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老年看護学実習後レポート
看護学生2年目時代の老年看護学実習後レポートが出てきたので投稿します。少しでも看護学生さんや実習指導者さんのお役に立てれば幸いです。
老年看護学実習を終えて、対象の心理・社会的側面の理解を深め、援助方法を考えることができた。またその人の生活史を重視し、援助にもつなげることで、個別性のある援助にすることができると実感した。
1クール目の臨床看護実習で、受け持たさせていただいたA氏は、急性心筋梗塞で入院した60代の男性であった。A氏は妻、娘、息子との4人で暮らしていた。また奥さんが全盲であり、バスの運転手の仕事をしながら、食事や買い物など家の家事も行っていた方であった。仕事と家事の両方の面から家族を支えることがA 氏の生きがいであったと考えた。A氏は老年期にあり、老年期の特徴として味蕾の数が減少し、味覚の閾値が低下するという特徴がある。そのため食事の味付けも濃くなりがちになっており、動脈硬化が進んで、心筋梗塞になったと考える。退院後、入院前の食生活を続けることによって、最梗塞を引き起こす、可能性があった。さらにA氏からも「退院後塩分に気を付けないといけないことはわかっているけど、具体的にどんな物をつくればいいかとかわからないから不安です。」という退院後の生活に不安を感じている発言もみられた。そのため、指導を行う必要があると考え、指導を行った。1日の3食のレシピを用いたり、入院中に食べていた病院食のレシピを用いて指導した。その結果、A氏からも「これを参考にして退院後、食事を作ります、ほんとにありがとう。」という発言も見られ、退院後の不安も取り除くことができたと感じた。
また不安を取り除くことで、退院後も入院前とおなじように家族を支えていくというA氏の心理的な想いも高めることができたと感じた。
2クール目の生活援助実習で、受け持たさせていただいたB氏は、生まれつき先天性脳性麻痺のある方だった。環軸関節亜脱臼があり、入院となった。環軸関節亜脱臼のため脊髄が圧迫され、四肢の麻痺、上肢のしびれが出現していた。清潔・食事・排泄・活動などすべての生活行動に介助を必要とし、ADLは全介助であった。A氏は入院前も生活に介助が必要であり、訪問入浴やデイサービスなどの社会資源も利用していた方であった。しかし「少しでも自分でできることを探して、できることは自分でするようにしていました。」「自分のできることを増やしていくことが私の生きがいです。」という発言がみられ、そのB氏の心理的な想いを大切にして援助を行った。例えば、側臥位になってもらう機会があれば、介助をして側臥位にするのではなく「横向けますか?」と声掛けを行い、B氏に自分で側臥位になってもらった。また、ズボンやパンツを着脱するときは、「腰をあげてください。」と声掛けをして、自分で腰を上げていただき、協力を得た。さらに、トイレ介助をする際も、全介助をするのではなく、手すりに手を持っていけば、手すりをつかんで立位や座位を保持することができていたため、B氏にも協力を得るよう工夫をして援助を行った。そのような工夫をし、筋力がついてきたためか実習最終日には、初日にはできなかった端座位の保持ができるようになっていた。さらに、車いすをこぐスピードも初日よりも早くなっていた。B氏からも、「筋肉ついてきたから座れるようになったんかな。」「歩けるようになりたい。」「歩けるようになったら何しよかな。」「これからもリハビリ頑張らなね。」と笑顔で回復を実感し、さらに回復したいという意欲も高めることができたと感じた。
川島は「本人の心身の力を生き生きと高める手がかりを丁寧に見出し、それらをもとに生活全体を豊かにしていくことができる」と言っている。今回の2人の事例からも、入院前の情報収集を行うことで、その生活史が見え、生活史を手がかりとし援助をすることで、個別性のある援助となり、心身の力を高めることができたと実感することができた。
以上が看護学生2年目のときに書いたレポートです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。