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「基礎看護学実習Ⅰでの学び」~医療従事者が大切にしていること~

看護学生時代の懐かしいレポートが出てきたので投稿します。


「基礎看護学実習Ⅰで学んだこと」

サブテーマ:医療従事者が大切にしていること

1.はじめに

今回初めての実習であった。看護師になるという夢の第一歩を踏み出しでもあり、実際の患者さんと、そして医療従事者と接することのできる貴重な機会でもあると、強く認識していた。実習に対して、最初は楽しみであった。なぜなら、貴重な機会であるためと、現在の自身のコミュニケーション能力がどこまで通用するのかをも、知ることができると考えたからであった。しかし、テストが終了し、実習を迎えるにあたっての、挨拶や実際のタイムスケジュール、どのような視点から、何に着目し、学びを得るのかなど、具体的に実習について考えていくにつれ、不安が募っていった。当日は緊張と不安でしかなかった。しかし、当日の看護部長や係長のお話を聞いて、再び、楽しみという気持ちが出てきた。そして、なにより、この方々の表情が穏やかで、笑顔だったからでもあった。この自身の身近な体験より、笑顔には、やはり人の気持ちを動かし、相手を元気にさせる、不思議な力があると感じた。今回の実習において、特に着目したい点が2つあった。一つ目は、看護師の方々が、実際の臨床でどのように「声にならない声」を読み取っているのかという点である。この視点を意識するようになったきっかけは、大学での授業中で見た臨床での看護師に焦点を当てたDVDであった。その中で、いくつかその看護師さんが大切にしていることを挙げていた一つが「声にならない声を聴く」というものであった。自分の意志を言いづらい人、伝えたくても言葉で伝えることができない人等、たくさんいる。その声を聴ける看護師になりたいという意図から、着目点とおいたのである。2つ目は、サブテーマでもあるが、個々で医療従事者が大切にしていることは、異なるだろうと考え、実際に聞きたいと思った。そして、自身の看護学理念や理想の看護師像を形成する上で参考になると考えたからである。そのため、実際にインタビューを行った。


2.医療従事者が大切にしていること

一人目は、「笑顔」そして、「相手の笑顔を引き出すこと」を大切にしているとおっしゃられていた。自分の顔を見るだけで笑ってくれる患者もおり、元気がないと、逆に気づかれてしまうこともあるそうだ。認知症の患者は、こちらの対応が悪いと、人や者に当たってしまう患者もいるため、まずは笑顔から予防を行っている。笑顔をそのような予防として考えているとは、思ってもいなかったことであった。

二人目は、「相手に合わせること」だとおっしゃられていた。看護師は忙しいため、相手の、患者の時間や表情、コミュニケーションにおいても、看護師側の都合に合わせがちになってしまう。しかし、そこを相手に合わせたいと考えられていた。これを聞いたとき、その心がけや気持ちは、患者さんにも伝わっているのだろうなと思った。この看護師さんを観察していて、接し方を見習いたいと思う点がいくつもあったからだ。それぞれの患者との接し方を分けて行っているようには、見えなかったが、状況に応じた接し方をしており、相手に合わせるということなのかと思った。

三人目は、「安全であること」だとおっしゃられていた。対象者は、患者だけでなく、自身や病院も含めた安全である。これらの安全をどのように行うかは、自分自身の知識が必要であると考えられていた。根本に「安全」を常に意識されていて、当たり前なことかもしれないが、大変重要なことであると、再認識した。まず、安全が大前提でのケアだと気づくことができた。

四人目は、「『人間対人間』で接すること」だとおっしゃられていた。その結果、人間を追求していくことに繋がるため、同じ「人間」というカテゴリーで、同じ立場として相手や物事を見ることが可能となり、そこから余裕が生まれると言われていた。その余裕から、ご家族のも目を向けることが可能になるのであると考えられていた。患者と、看護師または看護学生という見えない隔たりを取り払い、年齢の分の尊敬を示すことが大事であると聞いたとき、患者さんと接する上で、身体の力が抜けて、少しリラックスすることができたように感じた。相手の立場を敬って接する場合もあるだろうが、この考え方は、すべてにおいて共通することだと思った。

五人目は、理学療法士の方であった。今までは看護師の方の意見であった。この方が大切にされていることが、大きく分けて3つあった。一つ目は、どのようにして患者の身体が使われているのか、常に筋肉や関節の動きを観察している点である。二つ目は、患者にどこを鍛えるために、これからリハビリを行うのかを説明するという点である。三つ目は、患者の不安を取り除く点である。一つ目に関しては、やはり見る視点が違うなと思った。自身も見るように心掛けてはいたが、ただのつもりになっていたのだと感じた。二つ目と三つ目に関しては、看護師と共通していると思った。やはり治療の説明がないと、何のために辛い治療を行っているのか理解できず、毎回の治療がより嫌になってしまう可能性もある。つまり、患者に不安を与えてしまうことにも繋がる。そのため、説明をすることは重要であると考える。

六人目は、作業療法士の方であった。この方が大切にされていることは、敬う心を忘れないということであった。患者はたくさんの経験をしているためである。しかし、敬いすぎて、自分がへりくだった話し方にしすぎると、言うことを聞いてくれない人もいるため、きちんと言うべきときは、指導者として言う、そのバランスに気を使っているとおっしゃられていた。看護師さんを観察していても、治療のときは、敬語が多かったように思う。普段の会話は話し言葉が多かったように思う。しかし、このバランスは人によって異なるとも思った。また、患者に対して、顔だけではなく、心や指先からのケアが大切であり、その思いは相手に伝わるとも話されていた。その通りだと思った。自身も、心からのケアを実践したいと、以前から考えていたため、やはり重要であると再確認した。



3.その他において気づいたこと

実習前は、看護師にしか焦点を当てていなかった。しかし、実際の臨床では、医療チームとして成り立っていると、強く感じた。今回の実習先ではリハビリを主とした病棟であった。病院自体のイメージが、医者や看護師であった。しかし、今回実習を行い、医師や看護師だけではなく、臨床検査技師や医療秘書、ケアマネージャーや栄養管理士、理学療法士や作業療法士などが、チームとして動くことで機能している。まだまだ医療従事者の方々はいると思う。その多種の専門職が揃って、一人の患者をサポートし続けるその構造や姿勢に、医療への偉大さを感じた。その中で、看護学生としての責任、看護師としてその一員になることへの期待や不安もあるが、基本的な知識がまず乏しいため、その部分をしっかり学んでいかなければいかないと思った。

 コミュニケーションにおいては、やはり信頼関係を築くことの重要さを、身をもって感じた。信頼関係がある上でケアを行うことが、よりよい医療の提供につながると考えた。そのため、今回の実習での物事を、自分自身のものにできるように、何度も振り返りながら、この感情や看護師の動き、コミュニケーションの取り方を学び続けていく姿勢でいこうと思う。また、医療従事者が大切にしていることについても、身近な先生方や先輩から聞いていこうと思った。今回の実習はとても貴重な体験であった。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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