置かれているところからしても明らかです。
《踏み歩くもの》は足りてない土地タイプを補充するだけでなく、《ゼンディカーの侵攻》と合わせると、相互に弱点を補い、ビートプランも可能とするグッドカードです。
土地タイプ二つなら諜報ランドを用いることになるとは思いますが、3つもつトライランドに比べると後退だと思われます。
『エスパーミッドレンジ(レジェンズ)』
エスパーという色を定義するパワーカード。
伝説軸にするとレジェンズ、グッドスタッフ寄りにするとミッドレンジとなります。
明確な境界はありませんが、そのどちらでも利用されていたもう1枚の軸が、《デニック》です。
《ラフィーン》との相性が極めて強い。
謀議でサイズを増せば絆魂でライフゲインが可能ですし、ダブつけば謀議で捨てても良いですし、降霊で再利用もできます。
ミッドレンジなら《婚礼の発表》や《放浪皇》を、レジェンズなら《エーデリン》も追加で失います。
ここまで来ると、エスパーカラーという必然性がなくなっている。
『どうなる墓地対策』
さてさて。
デッキを選ばず、多くのサイドデッキに採用、並びに候補になっていたカードがあります。
それが《未認可霊柩車》です。
墓地利用を叩きつつ、本体のサイズが上がっていく。
対コントロール性能も高く、サイド後に墓地を抜きながらフィニッシャーとなることも多かったです。
『白』
まず、白に関してはほぼ心配ないですね。
完全な墓地対策としてなら《安らかなる眠り》、打撃要員を出しながらついでにしたいなら《側衛》と、ほぼハイエンドなカードが揃っています。
《未認可霊柩車》が現役である現在でも対抗馬になりえていますし、問題ないでしょう。
『緑』
新規カードでは間違いなく注目はこのカードでしょう。
往年の名カード、《漁る軟泥》に近い挙動をします。
本人が緑シンボルが濃すぎるのは欠点ですが、アーティファクトクリーチャーなど、複数のカードタイプを持つカードを追放すれば、トータル5マナ7/7トランプルのような挙動もできますからね。
『黒』
『無色』
赤や青がかなり苦労しそうなのがこの枠。
そもそも、墓地利用デッキはどの程度発生するのか?
新規カードの中ではリスの給餌があるが……?
今回も新環境から目が離せない! みんなもやろう! スタンダード!
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