人体解剖見学実習レポート
今回の解剖見学から学び取りたいこととして見学前に5つのことを挙げた。一つ目は神経と血管の区別。2つめは右気管支と左気管支の構造の違い。3つめは心臓の壁の厚さ。4つめは右肺左肺の構造の違い。5つめは大腸と小腸のちがいだ。
実際に見学した結果について書く。
1つ目の神経と血管の違いについては実際に血管、神経と思われるものを浅原先生に切って見せていただいた。血管は切ってみると中身が空洞であったが、神経は空洞ではなかった。血管には紫色の血液が少し残っている部分もあり、こんことからも血管だと判断することができた。神経と血管は太いものや細いものがあり中枢から末梢まで全身を張り巡っていた。私たちはこの血管と神経があるからこそ末梢まで体を動かすことができるのだと実感した。
2つめの右気管支と左気管支の構造のちがいについては肺、心臓を取り出して気管支を観察した。教科書で見たのと同じように実際にも左気管支に比べて右気管支は太く、短く、垂直に近い角度で肺に入っているのが観察できた。
このような構造であるため、誤嚥による気道異物は左肺より右肺に入りやすいのだと納得することができた。
3つめの心臓壁の厚さは実際に心臓を取り出して、切込みが入っていた部分を開けて観察した。観察したところ心室は心房よりも壁が厚く、また左心室の壁が最も厚いことがわかった。左心室が全身に向かって高い圧で血液を送り出すため左心室の壁が最も厚い構造となっているのだと考える。
4つめの右肺左肺の構造の違いについては取り出してみたり、触ってみたりして観察した。授業で習ったのと同様に、右肺は上葉、中葉、下葉の3葉に、左肺は上葉、下葉の2葉に分かれているのが実際に観察することができた。また、持ってみたところ左肺より右肺のほうが重く、右肺のほうが大きいということを実感した。
5つめの大腸と小腸のちがいについては、小腸には輪状ヒダがあり見ただけで区別がついた。小腸は想像していたものとは異なりとても長く、腹部の多くを占めており、小腸を除けてみると大腸が見えた。また虫垂もよく観察することができた。大腸と小腸の表面を切ってみると、小腸の粘膜には絨毛が観察できたが、大腸の粘膜には絨毛はみられなかった。小腸はこの絨毛や輪状ヒダにより、表面積を広げ効率的に栄養を摂取することができているのだと実感した。
実際に解剖見学をさせていただき、私たちの体は生まれながらにして生きていく為の機能が備わっており、その構造にも意味があるということ、そして人間の身体の素晴らしさを実感した。今回見学させていただいたご遺体は、生前『医学の為に捧げる』というご意志の方々によるものということを忘れず、このご意志を無駄にしないよう今回解剖見学で学んだことを今後に生かしていきたい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。