
霊気走破のアンコモンに注目カードが多いと僕の中で話題になったので分析。
皆さんこんにちは。84gです。
霊気走破の発売が迫りましたが、まあ絶妙に塩パックの気配がしておりますね。
レア以上のカードに「下環境で活躍間違いナシ」とか「雑に採用できるパワーカード」が少ないんですよね。

4枚入るわけではないし、使われても1枚とか。
可能性があるとすれば……。

近年の傾向では、複数のデッキで4投されるカードが何種類もないと塩扱いされることが多いですね。
とはいえ、待望の境界ランドもあるし、そこそこ剥かれそうには思います。

パイオニアくらいまではガンガン使われているのでパック代を担保するアタリ。
サイクルで5種勘定できる。
レア以上のカード群がやや見劣る感触があるなら弱いパックかというとそんなことはなくて。
今回はアンコモンに強力カードが多く見受けられます。
むしろ、これは新しいバランスの試作なのではないかとも考えられますね。
アンコモンに構築にプレイアブルなカードを増やすことで、レアがパッとしなくとも、いわば“小アタリ”の枠を厚くし、パック開封の楽しみを増す試みなのではないかな、と。
まあ、レア以上にももちろん強力なカードも多いですし、筆者が全く気付いていないルートも見つけ出されるでしょう。
未知はこのカードゲームの最大の娯楽なわけですが、まずは筆者の既知の部分。注目のアンコモンの紹介を行きます。
《栄光荒野のオオヤマネコ》

基本スタッツが偉い。2マナ2/3の絆魂。
隆盛する赤系デッキやテンポ系デッキへの回答になりますし、土地サーチ能力から、先攻初手土地が2枚という『マリガンかなー、どうしようかなぁ』というラインでもキープしやすくなります。
部族が猫というのも注目で、今回で登場する《未来の優勝者、バスリ》ともシナジーがありますし、注目したいです。

土地を担保しつつ3/4絆魂が殴っていける。
《入れ子ボット》

よくある『1/1の死亡時に1/1が残る』タイプ。
このカードの最大の利点は、本体とトークンがどっちもアーティファクトクリーチャーとしてタイプが共通していること。
『アーティファクトが出るたび』の誘発、協約なども組み合わせやすい。
《記録の守護者》

悪名とストーム値が高すぎるキーワード、親和が再録。
4つアーティファクトが並べば1マナ3/4で展開できる。
地図トークンや宝物でもいいとはいえ、スタンやリミテではそこまで上手く行かないだろうが、下環境だとゼロマナファクトやアーティファクト土地が多数あったりするので、一気に軽くなる。
スタンやリミテではそこまで強くないだろうが、周辺カードが強くなる下環境ではかなり期待できるカードではないだろうか。
《略奪するアオザメ》&《たかり空エイ》


かなりハイエンドだし、序盤に接地すれば気付いたら手を付けられないサイズに育てられる。
このカードたちが何より優れているのは、『二種八枚あること』。
サイクリングがあるので後引きしたら他のカードに交換できるとはいえ、とにかく序盤に着地させたいわけですが、4枚だけではなかなか引けない。
それをまとめて二種類入ることでスタンダードやリミテッドでも組みやすくなっている。
部族も海賊で統一されていて、サンダージャンクションで登場した無法者ギミックも使用可能。
多様なフォーマットで研究の余地がありそうだ。
《運送の魔導士》

大同小異でサーチする対象のマナ域が変わる《組石の魔導士》たちがいる。
それらは『1マナ限定』・『2マナ限定』・『3マナ限定』・『6以上』だったので、『4~5マナ』のこのカードが加わることでメガサイクルが完成した形。
他のカードたちもEDHなどで採用実績は充分だが、スタンやリミテッド目線ではギアハルクサイクルをサーチできることが長所と言えるでしょうな。
マナカーブに沿って《油侵の機械巨人》を出したり、青白の《激浪の機械巨人》にもつながります。

他の4コストアーティファクトと選択してサーチできるのは強い。
《ガスタルの略奪者》

ETBでハンデスができる。基本的な性能は《罪の収集者》にかなり近い。

新人は単色になり最高速度ギミックがあるのでどちらが上とかはない。
直近のカードでは比較対象は《思考忍びの邪術師》だろう。

相手の手札にインスタントやソーサリーがなくとも腐らないのが《思考忍び》の長所だが、ダメージを与えていなくてもピーピングハンデスできるのはやはりメリット。
《大洞窟のコウモリ》と比べても本人が死亡しても返さなくていいなど、後腐れがない。
対コントロール用のサイドカードとして検討できるように思いますね。
《勝利の刻》

新たなアモンケット次元を象徴している。
性能的には《謎の骸骨の事件》が挙げられる。

初期設置は先代の方が軽いんだけど、何かでスケルトントークンを消さないといけないし、解明状態になるのに微妙にタイムラグがある。
他のカードで最高速度へ達するカードを採用できるなら、十分可能性があるように思う。
スタンダード範囲でのブロール、カジュアルEDHで試したいね。
《脅迫戦術》

《抜去》の上位互換で《油と鋼の夢》のマイナーチェンジ。
追放できるので、パルヘリオンシュートやイゼットフェニックスのように『墓地から戻ってくる』相手にも対抗できる。
ただし、元々こういうデザインってサイドインするならクリーチャー除去を増やされがちなので、あまり使われない。
アーティファクト対策なら偉大な先達である《強迫》があるし、クリーチャー対策なら単一除去を増やした方が受けが広い。
15枚しかないのサイド枠なので、複数の相手を見られるカードの方が優先されやすいわけだね。
そもそも使うからこそサイドインしてるのであってサイクリングはそこまで重要視されない気はする。
もちろん相手の手札が尽きた消耗戦とかでは使うだろうけど、3マナ払ってサイクリングはかなり末期だしね。
大活躍というわけではないだろうけど、間違いなく構築級だ。
《勢い挫き》

機体も始末できるようになった布告。まあ『生物を除去したいのに機体が弾除けになる』っていう状況もありそうだけど、まあ一長一短かな。

相手が生物を使わなくても最低限のハンデスとして運用できる。
速度に関しては最高で2マナ4点回復が付いてくるので、体感的には食物トークンみたいなもんかな。
一番の特徴は本体が戦場に残ることですね。


《税血の刃》と同じく何らかの手段で回収して再利用もできます。
もちろん、協約コストや《腐敗口のバイパー》のマナコスト代わりでも良いでしょう。
同型カードが二種八枚になりましたが、さすがに2マナの布告除去を8枚は入れないと思うので、構築思想に合わせて選択、あるいは併用すると良いですね。
《火に油》


吸血鬼に効かなかったり海賊に効かなかったりする同型カードが結構ある。
基本的にはタフネス2を焼きたいなら《紅蓮地獄》があるので、インスタント使用に重きを置きたい場合のカードになりそうだ。
元から構築実績のあるカードのマイナーチェンジなので、サイドに1~2枚取ることはありそう。
サイクリングもないより有った方が良いし、赤を使う予定のある人は何枚か抑えて損なしだ。
《グリスレンチのゴブリン》

いわゆる『令和のクリーチャー』ってヤツ。
近年のインフレによって赤でも1マナ2/1デメリットナシをアンコモンで取れるようになった。
もちろんアグロ向けだし、能力もダブついた土地を片付けることができるし、相手の1/1に強く出られる程度だが結構強そう。
部族もプッシュされているゴブリンだし、構築水準のカードに思える。
《路上の暴走》

顔面に飛ばないタイプの軽量火力。
最低限2点なので、軽量除去としてはそこそこ。デッキ内に機体や乗騎が入っていれば1マナ4点程度まで視野に入る。
該当カードを展開してから余ったマナで打てる軽さなので、大ヒットカードである《塔の点火》と比較できるカードだと思われる。
《乗り手を守れ》

採用実績のある《顕在的防御》や《タミヨウの保管》の亜種。
トークン生成モードがあるので、疑似的に『瞬速を持つ1マナ1/1』のようにも運用できるのも魅力的だ。
このタイプのカードは重ねて引くとなにもしないのだが、最低限の打点が稼げるというわけ。
そして二つの能力の相互作用として、呪禁・破壊不能の天敵である布告系に対して耐性がある。

また+1に合わせて使えば他に手札がなければ消耗ナシでリリアナを殴る頭数を用意できる。
もちろん、『一番パワーが高いカードを生け贄にする』とか『一番マナコストのデカイやつを生け贄にする』とかだとダメだけどね。
サイドボードに用意してやってみたいね。
《浚渫機の洞察》

《サテュロスの道探し》に代表される緑の『墓地を肥やしながらカードを探せる』カード。
いわゆる1枚使って1枚補充するので手札の質を高められるが、テンポ損が出るタイプ。
このカードにはライフゲインが付いており、自身の効果で1点回復が実質付いてくる。
ちなみに相手の《虚空の力線》がある場合は回収はできるが、ゲインはできないはず。
領域が変わっても『切削したカード』であることは変わりないので効果で追跡することができるのだ。

こっちは《虚空の力線》で妨害されると回収できない。
微妙な書き方の違いである。
まー、性質上、墓地対策に弱いのはしょうがない。
緑なので置物破壊は得意なので、サイド後はそれはそれで頑張ろう。

《ガスタルのスリル探し》

もしもエンジン始動ギミックが構築級ならば、このカードはかなり強い。
着地した瞬間に速度1になり、自身の能力で速度2にできる。
部族もトカゲなので専用デッキでの採用を検討できる。

全般的に低くないパフォーマンスがあるのだが、致命的なことがふたつ。
まず、最高速度ギミックそのものが、そこまで強くないのではないかという疑惑。
(条件を満たしてもそこまで強力なカードがあまり多くない、速度を上げそびれるとずっと上げられない、テンポよく挙げられても真骨頂を発揮するのが5ターン目前後になりやすい)
そして、狂戦士は無法者ではないので《ジャスパー・フリント》とシナジーがない。

ポテンシャルはかなり魅力的なんだが、細かいアヤが付いているタイプ。
《探し求める空蛇》

まず2マナ1/1飛行接死なので、相手のフィニッシャー級カードと相打ちを計算できる。
《精鋭射手団の目立ちたがり》相手にも睨みを利かせられるというわけ。
そして能力がちゃんと強い。
このタイプは基本土地をサーチしがちなのでデッキに一定数の基本土地を入れないといけないんだけど、このカードは特殊地形も出せる。選べないけどね。
更にコレを起動できるということは既に4マナが出せたということ。
更に追加で2マナが出せるということは次のターンに同名カードを出せばそっちの消尽までを起動できる。
飛行接死というスタッツがアグロ相手の回答になりつつ、重ね引きしても腐りにくいし、能力にタップがないのでタイムラグもなく、防御の隙も生じにくい。
欠点らしい欠点がなく、良くまとまっている1枚。
《帰還航路》

ぶっ壊れ感が満載の新和リターンズ。
3ドローに3点回復なので、5マナ相応のアクションかな。
5ターン目までに2個のアーティファクトを並べることは難しくないし、下環境ではもちろんもっと簡単だ。


既存カードに似通ったものは存在し、それらも活躍している。
《帰還航路》が勝っているのはライフゲインとドロー枚数ではあるが、軽減できない白シンボル分があるのでどれだけ並べても1マナ分が率直に重くなっている形、順当という気もする。
《物読み》や《監視者》はパイオニア以上では使えないカードたちなので、パイオニア範囲でどこまで進化が見られるか、楽しみなカード。
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