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【機材レビュー】Nikon D500
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どうもこんばんは。機材レビュー第4弾となります今回は、NikonのAPS-Cフラッグシップとして君臨するNikon D500を作例を交えてレビューしていきます。導入からレビューまで日が浅いため、随時書き足していきます。よろしくお願いします。
導入のきっかけ
もともと機材はD800EとD300の二台体制でしたが、各々が欠点を抱えていました。それが次の通り。
・D800Eは連写に難。また使えるレンズがなるべく新しくないと、画素数を生かせない。
・D300はまず高感度耐性が。加えて画素数が低いため、大規模なトリミングが実用に耐えない。
D800Eの連写は最悪は「一発切り」という博打行為でカバーできますが、問題はD300。高感度も画素数も撮り手側ではどうしようもできない問題です。
「ISO3200くらいまでが使え、高速連写、2000万画素台、そして荷物軽量化」
他候補にはD850やD7500、D4Sなどがありましたが、最終的に上記の条件に絞り、そして「荷物軽量化」がこれからの自分のフィールドにおいて優先事項となると考え、D500に決めました。
こうして2021年6月19日に導入。ファーストインプレッションは「何このグリップクソ深ぇ」でした。(後で解説します)
メリット
高感度耐性が想像以上に良い
他の方のレビューを読んでいてよく目につく言葉、それが「高感度が使える」です。しかし、某プレビューサイトで見た限りでは「そうでもないだろ、D800Eには勝てん」と思っていました。
しかしその考えは、長堀鶴見緑地線の某駅で覆されました。
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こちら、ISO4000で撮った長堀鶴見緑地線です。いかがでしょう。ぜひ拡大して見てください。ノイズリダクションはそこそこかけましたが、それでもってこの解像感。(ゴーストが出てるのは目をつぶってください…)
これ、APS-Cですよ??D300ではもちろんかつて所持していたD7100でも考えられない高感度耐性です。
自分のフィールドではISO5000あたりまで実用範囲でした。D800Eとほぼ同等の高感度耐性、素晴らしいですね。
【2021/10/23追記】
高感度をテストしてみました。以下からご覧ください
D一桁機に迫る高速連写
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56559942/picture_pc_60ca6c0c0772f71e2b42b715dd93d49d.jpg?width=1200)
D500最大の魅力と言っていい秒間10コマ連写。鉄道写真でもその威力はしっかり目にしました。上の写真はかなり高速(100km/h以上は出てた)で走ってくる京阪電車なんですが、とりあえず構図とピント、露出設定さえちゃんとしておけば、適当な位置から連写をスタートさせるだけで欲しい切り位置に電車が来ています。D800Eではこういうシチュエーションだとどうしても1発切り、もしくは1.2xクロップして秒5コマで仕留めるというやり方だったんですが、D500なら心配無用。カメラ側の失敗は極限まで減らせます。
暗所でのAF性能が高い
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先ほどの長堀鶴見緑地線もそうですが、この作例も真っ暗な線路にフォーカスを合わせていますが、これでピントが合います。今までは電車のヘッドライトでピントを合わせるというかなり急ぎの撮影をしていたので、暗所で合うようになったのはかなり大きいです。
LV撮影→プレビューで待たされない
D800Eでは上記で待たされることが多々ありました。無論、その画素数もあってデータ量が半端ではないため重々承知の上で使っていました。
しかしD500ではそれが解消されプレビューもサッと表示され、さらにチルト液晶+タッチ操作でより快適なLV撮影が可能となりました。これで位相差AFだったら完璧なのに…
サブセレクター押し込みで1点AFにすばやく切り替え可能
普段は9点ダイナミックAFを使っているのですが、本来合わせたいピント位置に対して手前や奥に持っていかれそうな場所ではシングルポイントAFを使いたいもの。そんな時にカスタムメニューの「サブセレクター中央」に「AFエリアモード+AF-ON」-「シングルポイントAF」を割り当てることで確実性を向上させることができました。親指AFの機能が二つ使うことができるのは大きいです。
また、サブセレクターそのものも指の移動が少なく便利です。
D800Eとバッテリーが共用可能
当機のバッテリーはミドル機以上に多く採用されているEL-EN15です。D800Eと共用できるのはかなり恩恵が大きく、実際にとある日の撮影ではD500の電池が残り僅かになったときに、D800EからEN-EL15を引っこ抜いて無事に撮影を続行できた経験があります。
某板のレビューでは当機は電池がもたないとの報告がいくつかあります。それも考えて予備バッテリーを追加投入する必要がないのは助かります。
デメリット
OKボタンに画像編集メニューが割り当てられていない
私は軽くトリミングしてどんな感じに仕上がってるかカメラ内で確認する癖がついてるわけなんですが、この仕様には正直びっくりしました。画像表示中、OKボタンを押しても何も反応しません。iボタンの「画像編集」経由で各種画像編集を行います。使っていたD3100やD7100、D800EはこのOKボタンから手軽にアクセスできたこともあり、非常に残念です。ワンタップ必要な動作も増えてしまいました。
SnapBridgeの接続が安定しない
Bluetoothを使用してスマホと接続し、リモートシャッターや画像転送などができるSnapBridgeですが、非常に不安定な接続です。まず、接続自体ができません。所定の手順を踏んでもカメラ側との接続に失敗し、数回繰り返してやっと接続できたと思ったら画像転送中に接続が切れるなど、正直言って安定性は相当悪いです。なお、使用端末はiPhone SE(第二世代)です。
相性の悪さだとは思いますが、ここに記しておきます。
トリミングのプレビューで待たされる
D800Eでもトリミング時のプレビューでちょっとラグがあったりしましたが、D500はさらに待たされます。体感で1秒以上。
ごくまれに撮影直後のプレビューでフリーズする
撮影直後のプレビューを表示すると2~3秒ほど、電源オフ以外の操作を一切受け付けなくなります。こんな致命的な欠点なのに誰も取り上げてないあたり、自分の個体にしかない欠点なのか…?
これらのデメリットを考えると、再生面での完成度がイマイチな感じがしますね。撮ることに関してはかなり良いだけに、ここは残念。とりわけSnapBridgeの接続安定性は早急に改善を求めます。
その他
グリップが深すぎる
D500はとんでもなくグリップが深いです。深すぎます。メリットにもデメリットにもなりうるため、ここに掲載します。深いと持ちやすく、大きいレンズを使う際にもガッチリと持てます。問題は、このグリップに慣れてしまうと他の機種のグリップが浅く感じてしまうという点にあります。D300やD800Eのグリップですら「浅い」と感じる始末。他機種との併用の際にはここが少し障壁になるかもしれません。もっとも、三脚に載せてしまえば関係ない話ですが。
ISOボタンが右肩配置
D800Eは左肩の四葉ボタンに配置されていたため違和感があります。とはいえ望むべき配置は右手で露出を完結できることからD500の方が願ったり叶ったりではあるんですが… 慣れないです。
画質面での感動はそこまでない
高感度耐性と連写をそれなりに強化した以外はD800Eの方がボケ感も解像感も上に感じます。とはいえ十分綺麗なのでデメリットには入れません
カスタム設定について
ここでは私のカスタム設定について書いていきます。参考程度にどうぞ
a オートフォーカス
AF-Cモードの優先:フォーカス/レリーズ
AFロックオン-被写体の動き:スムーズ
半押しレンズ駆動-非合従時のレリーズ:しない-許可
AFエリアモードの限定:ダイナミックAF25点、3Dトラッキング、グループエリアAFにチェック
b 露出・測光
マルチパターン測光:顔認識しない
c AEロック・タイマー
シャッターボタンAEロック:する(半押し)
半押しタイマー:30秒
セルフタイマー-時間:5秒
モニターのパワーオフ時間-画像の再生:20秒
d 撮影・記録・表示
低速連写コマ数:7コマ(これにした理由は後述)
ISO感度表示:する
e フラッシュ・BKT撮影
特にいじった部分はなし
f 操作
カスタムボタンの機能
プレビューボタン+ダイヤル:手動設定済みレンズの選択
Fn1ボタン:ファインダー内水準器
Fn2ボタン:マイメニュー
サブセレクター中央:AFエリアモード+AF-ON
BKTボタン+ダイヤル:多重露出
動画撮影ボタン:撮像範囲選択
コマンドダイヤルの設定-メインとサブの入れ替え-AF設定:する
g 動画
デフォルト設定がわからなくなったので省略(そもそも使わない)
筆者の考え
(かなり適当です 参考にしないで)
D3100から数えて5代目の旗艦機となる当機。半年使っての感想としては、「与えられた仕事を堅実にこなす」という面が強いなと感じます。
洗練された操作性。必要十分な画質、連写速度。D300であったような、カメラとしての面白味はありません。ただただ結果を残していく。そんな機種です。立ち回りもD300とは別物です。
2022年1月現在も修理が可能であり、まだ戦えます。その安心感があるからこそ、いつも通りに、時にハードな仕事を与え、結果を残すことに特化した機材だと思っています。
これからD500を手にしたい方へ。
Fマウントが少しずつ絶滅へと向かっていく中で、Z50というある意味D500と仕事が似ているミラーレスが登場したことは注視すべきことだと思います。ミラーレス時代と呼ばれる中で、デジタル一眼レフを選ぶ理由を考えてから導入するべきです。
私は鉄道撮影ではファインダーのタイムラグ、ブラックアウトなどでまだ一眼レフに分があると考えています。ミラーレスも動きものに少しずつ強くなってきています。考えものです。
2022年6月現在では、D500の正当後継となるミラーレス機がニコンから出ていないこともまた理由の一つではあります。
また、D7500も候補として入れておくべきだと思います。被写体が在来線オンリーであれば、だいたい8コマ連写で足ります。XQDカードやサブセレクター、左肩の四葉配置がいらないなら、なおさら候補入りです。
ここからはどうでもいい小話。
私はこの機体を中古96000円で購入しました。そこそこ安いのには理由があり、「元箱・説明書・その他付属品ほとんどなし」「充電器が中華製ノーブランド」という必要最低限のものでした。
ショット数は75000とそこそこに高速連写を使われていた模様。実際、ドライブCHにしていると軽いタップでも2コマ切れてしまう時がありました。外装はそれなりにきれいだったため、こうした無駄打ちも少なからずあったと思います。CLを7コマにしているのは、この1タップで2コマ切れないギリギリの連写コマ数であるためです。この1タップは、人によって異なるはずなので参考程度に。
中華製の充電器ですが、これが意外と使えます。端子はMicroUSBなのでスマホの充電で使っていたUSBを使いまわせますし、2個同時充電にも対応。D800Eとバッテリーを共用できるため、2個同時にできるのは非常に助かります。
作例
こちらでは当機で撮影した作例をいくつか載せていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1643789955011-Zmc0zhECFR.jpg?width=1200)
135mm F5 1/800 ISO100
![](https://assets.st-note.com/img/1643790142219-iV518NFZJg.jpg?width=1200)
F2.8 1/1000 ISO100
![](https://assets.st-note.com/img/1643790300635-vWUPW9c6Rp.jpg?width=1200)
F2.8 1/400 ISO5000
![](https://assets.st-note.com/img/1668345542531-VYebtZEw4M.jpg?width=1200)
F2.8 1/250 ISO6400
![](https://assets.st-note.com/img/1655954001184-ZInAEqVgiY.jpg?width=1200)
18mm F3.5 1/40 ISO400
(最終更新:2022/6/23)