僕が手を叩く方へ三段活用について考える

僕が手を叩く方へという曲には二つの意味があると思っていました。
3期生から後輩に向けて、というのと、
先輩から3期生に向けて。
そこに今年の神宮で新たな意味が加わりました。
すなわち、現役の3〜5期からこれから入ってくる6期に向けて。
まあ広義的には3期から後輩に向けてと近いんですが、3期からと、3〜5期からでは結構ニュアンスが違うんです。
4.5期がいることでより明るくなるんですよね。
あとは3期からと言いつつ、基本は久保からなんで。
時系列で言うと、人は夢を二度見る前か後かでかなり意味が変わるんです。
じゃあ改めて考察していきましょう。

まず一番シンプルなワンハーフバージョンから。
最初に書いたように、これは3期生から後輩に向けてのメッセージ。
「光」を失った夜で、不安と「絶望」に暗くなってしまうという暗いAメロに対し、ポジティブになっていくBメロで、「風」の中で感じるだろうと出てくる。
それぞれ4番目の光、絶望の一秒前、三番目の風から。
後輩を励まし、応援する曲なのでそういう構成。
で、先に歩いている3期が後輩に向けて手を叩くという内容です。
オーケストラバージョンも概ね同じ。
今年の神宮では全員で歌うことでこれから入ってくる6期生に向けて歌われているように感じました。
「ここ」を乃木坂と考えるとぴったりですね。

でもやっぱりこの曲はフルバージョンが一番いい。
手を叩いているのが3期生ではないというパターンというか、そういう考え方でみていきましょう。
つまり久保史緒里に向けて、手を叩きながら「君は一人じゃない」と伝える歌。
不穏な感じのするピアノのイントロからめちゃめちゃネガティブなAメロ。
久保史緒里の元に仲間が集っていくBメロ。そして希望を感じられるサビ。
かと思いきや2番のAメロはいきなりネガティブで、その後のギターソロもソロダンスも、さっきまでの「君は一人じゃない 頑張れ」と繋がらないんです。
さらに振り付けもまた良くて、ライブでの久保ソロダンスの時、他の3期生が久保を隠すようにしているんです。
苦しむ久保とそれを周りから見えないようにして守る3期生。
そもそも客前で披露されたのは3期生ライブ一回だけなので、やっぱり久保のソロダンスを見せないようにしたいのかなと。
「君は一人じゃない 頑張れ」というのが、久保に向けられてのメッセージやとしたら、手を叩いているのは誰か。
これが乃木坂の卒業生と考えると非常にしっくりくるんです。

これも結局チャンスは平等の歌詞考察で触れた内容にはなるんですが、乃木坂はグループを卒業しても個人として、元乃木坂として、乃木坂を作り続ける集団です。

今となっては卒業生がほとんどになってしまった楽曲で、僕が手を叩く方へに近い歌詞があります。
それがSingOut!です。
「Crap your hands」「僕たちはここだ」「ひとりぼっちじゃないんだよ」など。
これが今、乃木坂を卒業して、久保が歩く道の先にいる卒業生から、その愛ゆえに多くのものを抱え込んで悩み苦しんでしまう久保に向けてのエールなんじゃあないかと思うんです。
乃木坂の歌詞は時代とともに意味が変わってくる。
かつては久保も参加して、卒業したOGに向けて「僕たちはここだ」と歌っていたけれど、今は思い悩む3期生に向けてに変わっていったと思ってます。

山下美月の卒業曲、チャンスは平等でもSingOutを思わせる歌詞があるので、それについてはこちらを。


久保史緒里や山下美月の物語がこれらの曲で大きく動いて、今回のツアーで大団円を迎えたわけですが、その状況で披露されたオーケストラバージョンの意味はやっぱり変わってくるんですよ。
大団円である以上、苦しみからは解放されているべきというか。
ここでまた苦しむ久保史緒里を見せても仕方ないし、悩む4期5期を見せるのも違う。
だからオーケストラでは希望を感じさせるアレンジで、Bメロも久保のソロパートはなく、今の乃木坂全体で、これから入ってくる6期生を迎え入れるような歌にしたのかなと思っています。

今後の話として、いつか久保史緒里が卒業するとなった時、卒業コンサートをすることになった時、どこかで僕が手を叩く方へを披露すると思うんです。
その時にどのように久保史緒里はこの曲を表現するのか、非常に楽しみです。

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