遠回りしながらどこに帰っているかを考える

帰り道は遠回りしたくなるの歌詞を考察します。
今更?という感じですが、最新曲全部考察しちゃったから仕方ない。
新たなネタが出てくるまで、乃木坂第一部歌詞考察やっていく予定です。

この曲は乃木坂第一部におけるヒロイン西野七瀬の卒業センター曲ということで、卒業メンバーへの当て書きとなっています。
あえて「西野七瀬への」と書かなかったのは、同時期に卒業した他のメンバーにも当てはまるからです。
乃木坂の卒業センター曲は他のメンバーにも当てはまるようになっています。
世代交代して時代が移り変わっても歌い継げるようになっている。
ハルジオンも深川麻衣当て書きやけど、乃木坂はみんな底抜けに優しいから大丈夫なんです。

さて、もしも僕のnoteを全記事読んで共感、納得してくださってこの記事に辿り着いた方がいるなら、きっと気に入ってもらえるはず。
それくらいこの歌詞、凄まじいです。

好きだったこの場所

この場所=乃木坂。
これは当然の話。でもこれを覚えといてください。

やめられない漫画を途中で閉じて
顔を上げて気づくように
居心地いい日向もいつの間にか
影になって黄昏る

漫画は今回センターの西野に合わせて、ということとして、「居心地いい日向も」「黄昏る」というのが良い。
メンバーの卒業は日没に例えられます。
それはつまり、メンバーにとっての日没=卒業のタイミングということ。

君と会って
過ぎる時間忘れるくらい夢中で話した
僕の夢は
ここではないどこかへ

この曲における「僕」は卒業するメンバー。「君」は残されるメンバー、というかグループとしての乃木坂ということかと思います。
乃木坂として活動した期間は、この場所を離れることを忘れるくらい楽しい時間だった。
でもそんな楽しい時間の途中で、日が沈み始めたことに気づいて、ここではないどこかへ行こうと決心する。

帰り道は帰り道は
遠回りをしたくなるよ
どこを行けばどこに着くか?
過去の道なら迷うことはないから
弱虫(弱虫)…
新しい世界へ
今行きたい行きたい行きたい行きたい
強くなりたい

この帰り道、どこに帰るのか。
サビ前の歌詞で「僕の夢はここではないどこかへ」とあるように、夢に向かってここではないどこかへと旅立っている。
その後すぐに家に帰るでしょうか。
「ここ」から出て家に帰っちゃうと、その後の「新しい世界へ」に繋がらない。
なんか後ろ向きな印象。

好きだったこの場所
一歩目踏み出そう

OHの部分は省略しました。
好きだったこの場所から一歩を踏み出した部分。

街灯りが寂しくふと感じるのは
見慣れた景色と違うから
いつもの高架線が見えなくなって
どこにいるかわからない

1番で踏み出したとするなら、2番はその後を描いていることになります。
なので、ここでは「見慣れた景色と違う」し、「いつもの高架線が」見えない。

人は誰も
変わることに慣れていなくて昨日と同じように
今日も明日もここにいたくなるんだ

この部分から、実は後輩へのエールが含まれているのではないかと思います。
変わることの大切さ。それを後輩に伝えているメッセージがこの後のサビにありました。

知らない道 知らない道
あと何回歩けるだろう
夢の方へ 愛の方へ
風は道を選んだりはしないよ
このまま(このまま)
ONE WAYの標識
でも行くんだ 行くんだ 行くんだ 行くんだ
戻れなくても

西野七瀬にとって、特に後輩として関わりの深いのは3期生です。
もちろん2期生は後輩ですが、スイカの伊藤かりんや伊藤純奈は後輩というよりほぼ同期のようになっていました。
この2サビの歌詞を後輩に向けたエールとして読める気がするんです。
夢と愛は、3期生に大きく関わるフレーズ。
未来の答えでも「愛か夢か友達か」と出てきました。
その後に続く「風は道を選んだりはしないよ」で「風」も出てきます。
結局ここでも1期生は3期生に変化することの大切さを伝えているのかも知れません。
乃木坂らしさに囚われるべきではないというメッセージはこの後に出てきます。

君と離れるのは寂しいけど
大事な別れだ
もっともっと広い世界知らなきゃいけない
いつか(いつか)きっと(きっと)
違う道を選んだ意味
輝く未来のためと互いにわかるだろう

別れが必要ということはAgainstでも出てきました。
「僕らは変わらなきゃいけない」「昨日の自分とは決別して生まれ変われ」「孤独にならなきゃいけない」
別れによってお互いに成長する。

風のように風のように
思うままに生きてみよう
過去がどんな眩しくても
未来はもっと眩しいかも知れない

「過去がどんな眩しくても未来はもっと眩しいかも知れない」
3期生が追い求めた「乃木坂らしさ」は眩しい過去。
僕だけの光でも「夢は眩しいだろう」、Actuallyでも「眩しい太陽」が出てきます。
ここから新しい乃木坂になっていく後輩に向けてのエールになっている。

この後は1サビと同じ歌詞があり、最後にもう一度

好きだったこの場所

この、最初と同じフレーズで終わるんです。
乃木坂が愛の出発点であり、到達点であるとするなら、乃木坂を卒業したメンバーは、また乃木坂に帰ってくる。

乃木坂から旅立ち、また「好きだったこの場所」に戻ってきたということなのかも。
と言うことは、この曲における「帰り道」って、乃木坂に帰る道なんじゃあないですか。
乃木坂から旅立ち、また乃木坂に帰ってくるまでの間、遠回りをして新しい世界に行く。
乃木坂はいつか帰る場所です。
それが約束されているからこそ、乃木坂を旅立ってからの往路が「帰り道」になる。
とてもいい歌詞でした。

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