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『両面カード』の『裏面』ってどこよ?

 皆さんこんにちは。
 今日も今日とて勝った試合は俺の実力、負けた試合は引きが悪かったと言う系プレイヤー、84gです。
 勝利と敗北は表裏一体、ということで、今回は裏面の話です。

 最近登場したカードに、こういうのがあります。

 クリーチャー1体を裏返して2/2にします。
 能力も失われてしまうので統率者とかで試されているカードですね。
 じゃあ、こういうカードに撃ったらどうなるんだ?
 

 つまり、表面はクリーチャーだけど、裏面はプレインズウォーカー。
 裏返しちゃったらPWになってしまうので、え、それなら2/2のサイバーマンであり、PWになっちゃうってこと……?
 ん? は? 意味わからんなコレ。

 結論を言うと「そもそも裏向きにできない」です。
 イメージでいうと破壊不能のパーマネントにダメージを与えるような感覚です。
 「適正ではあるが、何も起こらない」。
 戦場の両面カードは「裏向きにはできない」というルールがあります。
 (他の領域から裏向きで戦場に出すことはできる)
 ……ん? あれ? でもさ?

 このカードは自身も両面カードの狼男で、『戦場の狼男を変身させる』能力がある。
 さっき『両面カードは裏向きにできない』って言ったけど、これはできるの?
 ……。
 ………。
 …………。

 今回はこの辺り、両面カードと裏向きについて書いていこうと思います。


・『そもそも裏面って何よ』


 僕も絶賛勘違いしていたキーワード、それが『第1面・第2面』、『表面・裏面』、『表向き・裏向き』。
 これ、3つとも同じような意味合いに見えますが別の用語です。

 『A』:第1面・第2面
 これは両面カードにのみ用いる呼称です。
 戦場以外で見えている面、ヴァルキー・ティボルトでいうとヴァルキー側が第1面。
 実際にカードでプレイするとスリーブで見えなくなっている面、ヴァルキー・ティボルトでいうとティボルト側が第2面です。

 『B』:表面・裏面
 これはカードの物理的な呼称です。
 イラストやらが描いてあるのが表面、ロゴやカラーホイールが書いてある見慣れた背表紙、あれが裏面。
 言うなれば、両面カードは両方が表面のカード、っていうことですね。

 『C』:表向き・裏向き
 これは位相のひとつです。
 タップ・アンタップ、フェイズイン・フェイズアウトなんかと同じようにそのカードの状態です。
 両面カードは第1面、第2面はどちらも表向きです。
 位相という以上、全てのカードに用いる呼称であり、なんらかの効果で裏向きで戦場に出したりする場合に用います。 
 
 なんとなくでわかりましたね?
 つまり《トヴォラー》は『第1面と第2面を持つカードを変身という処理でひっくり返す』という効果。
 つまり、『A』に該当します。

 それに対し、《サイバーへの変換》は裏向きにする、という処理です。
 これは『C』に該当する効果であり、実際のプレイとして『B』を利用して区別しているだけです。
 で、カードの効果として『C』の処理に付随して『B』を行うので、
 第1面・第2面を持っているカードは裏面を持っておらずできない、ということで利かないというだけです。
 ちなみに、《サイバーへの変換》で裏返ったクリーチャーがなんらかの効果で人間のクリーチャータイプを得たとしても、それは《トヴォラー》で表には戻せません
 変身とは『A』に該当するカードにのみ起こる現象であり、『C』で区別されいてるカードとは全く関係のない処理です。

 で、説明は以上なんですが、ちょっとした例外が無数にあるんだなコレが。
 例えば、両面クリーチャーは戦場では裏向きにできないものの、戦場以外、例えば、こんなカード。
 

『予示』という特殊な処理。
デッキトップから裏向きでカードを出し、クリーチャーにします。

 予示は裏向きでカードを置き、インスタントだろうとバトルだろうと土地だろうと、クリーチャーとして戦場に出します。
 仮にそのカードがヴァルキー・ティボルトだったとしても、問題なく裏向きで出せます。
 カードとしては裏面がないように見えますが、実際のプレイでは不透明スリーブに入れたり、差し替えカードをデッキに入れているはず。
 デッキでは他のカードと区別できない状態でプレイするのが一般的です。

 カードとしては存在しないはずの裏面で戦場に出る、というのも奇妙ですが、ルール上はそうせざるをえない状態です。
 そもそも、これができないとすると予示しようとしたときにそのカードが両面カードではないことを証明しないといけなくなる。
 終わってから誤って予示してしまっていた場合など、悪意のないミスだったとしてもそれでジャッジを呼ぶことになっても何も面白くない。
 正体不明のカードをプレイするという特性上、公開なんてできないし、そもそも『裏面だったら予示できない』なんてルールにしたら構築上の不都合もある。
 なので、戦場では両面カードは裏向きにできないが、他の領域から裏向きで戦場に出せる、という裁定も妥当性があるように思っています。

 というわけで。
 MTGは多くのプレイ体験のために様々なカードがあり、それぞれが干渉しあいます。
 両面カードであるということは、《サイバーの変換》のような裏返す除去に対する耐性になるうる、という奇妙な現象が起きたりします。
 複雑に進化を続けるMTG、間違いながらでも勉強していけるのも楽しみだと思っておりますー。


当記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。
画像はMTG日本公式より引用しています。
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