冬におすすめの食材
「寒の入り」と呼ばれる小寒を過ぎ、数日後には大寒を迎え、寒さが最も厳しくなる時期に入ります。今日は、寒い冬に元気に過ごすためのおすすめの食材をご紹介します。
1.からだを暖め気の巡りをよくする辛味
寒さが厳しくなる冬は、陰が強まる季節。外気も冷たく、また体内も陽の気が弱まりやすくなります。適度な辛味は、冬に滞りがちな気の巡りを助け、からだを暖めてくれます。
【辛味のあるものスパイスなど】
生姜・にんにく・ねぎ・山椒・胡椒・シナモン・唐辛子・八角など
ただし、辛い物は、食べ過ぎると乾燥する性質があります。皮膚が乾燥しがちな人、普段から辛い物をよく食べる人は、控えめにしましょう。
2.温性のもの
普段から冷えを強く感じ、冬は特につらいという方は、温性の食べ物がおすすめです。
【温性の食べ物】
にら・ねぎ・玉ねぎ・かぶ・しそ・パセリ・かぼちゃ・鮭・あじ・さば・いわし・鶏肉・羊肉・えび・金柑・ゆず・黒砂糖・クローブ
からだを内側から暖めてくれます。普段の食事に意識的に取り入いれるだけで、数日でからだの変化に気づく方もいらっしゃいます。
ただ、温性のものばかり摂り過ぎると、ほてりやすい・乾燥しやすいなど、偏ってしまうので、バランスよくが大切です。この季節に旬の大根・ごぼう・白菜は、からだの余分な熱を冷ます食材も、適度に摂りましょう。
また普段から、暑がりな人、冷えをそこまで強く感じない人は、上記の辛い物、温性のものは取り過ぎないようにしましょう。
3.エネルギーを補充してくれる食材
冬はできるだけしっかりと休み、エネルギーを蓄えるのが大切な季節です。
休息をとり、食でもエネルギーを補充できるものを多くとりましょう。
【エネルギーを補充してくれる食材】
山芋・さつまいも・じゃがいも・人参・大豆・椎茸・しめじ・まいたけ・アボカド・大豆・牛肉・豚肉・卵・牡蠣・なつめ・クコの実・甘酒・もち米など
芋類は、ほくほく優しい甘みがあり、おいしいですね。お芋は、基本的にエネルギー補充になります。
人によっては、芋類を食べると、もそもそと喉や胸がつまる感じがする方もいらっしゃるかもしれません(「気滞・きたい」という体質の人は、そう感じる方が多いようです)そいういう方は、エネルギー補充として、椎茸などのきのこ類や豆腐がおすすめです。
4.腎を助ける黒い食材・塩味のある食材など
【黒い食材】
黒豆、黒米、黒胡麻、黒きくらげ。
ひじき、わかめ、昆布・海苔・もずくなどの海藻類。
【塩味のある食材】
味噌・醤油・塩などの調味料。海藻類。
【その他、腎を助けるもの】
ブロッコリー・カリフラワー・キャベツ・枝豆・くるみ・栗・ほたて・豚肉・あわ・むかご
冬は、五臓の「腎」が活躍する季節です。黒色の食材・塩味のある食材は、この「腎」を助けてくれます。腎がフル稼働している冬は、腎に負担がかかりやすい季節とも言えます。
腎のおつかれのサインは、冷え、疲れやすい、耳の不調、髪がパサつきやすい、白髪が増える、思考がまとまらない・足がだるい、むくみやすい、腰痛などによって現れます。腎を助けてくれる黒い食材・適度な塩味を積極的に摂り、冬を元気に乗り切りましょう。
5.花咲く弁当で取り入れる冬の食材
冬の花咲く弁当のおかずをご紹介すると
例えば、今の季節は、味付けで気を巡らせてくれるものを多く使います。煮卵の煮汁に八角や唐辛子を入れたり、青菜のナムルににんにくや豆板醤を加えたり、ゆで野菜を生姜のしぼり汁と醤油で和えたり。
温性の食材は、いわしの香草焼きや、鮭の胡麻揚げ、かぶの煮物、長ネギの焼きマリネ、鶏肉は鶏ハムにしたり、根菜と一緒に蒸したり、五香粉で下味をつけて揚げたり。
エネルギーを補充してくれる食材は、さつまいもをクコの実と一緒に煮たり、長芋とナッツの炒め物や、季節の食材と組み合わせた人参ラペ、わかめときのこの和え物なども入れたりします。
5.(おまけ)五行説で冬はどんな季節
薬膳は中医学の理論がベースになっています。
その中医学で用いられる中国の古代思想「五行説」というものがあります。万物を「木・火・土・金・水」の5つに分け、それぞれが助けあったり、または適度に抑制しながら、バランスをとりあって循環しているという考え方です。
(この五行説は、味・色・季節・外気・からだの臓器・からだの部位・感情・方角などいろいろなものに応用されます。五行説を知っていると、日常のさまざまことに、つながりや応用に気づいたりしておもしろいのです…!)
図にあらわされるように、冬は、左上の「水」に分類されます。五臓は「腎」。色は「黒」。
冬は水のように冷たく寒い季節。腎はからだの水分代謝をつかさどり、生命エネルギーの源です。冬は、黒いものを摂り、次の春に向けて寒さから身を守りエネルギーを蓄え(閉蔵)、過ごす季節です。
寒さは厳しいですが、来月には立春です。
冬の養生を少しずつ取り入れて、次の季節、春も元気に過ごせますように。