作者がママチャリで日本一周して三回死にかけた話。(EP18 愛媛)
【二〇一七年 九月二十日】
汗がガッツリ溜まっていたので走っていくものの、定期的にやってくる旅を盛り上げる担当である笑いの神がまた仕事をしました。
チャリを漕ぎながら5キロほど漕いで別のお風呂さんを使わせていただきました。
温泉も良かったし、うどんも美味しかった!
ここも文句なしだったんですが、 さっきの定休日だった風呂屋さん、コインランドリーが近かったんですよ。
ちょうど着替えが弾切れになってしまったし、雨の中で着替えなしは命にか関わるので、これから5キロ戻って洗濯。
そんなこんなで走っていると、またタイヤのスポーク折れました。そろそろ寿命だと思いながら、道を引き返して最寄りの自転車屋さんへ。
今日は後戻りが多い日だと思いつつ、近くの自転車屋さんに担ぎこむと、すぐに修理をしてくださいました。
しかも修理費もお安いし、それどころか最初の折れた段階で道を間違っていたことが判明。進んでいたときより良かったかも。
二ノ宮自転車の皆さま、その節は本当にお世話になりました。
こういうとき、ちょっと神様か、はたまた相棒のチャリが道を教えてくれたと思いたくなるよね。
歩いていると、トンネルに差し掛かる。
危ないから反射タスキを付けてねってことらしい。トンネルを出たところで返却するらしいです。
こういう管理と安全設備を運営してくれている皆様、ありがとうございます。
マジで人の善意で助けられながら生きてます。
道の駅まで微妙なので、遍路の休憩小屋が有ったので、このまま利用させてもらう。野宿。
備え付けの汲み取りトイレは汚いけど、普通に使える。
使わせてもらうのでちょっと掃除をする。
水道が無いからちょっとしか出来んけどね。
あと、お遍路ノートには、俺には読めないが、英語やハングルでメッセージが書いてあった。思いを残そうと言う気持ちが既に嬉しい。
北海道のライダーハウスでは日本語がほとんどだったし、 遍路のグローバルさを感じた。
ただ、そんな中には『遍路を日本人だけでやって世界遺産に。朝鮮人は来るな』という意見が散見された。
そう思うのはそれはそれで仕方ないけど、それなら世界遺産は諦めて欲しい。
世界全体で共有する世界遺産に入れたいのに、外国から来る友人になれるかもしれない人を排斥するのは、違和感がある。
遍路の中に、「人種と個人は違う」という当たり前のことがわからないヤツが居る間は世界遺産は無理だと思う。
それも含めて、世界の縮図のように思えた。
思想の違いが表面化しているし、それと向き合うのも修行なのかと思う今日この頃。
筆者には朝鮮人の友人はいないが、韓国・朝鮮から帰化した野球選手のファンだし、彼らを罵倒するような意見は率直に不愉快だった。
九州で買っておいた最後の棒ラーメンを食べつつ、そんなこんなで夜は更ける。
残されたノートに目を通し、電気も水道もない遍路小屋で一夜。
ペットボトルに入れておいた水道水がただ上手くありがたく、ランタンの灯りが一番の光源。
【二〇一七年 九月二一日】
起きてからルートを確認すると昨日の段階で道を間違ってた、というか、曲がるところ見逃してた気がする。
逆順で遍路ルートを進んでるからガイドが少ない。
遍路小屋で休んで正解だったらしい。何十キロか無駄にするとこだった……あれ? いや、昨日のルートで正しいのか?
グダグダになりつつ、林道にお遍路マークがなく、悩みながら進む。
道は地図でわかるし、現在地はわかる。
けど、行けるルートがふたつ有って、地図上で最短に見えるルートに居るけど、こっちは遍路ガイドのマークが無い。
使ってる地図がバイク旅用のロードマップなので、推奨ルートとかが合致しない。
逆順かつ下調べがないので、ルート設定が自己責任。 楽しすぎる。
改めて、僕は道に迷うことが趣味なんだと再認識する。
迷わないと見えないものがあると迷わないとわからない。
そんなこんなでウロウロしながら、なんとか次の寺に到着。
こんな日もある。
山道を走り、次の寺を目指します。
そんなこんなで走り、到着です。
次の寺に出発。
次の寺に到着すると、グラビアアイドルに遭遇。
撮影を終えて、次なる寺へ。
その途中で素敵な自販機を発見!
ちょっと大きな道に出て、昼飯を選びます。
そのまま次の道の駅まで走り、東屋のようなバス停留所のある道の駅に到着。
雨もしのげそうだし、使わせていただこうと思う。
愛媛は宮崎じゃないけど、ヨーグルッペと冷や汁とちゃんぽんとかがメニューにある。
ツイートすると、フェリーが通じているからではないかとフォロワーさんから意見をいただく。なるほどね?
陸路だと遠い気がしてましたが、海路だと近場なんですな。
そんなこんなで休もうとするが、夜。
自販機の影で狭く眠ろうとする旅人を発見。
( 8Д4)「あー……もしもし? ここより向こうに足を伸ばせるところ、ありましたよ?」
( カДナ)「〇✕△?」
外人さんだ。
ヤバイ。何語? コレ?
中卒にはハードルの高い状況だが、それでも気にせずコミュニケーションを試みる。
( 8Д4)「あー、えー、ココで寝ても良いけど、アッチだと、足、レッグを、びょーん、伸ばして、寝れる、カマン?」
( カДナ)「????」
身振り手振りを交え、意図を伝えた。
どうにも彼はカナダからやってきた徒歩の旅人らしい。
( 8Д4)「カナダだったら兄弟が旅行で行ったことありますよ、ナイアガラ見たって言ってた」
( カДナ)「ナイアガラ……OH! ナイアガラ!(ネイティブ発音)」
その兄弟のカナダ土産のキーホルダーを持ち歩いていたので、それを見せて良い国なんでしょうなと思いながら会話する。
そして昼間に買った百円ミカンを一緒に食べてから、小雨の降る中、夜は更けていきました。
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