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_mito_to
かわいいくまさん»動物好きなあなたへ #青ブラ文学部 #ぼくはくま
ぼくはくま。
森にひとりで住んでるよ。
お友だちは、にんげんの子と、うさぎさん。
今日も、ぼくらは大ぼうけん。
だいすきなハチミツ、さがしにいくよ。
「アニメはもうおしまいね。そろそろ寝る時間でしょう？」
「はーい。おやすみなさい、くまさん」
ぼくはくま。
ピョコンと立ったお耳。つぶらなおめめ。
どう？かわいいでしょ？
わたしはネコ。
うん、とってもかわいいね。
でも、このリボンつけたらもっとかわいいよ。
わあ、ほんとだ。ありがとう。
どういたしまして。
「ねえママ、お人形あそびはあきちゃった」
「あら、じゃあお片づけして、おやつ食べる？」
「食べる！くまさん、またあとでね」
ぼくはくま。
森からヒョッコリ、あそびに来たよ。
こんにちは。
あたりをキョロキョロ。
何かいいもの、あるかなあ。
「ざんねん、近くにハチミツはないよ」
あれ？今、おはなししたの、きみだった？
ジーッとよく見て、たしかめなくっちゃ。
きみ、わるい人じゃないよね？
「大丈夫だよ。お友だちになろう、くまさん」
そう呼びかけて、少女は一歩踏み出した。
途端、道路脇の子熊は驚いて後ずさりする。
「ああ、びっくりした。うん、ごめんね」
子熊の心の声を想像し、アテレコして、それに自分で答える少女。
その瞳に映るのは、アニメキャラやぬいぐるみと同じ、かわいいくまさんだ。
背後から迫ってくる、現実の凶暴な母熊なんて、彼女は知らない。
#青ブラ文学部
#ぼくはくま
#ショートショート
#怖い話
#花井星
こちらの企画に初参加させて頂きました。
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