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【カードワースリプレイ】天翔ける追求者 第4話 下水道の謎の歌声

本記事はどんこ様作のシナリオ、
下水道の謎の歌声のリプレイ記事です。

シナリオの配布先↓

導入

天翔ける追求者が近所の森で果物やキノコを採集してから数日が経った頃、
運命の羅針盤亭の近所で夜な夜な下水道から不気味な声が聞こえてくるという噂が広まっていた。
近隣住民はその声を気味悪がっており、早速運命の羅針盤亭に下水道内部の調査依頼が舞い込んできた。

オーリガ:あー、最近その噂よく聞くよな。
昨日も薬を売りに行ったら、「夜中に下水道から気味悪い声が聞こえた」って言う客に会ったぜ。
フロラン:声が聞こえるのは夜中だけど、近所の子供が怖がって外に出たがらなくなったって話も聞いたよ。
ミシュリーヌ:そういえばこの噂が広まってから、外で近所の子供を見かけなくなりましたね。
こうして調査依頼が出されたという事は、かなり深刻な問題として見られているのでしょう。
ジェラルド:そうだな。今のところ声の主が街で何か悪さをしたという情報はないが、放置して大丈夫なのか? 魔物の類だったら近いうちに実害が出る可能性もある。
フロラン:下水道に入らなきゃいけないって考えると気乗りはしないけど、ジェラルドの懸念が的中したら大変なことになるよね。
……ねぇ親父さん、他にこの依頼を引き受けるって言ったパーティはいるの?
……そっか。まだいないんだ。そうだよね。
ディーター:フロラン、お前この依頼を引き受ける気か?
アルベルタ:えー、下水道に入るなんてやだよ! ねぇフロラン、他の依頼にしようよ!
フロラン:うん。他に引き受けるパーティがいないんだったら引き受けようかなって。
この依頼、放っておいたら何か悪いことが起きそうな気がして。
……そういうわけだから親父さん、引き受ける前に報酬の額を確認させて。
親父さん:ふむ、報酬は800spだ。
相場としては悪くない額だろうが、その代わりに下水道に潜る必要があるぞ。それでも引き受けるか?
フロラン:引き受けるよ。
アルベルタ:えー! 本当に引き受けちゃうの!?
フロラン、考え直してよ!
オーリガ:うるせぇガキんちょ! 我儘抜かすとあんたの分け前ゼロになるぞ?
ジェラルド:お嬢、フロランがもう契約書に署名しました。今回は大人しくこの依頼を引き受けましょう。
アルベルタ:そんなぁ……。

こうして、天翔ける追求者は夜な夜な聞こえてくる不気味な声の調査のために下水道に入ることになった。

出発の間際、親父さんから薬草とコカの葉を支給された。

下水道内部の調査開始

アルベルタ:うわー、臭ーい! 本当にここに入るの?
オーリガ:嫌なら帰ってもいいんだぜ? その代わり、ガキんちょは依頼放棄したマヌケとして名前が知られちまうだろうがな。
アルベルタ:ぬぅぅぅぅ!
ディーター:お前ら、こんな臭い場所でも喧嘩するなよ。
……道が二手に分かれているな。どっちに行く?
ジェラルド:まだ入ったばかりで声の主が下水道内のどこにいるか目星すらついていないからな。適当に選んで行き止まりだったらここまで引き返すしかないだろう。
フロラン:そうだね。迷わないように地図を描きながら進むよ。
リューンの地下水道って、迷路みたいに入り組んでいるってよく聞くし。
……とりあえず左(東)に行ってみよう。

ミシュリーヌ:行き止まりですね。
それにしても、ここはゴミが溜まっていて一際悪臭がひどいですね。
オーリガ:……このゴミ、何か手がかりがあったりしねぇかな?
ディーター:手がかり? たとえばどんなのがあると思う?
オーリガ:さぁな。調べてみねぇことにはなんとも。
……って言って実際調べてみても、そう都合よく見つかるもんじゃねぇな。

不気味な声の主につながる手がかりが得られることを期待してゴミの山を漁ってみたが、気になるものはすぐに見つからない。
それでもゴミ山を物色していると……

フロラン:音? ……って、うわぁ! ネズミだ!

ディーター:コイツら、俺達を襲う気だ! みんな構えろ!

ジェラルド:ネズミは小さくて素早いからな。攻撃が中りにくそうだ。
ディーター:魔法の矢なら躱される心配がないぜ。
オーリガ:つっても、魔法の矢を繰り出せる態勢を整えられなきゃ意味ねぇだろ。フェイントで隙を作りつつ攻撃すっか。

天翔ける追求者は、フェイントで隙を作りつつ攻撃する作戦でなんとかネズミを退けた。
ネズミが去った後もゴミ山漁りを続けていると、つるりとした感触の緑の石を見つけた。

ディーター:確かにこんな場所に呼応石があるのは不可解だな。
それもまだ使える状態のものときた。
出どころを伏せておけば買い取ってもらえるアテはあるだろうし、追加報酬としてもらっておくか。

他に調べられるものが何もないので、天翔ける追求者は来た道を引き返して西(右)の道に進んだ。

丁字路に差し掛かった時、
きぃきぃと耳障りな鳴き声をあげながらコウモリが襲い掛かってきた!

ジェラルド:コウモリか。コイツはネズミ以上に攻撃が中りにくいから厄介な敵だ。
オーリガ:またフェイントで隙を作りながら攻撃する作戦で攻めるっきゃねぇな。

ジェラルド:よし。近くにコウモリはもういないな。
仲間が来る前に先に進もう。
フロラン:でも、また道が分かれているね。どっちに行こうかな?
……今度は右(西)の道を先に調べてみよう。

継ぎ接ぎゾンビ

西の道に進んでみると、鍵穴のついた扉があった。

オーリガ:なんだこの扉?
……内側から施錠されてんな。中に誰かいるかもしれねぇぞ。
ジェラルド:別の場所に繋がっているにしても、行き止まりにしても、用心したほうがよさそうだ。声の主がいる可能性があるんだからな。
ディーター:そうだな。開けるならいきなり襲ってくることを想定して、武器を構えておいた方がよさそうだ。オーリガ、この扉は開けられそうか?
オーリガ:ああ。あたしならなんとか開けられるぜ。

オーリガ:よし、開いた。
……それじゃ、扉を開けるぞ。

フロラン:ひっ! 何でこんな所に死体が……?
ディーター:さぁな。声の主がいるかも、と考えていたが、コイツは違うと思う。腐敗の進み具合からして、例の噂が立つ前に死んだっぽいからな。
オーリガ:確かに。……だけどコイツは単なる死体じゃねぇぞ。継ぎ接ぎだらけだ。
ディーター:継ぎ接ぎだらけの死体……? パッチワークゾンビって奴に特徴が似ているな。
アルベルタ:パッチワークゾンビ? 何それ?
ディーター:死体の状態がいい部分を継ぎ接ぎして通常よりも強力なゾンビを生み出す技術があるらしいんだ。
そうして生み出されたゾンビのことをパッチワークゾンビって呼ぶんだよ。
……ってことは、近くにコイツを造った術者がいる可能性があるな。声の主はその術者か?
ミシュリーヌ:ですがこのゾンビ、おかしいと思いませんか?
私達が部屋に入ってきて、さらにオーリガさんに触れられたのにピクリとも動きません。
ディーター:確かに変だな。休眠中なのか、コイツを造った魔術師の命令がかかっていないのか。
……どっちにしても、このまま放置するのはマズいと思う。
いつ術者がコイツに何かしらの命令をかけて動き出すか判らないからな。
オーリガ:ああ。動けねぇうちに始末するか。

オーリガは継ぎ接ぎゾンビにナイフを突き立てて無力化した。

オーリガ:よし、これでここに用はねぇな。
ディーター:さっきの丁字路まで引き返そう。

声の主と対峙

継ぎ接ぎゾンビを無力化した後、まだ調べていない道に進んだ天翔ける追求者。
すると、壊れた壁の向こう側から不気味な声が聞こえてきた。

フロラン:これが、例の不気味な声?
何かの呪文のようにも聞こえるけど、聞いたことがない呪文だよ。
ディーター:俺も聞いたことがない呪文だ。
たぶん、声の主は壁の穴の向こうにいるんだろう。今のうちに突入すれば不意討ちできそうだな。行こう!

天翔ける追求者が壁の穴を潜り抜けると、そこにはローブを羽織った魔術師がいた。

ディーター:は? 研究を盗みに来た賊? それにパイゴエルなんて名前の魔術師は知らないな。
俺達は無名の魔術師の研究記録なんて興味ないから。
パイゴエル:なに、私の研究を知らないと?

パイゴエル:ぐぬぅ……ほざきおって!
だがまあいい。だから何の用だと聞いておる?
私の研究を邪魔しに来たのか?
フロラン:えーと……。

フロランが言いよどんでいると、パイゴエルのまわりにゾンビとスケルトンが集まってきた。

ディーター:どうやら、そういうことになるな。
(あの継ぎ接ぎゾンビの製作者って、もしかしてコイツか? だったらあらかじめ無力化しておいて正解だったな)

ジェラルド:数だけ見れば敵が有利だな。
おまけに俺達にはアンデッドに有効な攻撃手段がない。
ディーター:って言っても、親玉は無名な操霊術師。
操霊術師に集中攻撃を仕掛けたら、アンデッドどもを無力化できるんじゃないか?
もし動き続けても、統率を乱す程度の効果はありそうだぜ。
ジェラルド:よし、その作戦でいこう!

ディーター:いててて、操霊術師は無力化できたが、アンデッドどもはまだ動くか。
ミシュリーヌ:いつでも回復ができる態勢を整えながら戦いましょう。
フロラン:そうだね。最後まで油断しないでいこう!

無名の操霊術師とアンデッドに勝利した天翔ける追求者。
さっさと帰ろうかと思ったが、ディーターが一冊の本を見つけた。

日記

ディーター:これは、あの操霊術師の日記だな。
ふむふむ……どうやらアイツ、もともとは賢者の塔に所属していたらしい。
下水道に拠点を構えたのは素材になる死体集めのためのようだが、そう都合よく見つからなかったんだな。(4日目まで)
……10日目にして初めてスケルトンをなぁ。
実力はネズミとどっこいどっこいじゃ、俺達の敵じゃないな。(10日目まで)
……下水道に拠点を構えてから30日目で継ぎ接ぎゾンビを完成させたってあるな。たぶん、玄室にいたアイツのことだな。(30日目まで)
フロラン:……ねぇ、なんか不穏なことが書いてあるよ。
”積極的に打って出ていくべきだろうか?”って、継ぎ接ぎゾンビの素材のために人を襲おうと企んでたのかな?
ミシュリーヌ:なんだか嫌な予感がしますね。この先を読み進めるのが怖くなりました。(31日目まで)
ディーター:継ぎ接ぎゾンビの制御のために呼応石を使っていたのか。だけど常時継ぎ接ぎゾンビを動かせるほどの在庫がなかったようだな。(33日目まで)
……コイツ、ついに人を殺したぞ。
研究室を物色した浮浪者をスケルトンで返り討ちだとさ。そして死体はゾンビの素材に。
ミシュリーヌ:ひっ!?(35日目まで)
オーリガ:おいおい、初めての殺人から3日後に2人目の犠牲者が出てんぞ。
ディーター:特に罪悪感を抱いていなさそうな文面だな。ほっといたら第3の犠牲者が出そうだ。(38日目まで)
……あー、あのゴミ山に埋まってた呼応石はネズミがアイツから盗んだものだったんだな。(40日目まで)
ジェラルド:日記はこれで終わりか。
それにしても、継ぎ接ぎゾンビの素材のために少なくとも2人殺していたとはな。野放しにしたらもっと大勢の犠牲者が出ていたかもしれないと思うぞゾッとする話だ。

オーリガ:……ん? 何か挟まってんぞ。
……これは、何かの呪文か?

ディーター:呪文のメモか? ……だけどあの雑魚操霊術師のもんって考えると、性能はあまり期待できないな。
どれどれ……。

ディーター:威力がしょぼいうえに、アンデッドを活性化させる効果があるのかよ。いらない。
報酬の足しにしようと思っても、買い取ってもらえるアテがあるかどうかって感じだな。
……もう気になるものは何もないな。さっさと帰って元凶を退治したって報告しようぜ。

帰還

フロラン:うん。……声の主が少なくとも2人殺したことが判ったから、
証拠の日記と一緒に治安隊に身柄を引き渡してきたよ。
親父さん:そうか。依頼してきた住宅街の人達も事件が解決してさぞ喜ぶことだろうな。
じゃあ、これが約束の報酬だ。

天翔ける追求者は報酬として800sp受け取った。

収支報告

ミシュリーヌ:今回の依頼が成功して報酬800spが入りました。
ディーター:あの後呼応石と紫電の光を買い取ってもらえるアテを探したら、呼応石は250sp、紫電の光は300spで売れたぜ。
まさかあんな威力がしょぼい術に需要があるとは思いもしなかったな。

収入
依頼報酬 800sp
呼応石売却 250sp
紫電の光売却 300sp

現在の所持金 2400sp


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