スタインウェイピアノ購入しました (¥12,500,000)
タイトルの通りです。
元からあるじゃんって感じかもしれませんが、このピアノはPTNA特級でグランプリを頂いた時の副賞として1年間貸与いただいてたもので、それが昨年の4月からだったので、今月でちょうど1年というわけです。
先日YouTubeライブ配信(Cateen's Piano Live Vol.10)でSteinwayでのライブもこれで最後になるかもしれません、とか言って別れの曲とか弾いてお別れの雰囲気出しておきながら、結局買うんかーーーーーーい!
ライブ配信がこれで最後になる「かもしれません」と敢えて最後を明言しなかったのは、「買う」という選択肢も一応残されていたから。1年使用した後に、正規の8割の値段で購入できると伺っていました。2割引というとかなりお得のように感じますが、とはいえ税込1250万。当時とても手が出るような金額ではなかったので、買うなんて可能性は文字通り0でした。
お借りする時、B-211の3台のピアノから選ばせてもらえました。スタインウェイはニューヨーク製とハンブルグ製の2種類があり、日本に出回っているのは大抵がハンブルグ製です。3台のうち2台のピアノはハンブルグ、1台のピアノはニューヨーク製でした。
ピアノをいかにして選ぶか。僕はピアノは「弱音がいかに美しく鳴るか」が最も大事だと今は思っています。アップライトピアノであれフルコンサートピアノであれ。映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』で有名なシーモア・バーンスタインさんも、「ppをいかに綺麗に出せるか」がピアノを選ぶときの指標と仰っていました。一昨年(僕の恩師でもある)ジャン=マルク・ルイサダさんのリサイタルでシューベルトのソナタD960を聴いた時も、ピアノはppの美しさこそが最もピアノという楽器の真価をするものだと強く感じました。大きい音の迫力ならそれこそオーケストラやビックバンドに勝ち目ないですしね。
ハンブルグ製の2台のピアノは、これぞスタインウェイという音色でした。高音は煌びやかで、低音はよく鳴る。ダイナミックレンジが広い。NY製のピアノはそれとは少し毛色が違いました。柔らかで、そこまで力強い音が出るわけではない。でも2-3分弾いているうちにこのピアノの魅力に惹かれ、その後しばらく悩んだ結果、あまり馴染みのないNY製のピアノを貸して頂くことを決めました。まさに「弱音の美しさ」が一線を画していました。
本当にこのピアノに惚れて選んだのでついに1年経ってしまったかという気持ちで、手離したくなかったのですがとはいえ金額が金額なので、どうするべきかずっと決め兼ねていました。一旦スタインウェイ社の方に何らかの形での延長ができないかとも伺いましたが、それは難しいとのことでした。
最後まで悩み続けました。決断を迫られた日の23時58分まで、悩み続けました。23時59分に購入希望のメールを送りました。夜分すみませんと。
好きなピアノとの出会いは一期一会です。ピアニストにとって、ピアノは人生の一部。ましてや1年共に過ごしたこのピアノは、もはや相棒のようなものでした。
少なくともあと数ヶ月は家に篭り続ける日々が続くでしょう。今このピアノを取り上げられたら僕は抜け殻となっていたかもしれません。もしあの時購入の決断をしていなかったらと思うと...
一昨日、正式に契約書を交わしました。まあ細かいことは言えませんが、一括ではないです。だから僕は今借金をしている状態です。これからバリバリ頑張っていきたいと思います。
普段動画や生配信を観て下さったり、コンサートに来て下さったり(今はできないけど)、CDや楽譜を買って下さったりということが僕にとっては大きな励みです。本当にありがとうございます。
今まで以上にパワーアップした動画を発信していきたいと思っていますので、今後ともかてぃんとスタインウェイをどうぞよろしくお願いいたします!!
Hayato Sumino
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