乃木坂が持つ狂気を考える

乃木坂のパフォーマンスにおいて、「狂気」が重要な要素になっていると思っています。
伊藤万理華、久保史緒里が分かりやすい。
その中でも特に顕著なのは3.4期ライブの日常での久保史緒里。
直前のダンスブロックでの冷徹そのものな目は温度を感じさせない。
北野日奈子の魂を真っ赤に燃やす日常とは真逆に見えました。
乃木坂工事中での設楽さんの言葉を借りると、その冷徹そのものに見えた青い炎は、赤く燃える炎より温度が高い。
大サビ前、挑発的に笑みを浮かべた久保の表情は、当時伊藤衆人もTwitterで絶賛していました。
この時の青く燃える炎は、オリジナルセンターの北野日奈子にも大きな影響を与えました。
誰がセンターに立つ日常にもフラットな目線で見ていた北野は、久保がセンターの日常を見た時、初めて嫉妬したとのちに語っています。
久保史緒里が日常に与えた影響は計り知れない。
振り付けも微妙に変化しているし、今や大サビ前は誰がセンターになっても笑うようになりました。
あの狂気的な凄みを持つ笑みにはそれくらいの魔力があった。
日常という楽曲を狂わせたと言っても過言ではない。

ではこの狂気はどこに由来するのか。
これはあくまで僕の予想ではありますが、やはりアンダーではないかと思っています。
選ばれなかったこと、傷ついたこと。
アンダーだからこそ生まれる狂気。
嫉妬であり、反骨精神。弱いからこそ生まれる強さが狂気としてパフォーマンスに現れるのではないか。

この狂気と逆位置にあるのが世界一のダイヤモンドだと思っています。
アンダーになっても、傷がつかない。
ダイヤモンドのモース硬度は地球上で最高の10で、最も傷がつきにくい鉱石です。
歌詞の中、泥だらけの未来とありますが、泥の中には細かな石があり、泥で汚れるだけではなく傷がつく可能性もある。
ただ、ダイヤモンドなら傷付かない。

琥珀という宝石があります。
石というか、元は大昔の樹液とかなんですが、ほとんどの宝石は傷が付くと価値が下がりますが、琥珀は内部にできた傷によって輝きを増すことがある。
その傷を「サンスパングル」と呼び、直訳で太陽のきらめき。
傷があっても、それを糧により輝けるところにアンダーぽさを感じて、少しだけ重ねました。

ちなみに琥珀はその色合いからも太陽の石と呼ばれることがありますが、ダイヤモンドもその輝きを太陽に例えることがあります。
富士山の山頂に太陽が重なることを、「ダイヤモンド富士」と言ったりしますよね。

ただ、ここまで書いた内容を一気にひっくり返すんですが、遠藤さくらってアンダーを経験していない、メンタルフィジカル共に強靭で傷も付かないイメージがあるんですが、パフォーマンスに狂気を感じることがある。
monopolyでも、背景の色鮮やかさや、共にWセンターの賀喜の屈託のない笑顔との対比もあって、どこか含みのある笑顔でした。鮮やかさも毒々しさに感じるような。
歌詞における「僕」から「君」への想いも、身勝手な嫉妬が含まれていて、ただの恋愛の曲ではない。

個人的に、狂気を感じるパフォーマンスが好きなので、今後もそれを魅せてくれるメンバーの登場を期待します。

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