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【カードワースリプレイ】先陣を切る槍 第2話 やしろいの花

この記事は、たとい様作のシナリオ、〈やしろいの花〉のリプレイです。
配布先はこちら(リューン八つ葉通り企画参加作品)↓
https://yatubadoorinohusigi.jimdofree.com/

事件資料の蔵書整理

先陣を切る槍の初仕事は、依頼人ジェーンの勘違いにより散々な結果に終わった。

現在の所持金はたったの50sp。とても遠出するのは無理な金額なので、
今回請けられる依頼は日帰りで行き来できる現場のものに限られる。
そんな条件で彼らが見つけた依頼は、
リューンで過去に起きた事件にまつわる資料の蔵書整理だった。

彼らが蔵書整理することになった事件の概要は以下の通り。

カルロ:現場になった八つ葉通りって、怖い噂が多い場所で有名だよね?
ブランシュ:それがどうかしましたか?
カルロ:ううん、なんでもない。……ちょっと怖いけど、順を追って資料を読んでみよう。

事件概要の次に、発生して間もない頃の近隣住民の聞き込み情報の記録が残されている。
特に被害者が誰かに怨まれている様子は見られなかった。
むしろ、「移住して間もない頃に被害者に親切にしてもらった」と証言する人物がいたくらいだ。

アルフォンス:今のところ、犯人に通じる情報は出ませんね。
……おや、被害者の日記が記録として残されていますね。読んでみましょう。

ブランシュ:牛乳売りとは、事件概要にあった容疑者のことでしょうか?
お互いに面識があったようですが、今のところ殺人の動機になるほどのトラブルがあった様子は見られませんね。
カルロ:他に気になることと言ったら、礼拝に行った帰りに露店で買い物したことかな。
テーオバルト:それって事件と何か関係あんのか?
カルロ:うーん、まだわからないけど。

カルロ:よほど腕輪が気に入ってたんだね。
……だけど讃美歌の練習をしすぎて喉を傷めたみたい。
それに腕輪を売っていた露天商もいなくなったと。

リラ:水路に遺体……。
テーオバルト:八つ葉通り、治安悪すぎだろ……。

ジャーダ:……んっ、露天商について証言記録があったぞ。
今のところ、事件との繋がりが見えてこねぇけど読んでみっか。

アルフォンス:やしろいの花……東の国では縁起のいい花として知られているものですか。これは初耳ですね。
ブランシュ:先生でもご存じないとなると、やしろいの花はそれだけ西方文化圏では知名度が低いのでしょう。
……あっ、被害者の日記に書かれていた事件について記録が残っています。

テーオバルト:露天商がいなくなった理由って、そういうことだったのか。
酔っ払って水路に落ちちまったんだとさ。
カルロ:被害者が亡くなる前に、被害者と関わりがある人が亡くなるってなんだか不穏だね。
……次の資料は、被害者の日記の続きだよ。

ブランシュ:露天商を見かけなくなった頃を境に訴えていた喉の痛みが、
段々と症状が悪化していったようですね。
カルロ:礼拝に行けなくなるほどひどくなったんだ……。
テーオバルト:露天商が水路に落ちた次は酒場で人が暴れて死者がなぁ。
これも被害者が殺された事件と何か関係あんのかまだわかんねぇな。
ジャーダ:……露天商を見かけなくなった次は牛乳売りを見かけなくなったってあんなぁ。
なーんかこの牛乳売り、被害者に惚れてたっぽいぜ? 動機は痴情のもつれか?
アルフォンス:決めつけるのはまだ早いですよ。
次の資料を読んでみましょう。

ブランシュ:酒場での事件ですね。
テーオバルト:刃物を持った男が暴れて4人の死者かぁ。
犯人はすぐに取り押さえられて逮捕されたけど、自殺しちまったんだってな。
……やっぱり八つ葉通り、治安悪すぎだろ。
カルロ:酒場の事件について、目撃者の証言もあるよ。
なんでも犯人の男は、娘の形見を盗まれたとか、腕輪がどうとか、呪いがどうとかって喚いていたらしい。
リラ:……その腕輪、どんな腕輪だったのかな?
カルロ:うーん、証言からは詳しい特徴はわからないなぁ。
続きを読もう。

ジャーダ:露天商が売っていた腕輪がどうしたんだ?

ジャーダ:不吉な花? 別の証言者はおめでたい花って言ってたやつだろ?
どっちの話が本当なんだよ?

カルロ:……やしろいの花に本当に災いをもたらす力があるかどうか、僕達には確かめようがないことだけど、
被害者の女性がやしろいの花の腕輪を買ってから身近なところで人が亡くなる事件や事故が相次いだことを考えると……この証言が嘘だとは思えなくなるね。
ブランシュ:……資料はこれで最後のようですね。
依頼人に報告しましょう。

蔵書整理を終えて~事件発生から1年後

8時間かけて先陣を切る槍は蔵書整理の依頼をこなし、400spの報酬を受け取った。

帰り道、アルフォンスが仲間達に「事件についてどう思うか」と問いかける。
8人の死者が出るほどの災いをもたらすという曰くつきの花、
やしろいの花。
その花に、本当に災いをもたらす力があると思うか? と。

やしろいの花があしらわれた腕輪を買った女性。
彼女が腕輪を買ったのを機に、彼女の身の回りで不可解な事件や事故が起こった。

最初に死んだのは腕輪を売った露天商。
酔っ払って水路に転落した事故死とみられる。

次に起きたのは酒場で客の男が暴れ出して4人の死者が出た事件。
男はすぐに逮捕され、拘留中に自殺した。

その後、女性が何者かに殺されて、犯人はまだ逮捕されていない。

ジャーダ:ただの花だろ?
現に、今回読んだ資料で死んだのは7人だけじゃねぇか。
テーオバルト:それもそうだな。今日はもう帰って、明日に備えてゆっくり休もうぜ。


事件発生から数年後、
リューン近郊の森で男の死体が発見された。
損傷が激しく、身元特定には至らなかった。

収支報告

カルロ:今回は過去に起きた事件の資料整理を8時間やって、
報酬400spを受け取ったよ。
説明を受けた時に「迷宮入りになった事件の資料整理」とは聞かされていたけど、
実際に読んでみて真相がわからないまま終わったからモヤモヤした気分を味わったよ。
結局、あの女性は何で殺されなきゃいけなかったのかな?

収入:400sp
現在の所持金:450sp

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