パレスチナ支援活動を報告
北海道パレスチナ医療奉仕団は10月31日、札幌市の会場とオンラインを結び、「第14次パレスチナ医療・こども支援活動」の報告・意見交換集会を開催しました。
依然として、イスラエルによる軍事支配が続くパレスチナへの支援活動は2011年から始められ、コロナの影響で3年ぶりとなりました。
今年8月に東エルサレム、ヨルダン川西岸、ガザ地区への支援活動に参加した、猫塚義夫団長をはじめ、清末愛砂副団長や教師や看護師らが軍事占領の実態や現地の様子を伝える写真などを示し、それぞれの活動内容や立場上から見える問題点などを報告交流しました。
猫塚氏は、難民キャンプや診療所で行なった約400名の検診などの支援活動内容と共に、土地や水が取り上げられ、洞窟での生活を強いられている人たちがいる実態を告発。ロシアのウクライナ侵略と国際法を無視している点や虐殺やインフラの破壊など共通する点があるとし、ロシアにも反戦や出兵を拒む人がいるように、イスラエルにも、軍事支配が間違っていると「沈黙をやぶる」と活動している人達もいることは励みになると話しました。
22年間パレスチナ問題に関わってきた清末氏は、「停戦を迎えると無関心になる地域でも包囲や封鎖、尊厳が侵害される生活は続いている。ジェンダーに基づく研究者として、権力による暴力支配の構造を世界が許してはいけない」とパレスチナとの関わり方についての問題提起がされました。
初めて参加した高橋国夫氏は、清末氏と共に、子ども支援として難民キャンプのリハビリステーションや幼稚園などで〝出張アトリエ〟を。「絵画や音楽を通じて思いや気持ちを表現することで日頃感じているストレスを吐き出してほしい。戦争しか知らない子たちに、日々の恐怖心からその時だけでも解き放たれ、一望につながってほしい。」と意義を語り「自分たちは世界から忘れられていない。知らない国の人たちが自分たちを心配していると伝えることで明日への希望と感じてほしい。そのことを伝えるためにまた参加したい」と述べました。
医師の香山リカ氏が司会を務めました。
札幌に住んでいるパレスチナ出身の女性(24)と1カ月前に札幌に来た妹、エジプトの出身の女性が参加し、報告会後猫塚氏らと交流していました。
会場には、平和の象徴である鳩に見立てた手形にメッセージが書き込まれた作品が飾られていました。